2018年に遊んだゲーム ベスト5

年末にベストゲームを5本選ぶ企画も、今年で3年目となりました。年末恒例、2018年に遊んだゲームを整理しようと思います。

※ 「今年遊んだ」ゲームなので、2018年発売でないものも含まれています。
※ ベスト5を選んでいますが、5本の中に順位はありません(毎年のお約束)。

今年プレイしたゲームは、全部で25本(うち何らかのエンディングに到達したものは11本)でした(記事の末尾にリストを掲載します)。

Stardew Valley (PS4 / Xbox One / Nintendo Switch / PS Vita / Windows / macOS / Linux)

導入は不親切でとっつきづらい。でもそれを乗り越えれば、
魅惑の牧場ライフにヤメ時を失うはず

突然ですが、これをお読みの皆さんは、ビデオゲームのどのような側面に魅力を感じているでしょうか?
高級車や戦闘機を乗り回すなど現実では難しい体験ができること、現実とは全く違う異世界を冒険できること、あるいは、沢山の敵をなぎ倒したりして爽快感を味わえること…、人によって様々だと思います。

僕にとってのビデオゲームの魅力は、「コツコツとした努力が報われること」です。
ビデオゲームの中では目的が明確に示されるので、方向を間違ってそれまでの努力が無駄になることはありません。そして、そういった努力によってひとたび何かが達成されれば、ハイスコアや貴重なアイテム、あるいはトロフィーや実績といった形で報われます。
ビデオゲームのこういった側面が、コツコツ努力するのが好きな僕の性格に合っていたからこそ、僕はビデオゲームで遊ぶことを好きでい続けられたのかもしれません。

さて、本作「Stardew Valley」は、このような「コツコツとした努力が報われる喜びを味わう」という点で、かなり高い水準を達成しているゲームだと思います。

プレイヤーは田舎町「Stardew Valley」の牧場主となり、四季の移り変わりのなかで、各季節の作物を育て、収穫し、牛やヤギやニワトリを飼い、ミルクや卵を加工して出荷します。
町には貴重な鉱物が取れる鉱山や魚が釣れる水場もあり、それらも活用しながら、段々と牧場を拡張してゆきます。
このように、最初は小さい牧場から始まって、努力を重ねることで、少しずつお金を稼ぎ、周囲の環境を思い通りに整備してゆくのが、本作の面白さの一つです。

ただ、本作には欠点もあります。
個人制作のインディーズゲームであるがゆえに、導入はかなり不親切です。ゲーム内2日目からいきなり、一気に沢山の「やれること」が目の前に広がり、ろくに説明もないので、どこから手をつけたら良いのかわからず、途方に暮れてしまいます。

幸い、親切に説明をしてくれている攻略wikiや沢山のプレイ動画が存在するので、上記の欠点はかなりカバーされると思います。

本作は様々な機種で発売されていますが、ゲームの特性上、時間・場所を選ばず遊べるNintendo Switch版がオススメだと思います。
僕自身、出張先のホテル、移動中のちょっとした空き時間、あるいは子供の授乳タイミングを待ち構えている深夜など、様々な場面で本作を楽しみました。

1500円程度のゲームで80時間以上楽しんだので、コストパフォーマンスもかなり良かったと感じます。

モンスターハンター:ワールド(PS4 / Xbox One / Windows)

The "Monster Hunter" for the rest of us.
(すべての人々のための「モンスターハンター」)

最初に結論を書きますと、本作は「モンスターハンター(モンハン)」シリーズを、日本だけでなく世界中の人々に受け入れられるものへと生まれ変わらせた、記念すべき傑作だと思います。

今から振り返ると、本作より過去のモンハンは、ゲームとしての面白さは間違いなかったものの、特に海外の人々にとって、その面白さにたどり着くまでのハードルが高かったように思います。

そのハードルは主に、ゲームの基本システムがプレイステーション2(PS2)の時代に確立されたため、現代の水準からすると古臭く見えることに起因していたと思われます。
過去作では、一見広大に見えるゲームフィールドは複数のエリアに区切られており、エリア間の移動にはローディングを挟んでいました。また、グラフィックについても、写実的というよりはむしろ、ゲームとしての分かりやすさを重視した記号的表現寄りのものでした。

シリーズが主にPlayStation Portable(PSP)やNintendo 3DSといった携帯機で展開されたことも、一定以上の年齢のユーザーには携帯ゲーム機の人気が無い海外では、マイナスに働いたかもしれません。

本作「モンスターハンター:ワールド」では、これまでの過去作が持っていた、現代の水準からすると古臭く見えるところ、不便だったところが徹底的に改良されました。
グラフィックの写実度も上がり、現代水準の3Dアクションゲームとして生まれ変わりました。

一方で、「モンスターハンター」というシリーズが持つゲーム性のキモの部分は全く変わっていません
つまり「貴重な装備を作るためには、強力なボスモンスターが低確率でドロップする素材を収集する必要がある。必要数の素材を集めるためには、同じボスと何回も戦う必要がある」というところは、過去作のままです。

すなわち、本作は、ゲームシステムをブラッシュアップして間口を広くし、多くの人々が、「モンスターハンター」シリーズのゲーム性のキモの部分にたどり着けるようにしている、と言うことができると思います。

