ゲームの世界観の相談でGPT-4を使う

最近、特に書きたいネタもないな・・・と思って放置していたnoteですが、今話題のChatGPTをゲーム開発に活かしている(現在進行形)なので、自分のやったことの記録として記事を書こうと思います。
かなり冗長な記事になります。(要点がまとまっておらず長いということ)

・使っているのはGPT-4
・APIは未使用
・〇〇で××なゲームを考えて、みたいな丸投げはしない
・ある程度の世界観の指向性が決まっており、裏付けや科学的根拠に基づいてアドバイスもらうために使う
※この記事は今頑張って作ってるゲームの軽いネタバレを含みます

世界観を理解してもらうほど複雑になるとやはり高性能なGPT-4のほうが良いです。GPT-4を使うのには月額課金が必要です。
ChatGPT plusに加入すると、APIが使用できますが、無条件で公開されているAPIはGPT-3.5までのようで、GPT-4のAPIはフォームから申請して、許可されると使えるようになるらしいですが、自分は許可されていません。

めっちゃ長いので、さくっとまとめてほしい人はこちら

・間違っててもそれっぽいならOKな案だしならめっちゃ有能
(特にフィクション)
・主要なことはあくまで自分のアイデアで、その間の繋ぎや、葉分かれした部分に使うと、めっちゃアシスタント感があって良い。(自分のオリジナルの部分が損なわれない)
・ログが消し飛ぶこともあるから、別途テキストファイルなどに保存しておいたほうが安全
・一発で良いアイデアはそんなに出てこない。出してもらったアイデアがズレてるところを指摘して、何度も会話することが重要。

このページの一番下にある感想と同じもの

では、内容について話していきます。

GPT-4を最初に使ったのは世界観設定をよりリアルにするために使いました。
今作っているのが未来のSF物で、リアルなものを考えるにはかなりニッチな科学的な情報が必要でした。具体的には、

・人類が絶滅の危機に瀕するほど、大規模な災害がおきる
・その絶滅の危機の理由は、生存圏が標高1km以上のみに何かしらの理由で狭まってしまう
・現代に存在しない謎の物質などは使いたくない

というワガママな条件を満たす、災害Xとその後生存圏が狭まる歴史年表が欲しかったのです。適当にでっち上げても成り立つのがゲームではありますが、自分はインターステラーのようなウソだけど無駄に設定を凝ってるSFが好きだったのです。

イテばし
あなたは(AI)は、物理学や化学に詳しく、また地球の地質学にも詳しい専門家です。
私は、ゲーム開発における、サイエンスフィクションとしてのストーリーを考えていて、ある程度科学的な裏付けがあるストーリーを考える際、いいアイデアや、具体的なスケールを知るためにあなたに質問をします。
サイエンスフィクションの創作物としてある程度の嘘や超低確率の現象を許容したうえで、私の質問に答えてください。

GPT-4
もちろん、お手伝いできる範囲で答えます。どんな質問があるか教えていただけますか?

イテばし
私はゲームのストーリー上、6回目の大量絶滅として事象Xが起き、それにより人類絶滅の危機になるまで減少し、また事象Xの影響で、地球環境が変貌し、標高1km以上の高所にしか生存圏を構築できない世界にしたいと考えています。可能ならば、標高1km以下はアルゴンなどの空気より重いガスで満ちており、酸素マスクを着けていないと行動ができないようにしたいです。
このようなストーリーにするための事象Xの案をいくつか挙げてもらえますか?

保存したChatGPTのログを読みやすいよう整形したもの

なんとも無茶ぶりな設定で質問を投げかけています。一応、ギャグではありません。
ちなみに大量絶滅というワードは、これ以前に何度かやり取りしていた(ログが残っていない)ものによって、こういう現象が過去にはあったよとGPT-4さんが教えてくれた災害の一つです。

GPT-4
事象Xとして機能する可能性があるシナリオはいくつかあります。以下にその例を挙げますが、これらはあくまでサイエンスフィクションの世界であり、現実の科学に基づくものではありませんので、ご了承ください。

・地球に巨大な彗星や小惑星が衝突し、衝撃によって大量のアルゴンや他の重いガスを地下から放出させる。これにより、低地に重いガスが充満し、標高1km以上に避難せざるを得なくなる。

・地球内部のアルゴンを含むガスの圧力が極限に達し、地球規模の地殻変動を引き起こす。この地殻変動により、大陸の一部が沈んで標高1km以下の地域がアルゴンガスで満たされる。

