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【決算シーズン】2024Q4の第4週目までの振り返り
アメリカ株の決算シーズン2024Q4が始まり、先日その第4週目を終えました。
META(メタ)、MSFT(マイクロソフト)、AAPL(アップル)などのビックテックなどの決算が発表されましたが、振り返って行きたいと思います。
各社の決算・企業業績について
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META(メタ)の決算は、EPS【⭕】と売上高【⭕】、来期の売上高のガイダンスが未達【❌】今期のEPS成長率は前年同期比+50%で、売上高成長率は+20.6%でした。Operating margin(営業利益率)は48%で、前年同期は41%でした。ファミリー製品において少なくとも1つを1日に利用したユーザー数 (DAP) は33億5000万人で、前年同期比+5%でした。アプリ内で配信される広告のインプレッション数は前年同期比+6%、通年で+11%増でした。Average price per ad (広告単価)は前年同期比+14%、通年で+10%増でした。オペレーティング・キャッシュフローは27.99B$で、前年同期比+44.2%でした。フリー・キャッシュフローは13.15B$で、前年同期比+14.3%でした。
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MSFT(マイクロソフト)の決算は、EPS【⭕】と売上高【⭕】来期の売上高のガイダンスが未達【❌】今期の売上高成長率は+12.3%でした。【各部門別の売上高とその成長率(前年同期比ベース)に関して】マイクロソフト・クラウドの売上高は40.9B$(+21%)でした。プロダクティビディ&ビジネス・プロセス 部門の売上高は29.4B$ (+14%)でした。インテリジェント・クラウド 部門の売上高は 25.5B$ (+20%)でした。アジュール (Azure) の売上高成長率は前年同期比+31%でした。(※前期のアジュール売上高は前年同期比+33%の成長率でした。)モア・パーソナルコンピューティング 部門の売上高は14.7B$(+0.1%)でした。営業キャッシュフローは22.3B$(+18%)でした。なお、設備投資費用を加味した営業キャッシュフローは-15.8Bでした。フリーキャッシュフローは6.4B$で、前年同期比-29%でした。
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AAPL(アップル)の決算は、EPS【⭕】と売上高【⭕】来期の売上高のガイダンスが若干の未達【△】今期の売上高成長率は+4.0%でした。グロスマージン(粗利益率)は46.9%で、前年同期は45.9%でした。サービス売上高は26.34B$で、前年同期比+13.9%でした。
VIRT(バーチュファイナンシャル)の決算は、EPS【⭕】と売上高【⭕】💯今期の売上高成長率は前年同期比+55.7%でした。純トレーディング収入は、前年同期の2億6660万ドルから、当四半期は5億4400万ドルへと104.0%増加しました。純利益は、前年同期の670万ドルから、当四半期は1億7610万ドルとなりました。調整後 税引き前利益は、前年同期の 9900 万ドルから、今四半期は 2 億 8350 万ドルとなり186.4% 増加ました。
EAT(ブリンカー)の決算は、EPS【⭕】と売上高【⭕】、来期のガイダンス【⭕】、今年通年のガイダンス【⭕】💯EPSと売上高のガイダンスを上方修正しました⬆️今期の売上高成長率は、前年同期比+9.4%でした。営業利益率は11.5%で、前年同期は5.8%でした。レストランにおける営業利益率は19.1%で、前年同期は13.1%でした。Adjusted EBITDA(調整後・税引き前利益)は215.8M$で、前年同期比+101.7%でした。
TEAM(アトラシアン)の決算は、EPS【⭕】と売上高【⭕】、来期のガイダンス【⭕】、ガイダンス【⭕】💯今年通年の売上高のガイダンスを上方修正しました⬆️サブスクリプション売上高は1,213M$で、前年同期比+30.2%でした。Non-GAAP Gross margin(粗利益率)は85%で、前年同期は84%でした。【部門別の売上高と成長率】①クラウド部門の売上高は846M$で、前年同期比+29.7%でした。②データセンター部門の売上高は362M$で、前年同期比+31.9%でした。③マーケットプレイスとその他の部門の売上高は77M$で、前年同期比+22.6%でした。④サーバー部門の売上高は0M$で、前年同期は69M$でした。
CLS(セレスティカ)の決算は、EPS【⭕】と売上高【⭕】、来期のガイダンス【⭕】、ガイダンス【⭕】💯来年通年のEPSと売上高のガイダンスを上方修正しました⬆️Non-IFRS operating margin(営業利益率)は6.8%で、前年同期は6.0%でした。【部門別売上高と成長率(前年同期比ベース)】
