「売ってしまえ!」と叫ぶ母
今日は実家に帰ってきている。
ここ2年ほどは、時間があったり東海地方に用事がある際には、なるべく家に帰るようにしている(古民家に帰れよ、という冷静で真っ当な思考はいま要らない)のだが、3年くらい前にこんなことを聞いたことがある。
あとご両親と過ごすのは何日ですか?
ということ。いや、実際に亡くなるタイミングもわからないのにはじき出せるかい、っていう話はさておき、平均寿命から考えればそれなりに考えられることではある。
両親ともに32歳のときに生まれている僕なので、36歳になったぼくの両親は68歳くらいなわけである。現時点での男性の平均寿命は81歳くらいであるから、13年後に、「クソお世話になりました!」とかいって泣いているかもしれないし、早くなるとも遅くなるともわからないのが真実のことなのである。
両親とあと何日過ごすのか、という問いが自分の中に生まれるまでは、盆と正月に2日ずつくらいだったので、そのままのペースでいくと年に4日。
それが13年だとすれば、52日。
お。。。っと、ヘタすると2か月ないのか、と思うと、いくらか親孝行なのか、なんなのかしておくような気持ちになるのも無理もない話だと思うのである。ほら、どなたか実家に帰りたくなったのではないか。
そういうわけで、できるだけ帰ってくる日にちを増やそうとしていたところに、なぜ東海地方でめちゃくちゃデカイ会社で嘱託社員でサラリーマンをすることになったもんだから、実家に帰る日にちが妙に増えて、人生ってのは思い描くとよくわからない御縁で、為したいことが実現するもんである。
それはさておき。
実家に帰ってくると帰ってきたで、「うちはさておき、あんたん家はどないなっとるんやー!」という剣幕なのが母である。
「タダで買うたんちゃんやろー!!」
「どないすんねーん!ほんま!」
「せっかくの古民家ももうあかんな!!」
「もうあかん!売ってまえー!」
どえらい剣幕でまくしたてられている(苦笑)
「いやいや、終わってるわけじゃないねん。
そもそもまだ始まってないっていうだけやねん。」
うまいのかうまくないのかよくわからない返しで返す三男坊(僕)。
「なにをいうてんのやー!」
一蹴である。
というわけで、実家に帰ってきても悩みの種である。
いや、まあ親というのは子供の心配が趣味みたいなものではないかと思うのであるが、なんとかメシも食っていて、楽しそうに毎日生きているようではあるものの、あの古民家どないすんねんってことだけが、全く先行き不透明なため心配だということである。
「そんであんたはパチパチパチとなにをやっとのやー、古民家のこともなんもせんと!」
「いや、これが意外とね、このパチパチで住民ひとり決まったくらいのもんで、なかなかバカにできないんですよ。いやほんとに。」
「やかましいわー!」
またもや一蹴。
これはなんとか、この母の小言にびしっと結果で対応すべく、「そんなことが起こるなんて、ようわからん世の中やなー」と言わせなければならん。ミラクルを起こしてびっくりさせねば!!
あ、ご飯おいしかったです。ごちそうさまでした。
やっぱりごはん作れる人が重要やなぁ。