・太陽系内を移動する別の惑星や天体が地球に接近し、重力の影響で地殻を引き裂いてアルゴンガスが放出される。地球の大部分の低地がこのガスで埋まり、生存が困難になる。

・人類が実験やテラフォーミングの失敗によって、地球の大気中にアルゴンガスが放出される。アルゴンガスは重いため地表近くに留まり、標高1km以上でなければ生存できなくなる。

これらのシナリオはあくまで一例であり、サイエンスフィクションの創作物としてさらに緻密な設定を考えることができます。最終的には、あなたの想像力と物語の枠組みによって、事象Xをどのように描写するかが決まります。

保存したChatGPTのログを読みやすいよう整形したもの

おお、なんかそれっぽいものをちゃんと答えてくれた。
具体的にアルゴンと言ってしまったので、だいぶアルゴンに引っ張られているようでしたが、SFっぽい方向性でちゃんとでてきています。

イテばし
1番の彗星や小惑星の衝突が良いイメージになりそうです。
地球の地下には、標高1kmを満たすようなガスが埋蔵しているものなのでしょうか?
また、地球の地下に埋没したガスと比べて、確率は低いですが、彗星や小惑星の構成物質がアルゴンなどの重い気体が固体化したものとでは、どちらが現実的でしょうか?

GPT-4
地球の地下には、アルゴンや他のガスが存在しますが、標高1kmを満たす量があるかどうかは現実の科学では明確には分かっていません。ただし、サイエンスフィクションの世界では、地下に大量のアルゴンガスが存在する可能性を想定することはできます。

彗星や小惑星がアルゴンや他の重いガスを含んでいる可能性は低いとされています。彗星は主に水や炭酸ガス、アンモニアなどの揮発性物質で構成されており、小惑星は岩石や金属が主成分です。ただし、彗星や小惑星にもアルゴンや他のガスが含まれている可能性は否定できません。

現実的な観点から比較すると、地球の地下に大量のアルゴンガスが存在する可能性が、彗星や小惑星の構成物質がアルゴンの固体化したものである可能性よりも高いと言えます。ただし、サイエンスフィクションの世界では、どちらのシナリオも十分に想像できるものです。現実とは異なる要素を取り入れることで、物語の面白さや独自性を追求できるでしょう。

保存したChatGPTのログを読みやすいよう整形したもの

自分の知識不足で、こんなイメージと比較したらどう?と聞いてみましたが、ちょっと変かも、と教えてくれました。全否定じゃないところに優しさを感じました。
以下、しばらくやり取りをした後です。

GPT-4
サイエンスフィクションの世界では、現実の科学的根拠に基づかない設定も許容されることが多いため、隕石衝突によって地球の低地に重いガスが充満するというストーリーを展開することができます。ただし、物語のリアリティを保つために、隕石衝突の規模や影響を適切に描写することが重要です。

イテばし
はい、そのために隕石衝突の規模や回数を想定したいのですが、かなりアバウトな計算でも構いません、どのぐらいの規模と回数が必要でしょうか?

GPT-4
現実の科学的知見に基づいてアバウトな計算を試みますが、あくまでサイエンスフィクションのストーリーにおける参考値としてご理解ください。

標高1km以下の領域を満たすために必要なガス量を計算するために、まず地球の表面積のうち標高1km以下の領域を見積もります。地球の表面積は約510,072,000 km²で、標高1km以下の領域が全体のおおよそ70%を占めると仮定すると、約357,050,400 km²となります。

次に、この領域の1kmの高さまでガスで満たすために必要なガスの体積を計算します。357,050,400 km² x 1km = 357,050,400 km³ です。

大規模な隕石衝突が起こると、地球の大気に大量のガスや粉塵が放出され、一時的に地表付近の環境が変化します。しかし、衝突によって噴出するガスの量が、これほどの体積を満たすためには、非常に大きな隕石が複数回衝突する必要があるでしょう。

例えば、約6500万年前に地球に衝突したとされるチクシュルーブ隕石は、直径約10kmで、衝突によって大量のガスが放出されましたが、その規模でも地球全体の大気を変えるほどの影響はありませんでした。このことから、標高1km以下の領域を満たすためには、チクシュルーブ隕石よりもはるかに大きな隕石が複数回衝突する必要があると考えられます。

ただし、これはあくまで現実の科学的知見に基づいたアバウトな計算であり、サイエンスフィクションのストーリーにおいては、よりドラマチックな展開や設定を追求することが可能です。物語の舞台となる世界の独自性や魅力を引き出すために、隕石衝突の規模や回数を調整してみてください。

