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心までは真似できない
今日の言葉
イソップ寓話より引用
463)猿の踊り子
こんな話もある。エジプトの王がある時猿に軍の舞を教えた。猿は人間の真似をするのが至ってうまいので、すぐに覚え、紫の衣裳を着け面を被って踊るようになった。この見せ物は久しく好評を博していたが、やがて洒落つ気のある見物人が、懐に忍ばせた湖能を真中に投げ入れた。猿どもはこれを見るなり踊りも忘れ、舞い人から本来の猿に戻って、面を破り衣裳を引きちぎると、秋の実りの奪い合いを始めた。こうして舞の列も崩れ、満座の剛笑を買ってしまった。
心までは真似できない
何をもって「成功者」というかを別にして、ビジネス書などで「成功者の真似をしなさい」と書かれていることがあります。
成功者をよく観察し、成功者の様に振る舞えば、あなたも成功しますというよな感じ。
確かに、成功者に妬んでいるよりは、成功した人を観察して真似をした方がいいとは思う。
しかし、多くの場合、成功者を真似しても、上手くいかないと思う。
なぜならば、本当の意味で成功した人は、その人の心からの行動の結果であることがほとんどだから。
ビジネスの場合、ただ「儲けたい」という動機ではなく、「こういう仕組みを作れば社会はよくなる」といった深い動機の人が長く成功していると思う。
深い動機の人ほど、日々の行動は心からの立ち振る舞いになっている。
真似する側がその心を理解しておかないと、ただ真似をしても猿のようになるだけ。
イソップ寓話集 の「猿の踊り子」を読んで、そんなことを感じました。