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ハイパースケーラーにおける設備投資の見通しに関して【No2】


この記事では2025年におけるハイパースケーラー各社(主にMETA、MSFT、GOOG、AMZNなど)の設備投資に関する見通しを記録して行きたいと思います。ちなみにビックテックにおける設備投資の見通しはNVDAのGPUに対する需要や他のAIインフラ系銘柄(AVGOやMRVL、ALABなどのASICに対しる需要)のパフォーマンスにも大きく関わってくる部分だと考えています。


【META(メタ)社の今後の設備投資に関して】



・CFO(スーザン・リー)『2025年通年の資本支出は600~650億ドル(60B$~65B$)の範囲になると予想しています。(2024年通年の資本支出は約392億ドルで、通年ベースで+60%の増額となります。) 2025年の資本支出の伸びは、ジェネレーティブAIへの取り組みと中核事業の両方をサポートするための投資の増加によって牽引されると予想しています。 2025年の資本支出の大部分は、引き続き中核事業に向けられるでしょう。』

・CEO(マーク・ザッカーバーグ)『設備投資とインフラへの大規模な投資は、長期的な戦略的優位性になると引き続き考えている。いずれそうでないことが判明する可能性はあるが、そう判断するのは時期尚早だと思う。現時点では、このようなインフラを構築する能力は、サービスの質と、私たちが望むような規模のサービスを提供することの両方にとって、大きなアドバンテージになると確信しています。

・CFO(スーザン・リー)『2025年の設備投資額は、3つの要素(サーバー、データセンター、ネットワーク機器)すべてにおいて成長すると考えています。サーバーが最大の成長ドライバーであり、全体的な設備投資予算の中で最も大きな割合を占めることに変わりはありません。私たちは、AIへの取り組みをサポートし、コアAIへの重要な投資を継続することで、AIのキャパシティの成長を見込んでいます。また、より高いエンゲージメントをサポートし、既存のサーバーをリフレッシュするなど、コアビジネスに投資することで、AI以外のキャパシティの成長も見込んでいます。』


【MSFT(マイクロソフト)社の今後の設備投資に関して】


エイミー・フッドCFO:

第3四半期および第4四半期の四半期支出は、第2四半期と同水準で推移すると予想しています。2026年度は、マイクロソフト・クラウド全体で提供する必要がある顧客契約残高など、強い需要シグナルに対する投資を継続する予定です。しかし、成長率は FY25 より低くなり、支出の割合は、より収益成長と相関性の高い短期資産へと再びシフトし始めます。念のため申し添えますが、当社の長寿命インフラ投資は流動性があり、AI ワークロードを含む Microsoft Cloud 全体で世界中の顧客需要に対応する際に、当社が機敏性を維持することを可能にします。従来通り、クラウドインフラの拡張やファイナンス・リースの提供時期により、四半期ごとの支出に変動が生じる可能性があります。』


【Azureの成長率と見通しについて】


エイミー・フッドCFO:

『今期のAzureの成長率31%増を公表した後、来期の31%から32%についてお話しました。当社のAIの結果については、良い感触を持っており、その収益を達成する能力についてお話しました。繰り返しになりますが、第3四半期は、かなり制約のあるキャパシティの場所で作業しています。これは、昨年10月に私が皆さんにお話しした際の予想と変わりません。キャパシティの制約についてお話しすると、解消には2つの要素が必要となります。まず、スペースが必要です。私はこれを一般的に「長寿命資産」と呼んでいますが、つまり、インフラや土地のことです。そして、キット(データセンターでAIワークロードを処理するために必要なGPUやCPU、ストレージ、ネットワーク機器などのハードウェア)も必要です。私たちは継続して取り組んでおり、その理由から、私たちの支出は長寿命資産への投資へと転換されました。私たちはこれまで、スペースや電力が不足していました。そして、過去3年間にわたって行ってきたこれらの投資が実を結んでいるのがお分かりでしょう。今年末までには、そのバランスに近づくことができるでしょう。AI 側での自信は、販売、利用、そして、私はそう信じていますが、そのシグナルによって後押しされているという点で、引き続き存在しています。私たちが目撃しているのは、AI 以外の ACR (Azureのクラウドサービスから得られる収益)が下半期に規模の動きを通じてどのように機能するのかを見守っているところです。しかし、全体的には、私の席から見たスケール・モーション(AzureのAIワークロードと非AIワークロードのバランスを取りながら、適切にクラウドの売上を拡大する戦略)だけが本当に変わったことなのです。