保存したChatGPTのログを読みやすいよう整形したもの

計算が合っているのかすらわかりませんが、隕石の衝突のみではだいぶムリがあったことが判明します。こういう数字に基づくSFを考えるのは非常に大変なので助かる・・・
しかしやりたい舞台設定があったので、もうすこし粘ってみることにしました。災害の序盤のイメージが湧いてきたので記述し、続きを書いてもらいます。

イテばし
それでは、このような地球環境になってしまうまで、複数のフェーズがあるように変更しましょう。
第一段階で、地球にチクシュルーブ隕石よりも大きな隕石が衝突し、地球の地殻変動に影響を与え、また地表に比重の重いガスを噴出させます。
第二段階はその地殻変動によって、火山活動が活発化し、火山活動による比重の重いガス(二酸化炭素や硫化水素、二酸化硫黄など)がさらに地表を覆います。
第三段階以降の展開の案をリストアップしてください。
また、このフェーズは100~200年ほどの時間経過を伴っても構いません。

GPT-4
第三段階以降の展開案をいくつかリストアップします。100~200年の時間経過を考慮して、地球環境が変化する様子を描写できるようにしています。

第三段階:大気中のガスが次第に標高1km以下の領域に沈んでいきます。高濃度のガスが地表を覆い、植物や動物の生存が困難になる一方、高地では比較的安全な環境が維持されます。人類は高地への移住を余儀なくされ、新たな生活圏を築くことになります。

第四段階:海洋生態系の変化が進み、海中の酸素濃度が低下し、海洋生物の大量絶滅が起こります。陸地では、植物の光合成が困難になり、食物連鎖の崩壊や生態系の変化が進みます。

第五段階:高地に移住した人類社会は、新たな技術や知識を獲得して、厳しい環境に適応する方法を模索します。標高1km以下の危険な領域への探検や資源採取のため、特殊な装備や車両が開発されるようになります。

第六段階:標高1km以下の領域で生き残った生物が、ガスに適応した進化を遂げます。新たな生物種が誕生し、未知の生態系が成立することで、人類とそれらの生物との新たな関係が築かれます。

第七段階:人類は標高1km以下の環境の回復を試みます。大気浄化技術や生態系再生プロジェクトが始まり、地球環境の改善に向けた努力が続けられます。

これらの展開案を組み合わせることで、標高1km以下の環境が変化し、人類や生態系がそれに適応・対応する様子を描くことができます。また、物語のテーマやメッセージに応じて、さらに詳細な展開を加えることが可能です。

保存したChatGPTのログを読みやすいよう整形したもの

めっちゃいい感じに続きが出てきました。
しかし、自分の想定とはズレ始めたので修正も行い、もう少しゲームの世界観の中身を深掘りしてアイデアを出してもらうことにします。

イテばし
第五段階までのストーリーは非常によく感じます。
第六段階からですが、実は私の中にもともとある程度の構想がありました。
人類は厳しい生存環境を生き残るため、手段を択ばず様々なアプローチのプロジェクトを発足させます。
そのうちには、現代では禁止されている生命倫理にふれる遺伝子の研究も許可されます。
以下は私が考えたそのプロジェクト案の例です。
1.他天体への移住計画
2.地球衛星軌道上に居住コロニーの構築
3.より省エネルギーで生存可能な人類への遺伝子操作
4.地球環境の再生を目指し、過酷な環境でも光合成を行う植物の研究
この案のほかに、人類が発足させるプロジェクトの案を挙げてもらえますか?

GPT-4
人類が発足させる可能性のあるプロジェクト案をいくつか追加します。

人工知能(AI)とロボティクスの発展:標高1km以下の危険な領域での調査や作業を行うための高度なロボットやドローンの開発。また、環境改善に向けた最適な解決策を見つけるために、AIを活用したシミュレーションやデータ分析が行われます。

エネルギー資源の開発:新たな生活圏での持続可能なエネルギー供給を確保するため、太陽光発電、風力発電、地熱発電などの再生可能エネルギー技術の研究や、高効率の核融合技術の開発が行われます。

高度な農業技術の開発:高地での食料生産を効率化し、食糧不足を解決するために、垂直農業や屋内農業、遺伝子組み換え作物などの先進的な農業技術が研究・導入されます。

医療技術の革新:厳しい環境下での人類の健康を維持・向上させるため、新しい医薬品や治療法の開発、テレメディシンや遠隔診療技術の普及、遺伝子療法や再生医療の進展が期待されます。

人類の心理的・社会的適応力向上:環境変化に伴うストレスや不安に対処し、コミュニティや家族の絆を強化するための心理学的・社会的支援プログラムや教育の改革が行われます。

