【決算シーズン】2024Q4の第2週目までの振り返り
アメリカ株の決算シーズン2024Q4が始まり、先日その第二週目を終えました。
今期もデルタエアラインや銀行・資産運用系、そして半導体ファウンドリーのTSMと同じみの企業から始まりましたが、振り返って行きたいと思います。
各社の決算・企業業績について
TSM(TSMC・台湾セミコンダクター)の決算は、EPS【⭕】と売上高【⭕】、ガイダンス【⭕】ともにオールクリア💯来期のEPSと売上高のガイダンスを上方修正しました⬆️今期のEPS成長率は前年同期比+55.6%で、売上高成長率は+37.0%でした。Gross margin(粗利益率)は59.0%で、前年同期は53.0%でした。Operating margin(営業利益率)は49.0%で、前年同期は41.6%でした。Net profit margin(純利益率)は43.1%で、前年同期は38.2%でした。ROE(株主資本利益率)は36.2%で、前年同期は28.1%でした。リーディングエッジ(最先端技術)チップの出荷比率は全体の74%で、前期は69%でした。
MS(モルガンスタンレー)の決算は、EPS【⭕】と売上高【⭕】💯今期のEPS成長率は前年同期比+161.2%で、売上高成長率は+25.8%でした。【各部門別の売上高とその成長率(前年同期比ベース)に関して】Institutional Securities 部門の売上高は7,267M$(+47%)でした。Wealth Management 部門の売上高は7,478M$(+13%)でした。Investment Management 部門の売上高は1,643M$(+12%)でした。株主資本利益率(ROE)は15.2%で、前年同期 は6.2%でした。
GS(ゴールドマンサックス)の決算は、EPS【⭕】と売上高【⭕】💯今期のEPS成長率は前年同期比+118.1%で、売上高成長率は+22.5%でした。【各部門別の売上高とその成長率(前年同期比ベース)に関して】投資銀行部門売上高は2,054M$(+24%)でした。市場部門売上高は 8,479M$(+33%)でした。資産運用部門売上高は2,818M$(+15%)でした。株主資本利益率(ROE)は 14.6%で、前年同期 は7.1%でした。
BLK(ブラックロック)の決算は、EPS【⭕】と売上高【⭕】💯今期のEPS成長率は+23.5%で、売上高成長率は前年同期比+22.6%でした。AUM(運用資産残高)は11.6T$で、前年同期比+15.4%でした。平均AUMは市場のプラスの影響、有機的な基本報酬の伸び、GIP取引で取得したAUMの手数料、パフォーマ ンス・フィーおよびテクノロジー・サービス収入の増加により、前年同期比で+23%、通年で+14%の増収でした。純資金流入額(net inflows)は過去最高の641B$でした。Adjusted Operating margin(営業利益率)は45.5%で、前年同期は41.6%でした。
DAL(デルタ・エアラインズ)の決算は、EPS【⭕】と売上高【⭕】、来期のガイダンス【⭕】、来年通年のガイダンスはEPSが若干の未達でした【△】今期の売上高成長率は、前年同期比+9.4%でした。【路線別売上高とその成長率(前年同期比ベース)に関して】国内線の売上高は9,193M$( +5%)でした。大西洋路線の売上高 は1,974M$(+4%)でした。南米路線の売上高は987M$(+4%)でした。太平洋路線の売上高は661M$(+19%)でした。有料旅客におけるマイル数の合計(有料乗客数×移動距離)の成長率は前年同期比+5%でした。
その他にも大手投資銀行のJPM(JPモルガン・チェース)やC(シティグループ)、BAC(バンクオブアメリカ)、住宅建設のKBH(KBホーム)、薬局チェーンのWBA(ウォルグリーン・アライアンス)などが好決算を出しました。
カンファレンスコールの一部
DALのエド・バスティアン『全般的に、消費者のレジャー需要は非常に強いです。企業全体の需要も非常に強いです。第 4 四半期の単位収益は、すでに指摘したように、当社の第 4 四半期の売上は、企業売上より 10% 増加しました。この傾向は第 1 四半期も続いています。』
MSのエドワード・テッド氏「パイプラインは非常に強力で、測定方法にもよりますが、過去5~10年、あるいはそれ以上の期間で最も強力です。私たちは、これを投資銀行の残りの部分にも押し進めることに興奮しています。」
JPMのジェレミー・バーナム氏『(費用関連について)新商品、新機能、新顧客プラットフォームへの投資、および近代化を継続しているため、技術関連費用の増加は主に事業主導によるものです。マーケティングは、引き続き魅力的な機会を捉えており、カード事業における旺盛な需要とエンゲージメントをもたらし、支出の原動力となっています。インフレは依然として上昇圧力の一因であり、これまでと同様、それを相殺するための効率化を進めています。与信関係では、2025 年度のクレジットカード正味償却率は、前回のガイダンスである約 3.6%と同程度となる見込みです。』
TSMのCC・ウェイ氏『AI需要とTSMCの長期的な成長見通しについてお話しします。年間を通じて、当社の顧客からのAI関連の需要は堅調であると見ています。AIアクセラレーター(現在、データセンターにおけるAIトレーニングおよび推論用のAI GPU、AI ASIC、HBMコントローラーと定義)からの収益は、2024年には当社の総収益の10%台半ば近くを占めるようになりました。2024年に3倍以上に増加した後でも、AI関連需要の力強い急増が続くため、AIアクセラレーターからの収益は2025年には2倍になると予測しています。当社のテクノロジー・リーダーシップと幅広い顧客基盤に支えられ、当社は現在、AIアクセラレーターからの収益成長が、2024年というすでに高いベースからスタートする5年間で、年平均成長率40%半ばに近づくと予測しています。AIアクセラレータは、今後数年間、当社のHPCプラットフォームの成長を最も強力に牽引し、全体的な増収率では最大の貢献者になると予想しています。加えて(アリゾナ工場における)先のエンジニアリング・ウェーハ生産の成功に基づき、アリゾナでの第1ファブの生産スケジュールを前倒しすることができました。当社のアリゾナ第1工場は、台湾の工場に匹敵する歩留まりで、N4プロセス技術(5ナノメートルファミリーに属する微細化プロセス技術)を採用し、すでに2024年第4四半期に量産体制に入りました。また、当社の強力な製造能力と実行力により、アリゾナ工場でも台湾工場と同レベルの製造品質と信頼性を提供できると確信しています。アリゾナの第2工場と第3工場の計画も順調に進んでいます。これらのファブでは、顧客のニーズに基づき、N3、N2、A16といったさらに高度な技術を活用しています。このように、TSMCは今後も、顧客の成功を実現する上で重要かつ不可欠な役割を果たすとともに、米国の半導体業界を支える重要なパートナーであり続けます。』
ここまでのSP500全体の企業業績について(FACTSETより)
今週に決算が予定されている企業の一部
・UAL
・DHI
・MMM
・TXN
・NFLX
・GE
・GEV
・TRV
・APH
・GD
・JNJ
・AA
・PG
・AAL
・ISRG
・MMYT
・GD
・AXP
・VZ