【GOOG(アルファベット)社の今後の設備投資に関して】


アナト・アシュケナージCFO:

『投資に移りますが、まず2025年通年の資本的支出の見通しについてです。第3四半期の電話会議でも申し上げたとおり、AIへの取り組みを拡大するにあたり、主にサーバー、次いでデータセンターとネットワークといった技術インフラへの資本的支出を増やす予定です。2025年の資本支出は約750億ドル(2024年の資本支出は約525億ドル)、第1四半期の債務は約160億ドルから180億ドルを見込んでいます。四半期ごとに、主に納品時期や建設スケジュールによって、投資総額は変動する可能性があります。

2024年第4四半期には、AI製品に対する非常に強い需要が見られました。そして、その需要は現在も続いています。私たちは、利用可能なキャパシティを超える需要を抱えて1年を終えました。つまり、供給と需要のバランスが非常にタイトな状況にあるため、より多くのキャパシティをオンラインで提供できるよう、非常に懸命に取り組んでいるのです。申し上げたように、2024年には資本的支出への投資を増やし、2025年も引き続き増やし、年間を通じてより多くのキャパシティを追加していく予定です。


【AMZN(アマゾン)社の今後の設備投資に関して】


マーク・マハネイ(質問者):

『簡単な質問が2つあります。2025年に1000億ドル(100Bドル)のCapEx(設備投資)を考える必要があるということですね。それから、アンディ、AWSの成長が供給制約によって減速しているということはありますか?また、AWSに大きな影響を与えていると思われますか?』


アンディ・ジャッシーCEO(回答者):

『CapEx(設備投資額)の面では、第4四半期に263億ドル(26.3Bドル)のCapExを投じました。これは2025年の年率換算のCapEx(設備投資)額を合理的に表していると思います。(つまり263億ドル×4Qで通年の設備投資額は100Bドルを超える見込み。ちなみに2024年通年の設備投資費用は83B$でした。)このCapExの大部分はAWSのAIに費やされています。AWSのビジネスの仕組みとキャッシュサイクルの仕組みは、成長が早ければ早いほど、CapExの支出も増えます。

大きな需要が見込めない限り、調達はしません。したがって、AWSが設備投資を拡大するとき、特にAIのような一生に一度のビジネスチャンスと思われるものについては、AWSビジネスにとって中長期的に非常に良い兆候だと思います。そして、この機会を追求するために資本を費やすことは、私たちの観点からは、現在私たちが知っている事実上すべてのアプリケーションは、AIを内包し、コンピュートやストレージ、データベースと同様に推論を中核としたビルディング・ブロックとして生まれ変わると考えています。』



【現状の設備投資額の見通しについて】


メガテック4社の2025年における備投資額の見通しは、現時点でMSFTは前回のガイダンスを堅持、METAは通年ベースで約60%の増額、GOOGは通年ベースで約43%の増額、AMZNは通年ベースで20%の増額となりました。


・META(メタ)は通年ベースで+60%の600~650億ドル(前年は392億ドル)

・MSFT(マイクロソフト)は通年ベースで+44%の800億ドル(前年は556億ドル)

・GOOG(アルファベット)は通年ベースで+43%の750億ドル(前年は525億ドル)

・AMZN(アマゾン)は通年ベースで+20%の1000億ドル超(前年は830億ドル)

現時点での概算ですが、ビックテック4社による2025年設備投資額合計は3200億ドルとなる見込みで、2024年(2280億ドル)に対して前年比で+40%以上と大幅に増える見通しとなっています。



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