環境モニタリングと防災システムの強化:地球環境の変化に対応し、自然災害のリスクを軽減するために、気象・地質・海洋状況をリアルタイムで監視し、予測・警戒システムを構築します。

これらのプロジェクト案を組み合わせて、人類が環境変化に対抗するための
様々なアプローチを試みる様子を描くことができます。物語の進行に応じて、これらのプロジェクトが成功したり、失敗したり、予期せぬ結果を招いたりすることで、物語の展開がさらにリアルで興味深いものになるでしょう。

また、人類が直面する課題や倫理的な問題を取り上げることで、プレイヤーに考えさせる要素を与えることができます。例えば、遺伝子操作によって生まれた新しい人類が現れた際、彼らと従来の人類との関係や、どのような権利・責任があるべきかといった問題が議論の対象となるかもしれません。

物語の中で人類が取り組むプロジェクトを通じて、現実世界でも直面している環境問題や技術開発、倫理的な問題について考えるきっかけを提供することができるでしょう。

保存したChatGPTのログを読みやすいよう整形したもの

ここで筆者は衝撃を受けました。
ゲームのテーマとか、自分の中ですらハッキリしていなかったものに近づき始め、提案してきたからです。
一応、出してもらったアイデアは参考にはしますが、全部採用するというわけではありません。自分の頭の中でふわっとしていたアイデアが、これは近いな、これは遠いな、といった具体例と比較して少しずつ固まっていくのを感じました。
これ以降は、ここまで相談できるのならば、ゲーム本編についても相談しちゃえ、という感じでゲーム本編の相談もしていきました。(クッソ長い上に未決定事項でかつネタバレになるので割愛します)

この相談をしていた頃は、ChatGPTのログに不具合がある時期で、過去のログが参照できない+残らない状態でした。
最近復旧したら見事にログが消えていたので、保存しておいたテキストデータを元に、再度ゲームの説明を行った上で、アイデアだしを手伝ってもらったりしています。

保存したテキストログを元に、再度ゲーム設定の説明をしている(伏字は深刻なネタバレ部分)
詳細な条件とサンプルデータを指定したうえで、追加のアイデア出しをしてもらう

これだけを見ると全部アイデアをGPTに出してもらっているように見えるかもしれませんが、主要なアイデアを上げたうえで、追加で賑やかしのアイデアを考えてもらっています。
ゲームのストーリーのコアな部分は自分である程度構想があるのですが、葉分かれした細かい部分や、逆にストーリーと関係ない賑やかしや、ブラフ、ミスリードに関係するものは追加で考えなければならず、アイデアを出してもらったりします。

現在ではこんな感じでゲーム開発に実際に使えています。
結構、大枠は決まっているけど、詳細が詰まっていないというのはよくあると思いますし、その詳細を詰めるのに利用している感じです。

一応、UE5で使えるマテリアルのシェーダーをかいてもらおうとしたこともあったのですが、エラーのチェックバックが大変なことと、自分がシェーダーコードの成否を判定できないので、使いづらいな…という感じでした。(現在、普通のプログラムであればエラーチェック含めて自分で修復するタイプのAIもでているようなので、UE5と直接連携するAIがあれば使えそうです)

特に今回有用だと感じたのは、専門家に聞かないとおかしいのかすらわからない部分を聞けたことです。でも正直GPTが適当を言っている可能性も否めないので、今回見たいなウソでもOKなSFでは使えますが、ウソだと困るものだと使いにくいかもしれません。
ちなみにGPT3.5だと計算周りも怪しいです。同じ計算を違う表現で聞くと違う答えが返ってきたりします。それっぽい感じで答えるので騙されないように。

以下感想まとめ
・間違っててもそれっぽいならOKな案だしならめっちゃ有能
(特にフィクション)
・主要なことはあくまで自分のアイデアで、その間の繋ぎや、葉分かれした部分に使うと、めっちゃアシスタント感があって良い。(自分のオリジナルの部分が損なわれない)
・ログが消し飛ぶこともあるから、別途テキストファイルなどに保存しておいたほうが安全
・一発で良いアイデアはそんなに出てこない。出してもらったアイデアがズレてるところを指摘して、何度も会話することが重要。


正直、今の段階でかなり優秀に情報を理解してアイデアをだしてくれているので、そのうち全部任せて、こんなゲームが欲しい!といったら出してくれる未来は来てもおかしくないな・・・とは思いましたが、そのうち人間じゃないと生み出せない、根拠もない曖昧なもので矛盾していたり間違ったりするものが求められるのかも・・・とかぼんやり思いました。
あとAIさんは敬語で話してるほうが精度が高いらしいです。礼儀だたしく、ちゃんと仲良くしようね。


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