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【決算シーズン】2024Q4の第5週目までの振り返り

アメリカ株の決算シーズン2024Q4が始まり、先日その第5週目を終えました。

GOOG(アルファベット)、AMZN(アマゾン)といったビックテックやGLP-1薬のLLY(イーライリリー)の決算が発表されましたが、振り返って行きたいと思います。

各社の決算・企業業績について



GOOG(アルファベット)
の決算は、EPS【⭕】と売上高【❌】売上高成長率は+11.8%でした。グーグル・クラウド売上高は11,955M$ で、前年同期比+30.1%でした。※前期のグーグル・クラウド売上高の成長率は前年同期比+35.0%でした。Operating income(営業利益)は30,972M$で、前年同期比+30.7%でした。Operating margin(営業利益率)は32%で、前年同期は27%でした。純利益 (Net income)は 26,536M$で、前年同期比+28.3%でした。


AMZN(アマゾン)の決算は、EPS【⭕】と売上高【⭕】来期の売上高のガイダンスが未達【❌】今期の売上高成長率は+10.5%でした。AWSの売上高は28.8B$で、前年同期比+18.9%でした。前期のAWSの売上高成長率は+19.1%でした。AWSの営業マージンは 36.9%で、前年同期は29.6%でした。前期のAWSの営業マージンは38.1%でした。広告サービス売上高は17.29B$で、前年同期比+18.0%でした。営業利益(operating income)は21.2B$で、前年同期比+60.5%でした。


DOCS(ドクシミティ)の決算は、EPS【⭕】と売上高【⭕】来期の売上高のガイダンス【⭕】💯通年の売上高のガイダンスを上方修正しました⬆️今期のEPS成長率は前年同期比+55.2%で、売上高成長率は+24.6%でした。純利益は75.2M$で、前年同期比+56.8%でした。純利益率は44.6%で、前年同期は35.4%でした。粗利益率は93.3%で、前年同期は92.8%でした。会社側の発表によると『当社のAIツールは前期に最も急速に成長し、前期比で60%増加しました。また、当社のニュースフィードは100万人以上のユニークプロバイダーを突破しました。』とのことです。

BSX(ボストン・サイエンティフィック)の決算は、EPS【⭕】と売上高【⭕】来期と来年通年のEPSと売上高のガイダンス【⭕】💯今期のEPS成長率は前年同期比+27.1%で、売上高成長率は+22.4%でした。Adjusted Gross profit margin(粗利益率)は70.6%で、前年同期は70.4%でした。Adjusted operating margin(営業利益率)は27.4%で、前年同期は26.6%でした。国内の売上高は2.89B$で前年同期比+30.7%でした。


TPR(タペストリー)の決算は、EPS【⭕】と売上高【⭕】、今年通年のガイダンス【⭕】💯、今年通年のEPSと売上高のガイダンスを上方修正しました⬆️今期の売上高成長率は、前年同期比+5.3%でした。Gross margin(粗利益率)は74.4%で、前年同期は71.6%でした。Operating margin(営業利益率)は24.9%で、前年同期は22.8%でした。


RL(ラルフローレン)の決算は、EPS【⭕】と売上高【⭕】来期の売上高のガイダンス【⭕】💯通年の売上高のガイダンスを上方修正しました⬆️今期の売上高成長率は、前年同期比+10.8%でした。Adjusted Gross profit margin(粗利益率)は68.7%で、前年同期は66.4%でした。Adjusted Operating margin(営業利益率)は15.3%で、前年同期は16.4%でした。


LLY(イーライ・リリー)の決算は、EPS【⭕】と売上高【⭕】、来年通年のEPSと売上高のガイダンス【⭕】💯今期のEPS成長率は前年同期比+113.7%で、売上高成長率は+44.7%でした。純利益は4.81B$で、前年同期比+114%でした。マンジャロの売上高は3.53B$で、前年同期比+60%でした。ゼップバウンドの売上高は1.91B$で前年同期は176M$でした。



ARM(アームホールディングズ)の決算は、EPS【⭕】と売上高【⭕】、来期のガイダンス【⭕】💯来年通年のEPSと売上高のガイダンスを上方修正しました⬆️今期の売上高成長率は前年同期比+19.3%でした。ライセンス収入は403M$で、前年同期比+14%でした。ロイヤリティ収入は580M$で、前年同期比+23%でした。Non-GAAP Gross Margin(粗利益率)は98.1%で、前年同期は96.8%でした。


その他にもタバコやアイコスのメーカーであるPM(フィリップモリス)や半導体のQCOM(クアルコム)、配車サービスの UBER(ウーバーテクノロジーズ)、データセンター向けに光電子部品などを製造しているCOHR(コヒーレント)、太陽光発電システムを提供している ENPH(エンフェーズ・エナジー)、予約取扱高において世界第2位に位置するオンライン旅行会社のEXPE(エクスペディア)などが好決算を出しました。


カンファレンスコールの一部


EXPE(エクスペディア)のCEO Ariane Gorin氏:

『(AIの活用及び投資について)第一に、旅行者により多くの価値を提供すること。第二に、当社の各事業分野の成長を促進する上で最大の機会が見込まれる分野に投資すること。そして第三に、業務効率の向上と利益率の拡大を継続することです。それぞれの項目について詳しく説明し、その上で、AIがこれら3つの項目すべてにおいてどのように役立つかについてお話しします。

まず、旅行者により多くの価値を提供するという当社の最優先事項についてお話しします。 すでに現在、当社はお客様に、簡単で、パーソナライズされた、満足度の高い体験を提供しています。 当社の供給を通じて、当社を通じてのみ入手可能な旅行者向けの特別価格や、当社ならではのパッケージや割引を提供しています。 また、業界をリードするカスタマーサービスや、旅行者が求める革新的な商品や機能を通じて、同様の体験を提供しています。 そして2025年には、さらに多くのことを行う予定です。