①ATS(アドバンスドテクノロジーソリューション) 部門の売上高は805.8M$(+0.4%)でした。②CCS (コネクティビティ&クライドソリューション)部門の売上高は1739.9M$(+30.1%)でした。
その他にもオルタナティブ系を中心に資産運用を行うBX(ブラックストーン)や半導体のKLAC(KLAコーポレーション)や ASML(ASMLホールディング)、大手クレジットカード会社のMA(マスターカード)や V(ビザ)、オンライン教育のLRN(ストライド)などが好決算を出しました。
カンファレンスコールの一部
V(ビザ)のライアン・マクイナニー氏:
『米国では、ホリデーシーズンの消費者支出は前年比で一桁台半ばの上昇となりました。 最も高い伸びを示した消費者カテゴリーは、小売、旅行、エンターテイメントなどの選択的カテゴリーでした。 小売に焦点を当てると、ホリデーシーズンの支出は前年より数ポイント高く、感謝祭からサイバーマンデーまでの主要なショッピング日の小売支出の伸びは数ポイント高くなりました。 ホリデーシーズンの小売支出に占める電子商取引の割合は、前年より高くなりました。世界の主要国でも、ホリデーシーズンの消費者による小売支出の伸びは昨年より改善しており、同様の傾向が見られました。』
『消費者向け決済では、認証情報は前年比7%増の47億件、トークンは前年比44%増の126億件となっています。デジタル化が進む世界において、当社は引き続き認証情報を拡大しています。Visaフレキシブル認証への関心は引き続き高まっています。米国ではAffirmカードを導入し、日本では三井住友カードと提携して資金調達オプションを拡充し、中小企業向けカードを追加しました。また、アラブ首長国連邦ではフィンテック企業のLivと提携し、マルチカレンシーソリューションを発表しました。』
MA(マスターカード)のマイケル・ミーバッハ氏:
『マクロ経済環境は引き続き良好であり、今日のニュースでも見られるように、健全な個人消費に支えられています。労働市場は失業率が低く賃金上昇が続いているため、堅調です。インフレは落ち着いていますが、カテゴリーや国によって程度に差があります。消費者は依然として購買意欲を持っています。富裕層は資産効果の恩恵を受けており、大衆層は労働市場に支えられています。
当社のeコマース研究所では、2025年には金融・財政政策の変化、あるいは地政学上の懸念が残るものの、世界経済が拡大する年になると予想しています。全体として、当社では成長見通しについて引き続き楽観視しています。』
ここまでのSP500全体の企業業績について(FACTSETより)
全体として、S&P 500の企業のうち36%が2024年第4四半期の実績を現在までに報告しています。これらの企業のうち、77%が予想を上回る実際のEPSを発表しており、これは5年間の平均77%と同等ですが、10年間の平均75%を上回っています。
全体では、企業は予想を5.0%上回る収益を発表しており、これは5年間の平均8.5%と10年間の平均6.7%を下回っています。
この1週間の間、通信サービスおよび情報技術セクターの企業によるEPSのポジティブなサプライズが、産業セクターの企業によるEPSのネガティブなサプライズによって一部相殺されたことが、この期間における指数全体の収益成長率の上昇に最も大きく貢献しました。
12月31日以降、金融および通信セクターの企業によるポジティブなEPSサプライズが、工業セクターの企業によるネガティブなEPSサプライズによって一部相殺されたことが、この期間における指数全体の収益成長率の上昇に最も大きく貢献しました。
11セクターのうち7セクターが第4四半期の前年比増益を報告しています。この7セクターのうち5セクターは2桁成長を報告しており、金融、通信サービス、IT、消費財、公益事業となっています。一方、4セクターは前年比減益を報告しています。この4セクターのうち2セクターは2桁減益を報告しており、エネルギーと資本財となっています。
売上高に関しては、S&P 500企業の63%が予想を上回る実際の収益を報告しており、これは5年間の平均69%および10年間の平均64%を下回る結果となっています。
今後については、アナリストらは2025年第1四半期と第2四半期の(前年比)収益成長率をそれぞれ10.1%と10.9%と予測しています。2025年通年については、アナリストらは(前年比)収益成長率を14.3%と予測しています。
12ヶ月先の予想PERは22.0で、これは5年平均(19.8)および10年平均(18.2)を上回っています。このPERは、第4四半期(12月31日)末時点で記録された21.5という12ヶ月先予想PERをも上回っています。
今週に決算が予定されている企業の一部
・PLTR
・SNAP
・PYPL
・SMCI
・REGN
・MRK
・PFE
・AMGN
・GOOG
・ARM
・SYM
・UBER
・BSX
・QCOM
・F
・DIS
・DOCS
・AFRM
・RBLX
・NET
・PINS
・MTSI
・PM
・HSY
・LLY
・BMY
・AMZN