相手を知るのに大事なのは〇〇しかない
今日は久しぶりに遠方への訪問でした。
新潟県は阿賀野市、五頭山のふもとにある、庵地焼「旗野窯」に訪れました。
この雰囲気好きです
今回は旗野窯さんが抱える問題や悩みに対しての提案、工場(こうば)の見学をさせていただきました。
ぼくはほとんど作り手さん・提案側の話を聞かせてもらうだけでしたが、あの場にいただけでもとても学ぶことが多かったです。
自分なりに感じたことなどを綴りたいと思います。
とその前に、みなさん庵地焼ってご存知ですか??
恥ずかしながらぼくは知らなかったです……。
ぼくのように知らなかった方のために少しご紹介。
庵地焼とは
「庵地」とは、新潟の大河・阿賀野川の中流域、保田の旗野窯周辺一帯の地名です。
「庵地焼」とは、「庵地」の土だけを用いてすべての工程を手作業で行い、当窯のみで生み出される民衆的工芸陶器です。
庵地焼「旗野窯」ホームページより
庵地焼は約140年の歴史があり、伝統を守り・生かしながら現在も土づくりから全ての工程を機械を使わずに行っています。
三代目が亡くなった後、3人の娘さんが後を継ぎ「三姉妹の窯」と言われるようになり、日本でただ一つの三姉妹の窯となりました。
その後、三姉妹のお子さん達も加わり現在に至ります。
製品の焼き上げには、ガスを用いた「ガス窯」・薪を用いた「登り窯」を使用しています。普段は「ガス窯」を使用して焼き上げているそうです。
簡単ではありますが、庵地焼について少し知れたでしょうか?
庵地焼の特徴の一つであるのが、庵地の土だけを使って製品を作ること。
ほかの多くの窯元さんはその地の土と違うところから持ってきた土を混ぜて作っているそうなのですが、庵地焼は100%その地の土だけで作っているそうです。
知らないことばかりで驚くばかりでした。
しかもロクロ引きができる「土」にするまで全工程を手作業で行っていて、とても手間と時間がかかっています。
これがロクロ引きできる「土」だったはず……。 ごめんなさい、説明聞きそびれました(涙)
この状態になるまで9つもの工程があることも教えていただきました。
さっきも書きましたが、とても手間と時間がかかっています。
これだけで何か重みのようなものを感じました。
そしてもう一つ特徴であるのが伝統の「蹴りロクロ」です。
左側に見えるものが「蹴りロクロ」ですね。 周りにあるのは成形の際に削られた土です。
一般的には電動のロクロを使って成形するのを想像するかと思いますが、庵地焼は蹴りロクロなんですね。
下でロクロを蹴って回しながら、上では手で回っている土を成形していく……。
とても難しそうで頭が混乱しそうです。今回は体験できなかったので、次は実際に体験してみたいです。
最後にもう一つ全国でもとても珍しい「登り窯」があるのが特徴です。
とても貴重な登り窯
3代目の時に一から手作りで完成させたのがこの旗野窯です。
今では「三姉妹の窯」と呼ばれていています。
こちらが6室ある登り窯 1,300度まで高温になります
少しわかりづらいですが6室が段々になっています。 これが登り窯の特徴です。
同行した建築関係に詳しい人によると、稼動できる登り窯はとても貴重なもので滅多に見れるものではないそうです。
近年、窯を燃やす際に出る煙に規制がかかっていてなかなか窯焼きができなくなっているとか。
ここ旗野窯が稼動できているのはしっかりと対策をしているからなんですね。
この煙突が登り窯の稼動を可能にしています。
しかし、登り窯に劣化の問題があり以前より稼動できなくなっているそうで、特別な日に使っているそうです。
窯の中を燃やしていると劣化で穴やヒビのあるところから火が吹き出てしまい、焼き上がりに影響が出てしまうことがあるみたいです。
壊れないように窯の使用頻度を減らしていますが、やっぱりガス窯より登り窯がいいとおっしゃっていました。
ここまで庵地焼「旗野窯」についてざっとではありますが紹介しました。
拙いながらも、貴重さだったり重みを感じてもらえるといいなと思います。
実はここからが本題というか、一番感じたことです。
知っているようで作り手のおもいは知らない
ここまでで庵地焼「旗野焼」のことはなんとなく知ってもらえたかと思います。
だけど、実際に行って自分で見て話して感じてもらいたいです。
今回、初めて行って話したりするまで自分の中の作り手(職人)はお堅い人達でした。
よく職人気質という言葉を耳にしますが、こんな感じで想像するかと思います。
・頑固で自分の考えを曲げない
・自分にも他人にも厳しい
・責任感が強い
・気難しい
こんな感じではないでしょうか?そしてその理由が
・自分自身の仕事や腕に誇りを持っているから。
確かにそうでした。
話し合い中も職人気質だなーなんて安易に思っていました。
工場の見学をさせてもらうまでは。
ものづくりに命をかけていることは想像できていたつもりだけど、実際に話を聞いて工場を見て、誇り(プライド)・こだわりが邪魔をしているとは思っちゃいけないなと感じました。
製品や工場、窯の説明を丁寧にしてもらった時にその人の温度を感じて、より作り手側に近づけた気がします。
一番大事で一番伝えたいことなのだけど、伝えられている気がしません。
お話をしている中で
どんなにうまい文章で書いてもらっても、面と向かって話さないと本当にわかってもらえない
その通りだなと思いました、百聞は一見にしかずと言うし。
だけどこうやって拙い文章でも、本当のことを知りたい、実際にその場所に行って話したいと思ってもらうことはできるかなと。
何にでも通ずることかもしれないけど、面と向かわないとわからないことだらけですね。
今日、初めて行って庵地焼「旗野窯」が好きになりました。
実際に行ってみることをおすすめします!好きになって帰って来ると思います。
そう、相手を知るには行かなければわからないのだ。
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