供給面では、ホテル以外のより多くのメンバー料金、よりターゲットを絞ったオファーを提供します。サービス面では、商品フローとバーチャルエージェントの体験の両方において、より多くのセルフサービスオプションを提供します。そしてもちろん、商品面では、旅行者が信頼するパーソナライズされた体験を可能にする深い洞察とデータによってすべてが支えられています。

次に、当社の2つ目の優先事項に移ります。当社は、各事業分野の成長を促進する上で最大の機会が見込まれる分野に投資します。消費者向け事業では、当社の3大ブランドに重点的に取り組み、それぞれのブランドに明確で鋭い価値提案を行うことを意味します。例えば、エクスペディアの場合は、ワンストップショップとしての強みを活かし、パッケージなどの差別化要因に重点的に取り組みながら、バケーションレンタルなどの新しい製品を拡大していくことです。

当社の消費者向け事業は、依然として米国に大きく偏っています。2024年には進展が見られましたが、今後は的を絞った形で国際展開を継続していきます。 ロイヤリティプログラムやマーケティングでは、支出をさらに的を絞ったものにしていきます。 例えば、ロイヤリティ獲得による最大の影響が見込める分野を深く掘り下げていきます。 B2Bでは、B2Bパートナー向けのユニークな供給源の確保、新製品のテスト、新規契約の締結、商業パートナーシップの深化が課題となります。

そして最後に、3つ目の優先事項は、業務効率の向上と利益率の拡大を継続することです。2024年にはコスト管理を徹底し、戦略的分野への再投資を行いながら利益率を拡大することができました。変動費と固定費のベース全体にわたってさらなる効率化を実現し、利益率をさらに拡大する余地がまだあると考えています。

AIは、これら3つの優先事項すべてを加速させるものであり、私たちはまだその可能性のほんの一部に触れたに過ぎません。今後を見据え、私たちはAIが当社の製品においてさらに多くの価値を引き出すであろう多くの方法を模索しています。すでにAIが、検索、ショッピング、予約後の旅程において、より良い体験をもたらし、ひいてはロイヤルティと成長を促進しているという証拠を目にしています。今後は、AIが生成した機能をテストし、リリースを続けることで、旅行者の体験をさらにパーソナライズしていきます。

また、AIは、消費者が新しいジェネレーションAIネイティブ体験で検索を行う機会が増えることで、当社のブランドへのトラフィックを促進するという新たな可能性も開きます。そして、B2Bビジネスにおいては、今後必ず登場するAIネイティブな旅行関連のスタートアップ企業との新たなパートナーシップの機会が生まれます。

最後に、AIを活用することで、当社のチームがより迅速かつ生産的に業務を行えるようになるという大きな可能性を見出しています。コスト削減だけが目的ではありません。さらに素晴らしいのは、AIによって当社のチームが最大のインパクトをもたらすことができる業務により多くの時間を費やすことができるようになることです。その可能性にわくわくしており、カスタマーサポート、テクノロジー、マーケティング、営業チームなど、当社の業務のあらゆる部分で、すでに初期の成果が現れています。』



ここまでのSP500全体の企業業績について(FACTSETより)


全体として、S&P 500 企業のうち 62% が 2024年第4四半期の実績をこれまでに報告しています。

これらの企業のうち、77% が予想を上回る実際の EPS を報告しており、これは 5年間の平均である 77% と同等ですが、10年間の平均である 75% を上回っています。

S&P 500は本日、先週末および四半期末と比較して、第4四半期の利益増加を報告しています。第4四半期のEPS成長率(報告済みの企業の実績と未報告の企業の予測を合わせたもの)は、本日時点で16.4%となっています。これは、先週の収益成長率13.1%、第4四半期(12月31日)末時点の収益成長率11.8%と比較すると、高い数値です。

11セクターのうち8セクターが第4四半期の前年比増益を報告しています。この8セクターのうち6セクターは2桁成長を報告しており、金融、通信サービス、消費者裁量、情報技術、ヘルスケア、公益事業となっています。一方、3セクターは第4四半期の前年比減益を報告しています。この3セクターのうち2桁減益を報告しているのはエネルギーセクターのみです。


売上高に関しては、S&P 500 企業の 63% が実際の収益が予測を上回ったと報告しており、これは過去 5 年間の平均である 69%、および過去 10 年間の平均である 64% を下回る結果となっています。


今後については、アナリストらは2025年第1四半期および第2四半期の(前年比)EPS成長率をそれぞれ8.7%および10.2%と予測しています。2025年通年については、アナリストらは(前年比)EPS成長率を13.0%と予測していま
す。

12ヶ月先の予想PERは22.1で、これは5年平均(19.8)および10年平均(18.2)を上回っています。このPERは、第4四半期(12月31日)末時点で記録された21.5という先物PERも上回っています。

FACTSETより引用:https://insight.factset.com/sp-500-earnings-season-update-february-7-2025


今週に決算が予定されている企業の一部

・ALAB
・MNDY
・VRTX
・MCD
・CFLT
・UPST
・DASH
・LYFT
・SHOP
・MAR
・KO
・BROS
・APP
・RDDT
・HOOD
・UPWK
・VRT
・TTD
・HUBS
・KHC
・CVS
・BIIB
・CSCO
・SN
・FROG
・CLBT
・DDOG
・COIN
・ROKU
・TWLO
・DKNG
・ABNB
・CYBR
・H
・AMAT
・PANW




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