1984年にApple Computer(現Apple)がパーソナルコンピュータ「Macintosh」を発売した時、「The Computer for the rest of us (すべての人々のためのコンピュータ)」という広告文句が使われました。
これは、それまで軍や大企業といった一部の限られた人々だけのものであったコンピュータを、一般の人々にも使えるようにした、という意味で使われたものです。

同じように、本作は、これまでのシリーズ作品に慣れ親しんで来た人々だけでなく、世界中のすべての人が楽しめる作品になっていると感じます。

これまでのすべてのシリーズ作品を過去に追いやって、この「モンスターハンター:ワールド」が、新世代の「モンハン」シリーズを切り開いてゆくと思います。

テトリス・エフェクト(PS4)

「ただのテトリス」と侮るなかれ。
「Rez Infinite」を超えたVRゲームの傑作

本作の内容を一言で言ってしまうと、「PlayStation VR(PSVR)で遊ぶテトリス」です。しかし本作は、その言葉から受ける単純なイメージからは想像もつかないほどの魅力を持った、VRゲームの傑作だと思います。

本作をプロデュースした水口哲也氏は、これまでにリリースした「Rez」「ルミネス」「Child of Eden」といった作品の中で、「映像と音楽、そしてゲームプレイの要素(パズルであればブロックが消えるタイミング、シューティングであれば弾が発射されるタイミング)、それら全てのリズムをシンクロさせ、プレイヤーに高揚感を感じさせる」技法を、一貫して追求してきました。
また、PSVRと同時に発売された「Rez Infinite」は、過去作「Rez」のリメイクながら、仮想世界への没入を高い水準で達成し、2016年の「The Game Awards」における「Best VR Game」賞を獲得しました。

そして本作「TETRIS EFFECT」では、「外界からの感覚を全て遮断し、全感覚をゲーム側でコントロールできる」というVRの特性を最大限活用し、上で述べた技法や仮想空間への没入に、さらに磨きがかかったと言うことができると思います。

VRゴーグルを被ると、プレイヤーは、深海や雪山、謎の儀式が行われる洞窟、宇宙ステーションなど、ステージによって異なる、様々な幻想的な風景の中に放り込まれます。
最初は、BGMは極めて抑制的で、ブロック(テトリミノ)を回転させ列(ライン)を消す効果音だけがその場に響くのですが、ラインを消すにつれ徐々にBGMが盛り上がり、風景もダイナミックに変化してゆきます。
効果音とBGMのリズムとがシンクロすることで、プレイヤーは、テトリスをプレイすることで音楽を奏でているような感覚に陥ります。
そして、BGMの盛り上がりに合わせてテトリミノの落下速度も上がってゆき、プレイヤーはあたかも、この世界に、幻想的な風景の中にいる自分とテトリスしか存在しないかのような、深い没入感を得るのです。

タイトルになっている「テトリス・エフェクト」とは心理学用語で、テトリスを長い時間プレイした後は、眠っている時でも、頭の中でテトリスをプレイする様を思い浮かべてしまう現象を指すのだそうです。
本作は、VRの助けを借りることで、この「テトリス・エフェクト」を人為的に引き起こそうとしている作品であると言うこともできると思います。

本作の魅力を知るためには、2018年6月に公開されたアナウンストレーラーがオススメです。
僕は初めてこの動画を観た時、そのあまりの格好よさに、すっかりやられてしまいました。

ちなみに、本作はVR無しの環境でも遊ぶことができますが、個人的にはあまりオススメしません。
音楽・演出は全てVR版と同一であるにも関わらず、ここまでに述べたようなプレイヤーに没入感を感じさせる効果は、VR無しではほとんど働かないと感じるからです。
ただ演出が大仰なだけの普通のテトリスと感じられ、テトリスのゲームとしては高価な、4500円という値段を正当化することが難しいと感じました。

ウィッチャー3:ワイルドハント (PS4 / Xbox One / Windows)

全ての要素が高品質に作られた 
オープンワールドRPGの現状最高到達点

全方位に隙がない、現状におけるオープンワールドRPGの最高到達点だと思います。
すなわち、ゲームの舞台・美術・音楽・脚本の構築、そしてそれらに必要な膨大な工数を現実的な範囲に納めるための種々の自動化技術(地形生成自動化やカメラワーク自動化など)といったソフトウェア技術に至るまで、全てが高品質に、妥協なく作られている作品だと感じます。

僕が特に優れていると感じたのは、グラフィックと脚本(物語)の品質の高さのレベルが一致していると感じられた点です。

僕は昨年書いた記事「2017年に遊んだゲーム ベスト5」の中で、FINAL FANTASY XV (FF15) を批判する文脈で、「グラフィックを写実的に描き込んだ分、ストーリーのリアリティラインもそれに合わせて高めるべきところなのに、そうはなっていない(すなわち、脚本が幼稚である)」と述べたことがありました。

逆に、(「ブレイブリーデフォルト」のように)ちびキャラにやたらとシリアスなストーリーを語らせても、滑稽に感じる場合があるように思います(「ブレイブリー〜」は僕は好きなゲームですが)。

その点、本作「ウィッチャー3」は、高品質で写実的なグラフィックが、物語の質の高さとマッチしていると感じられました。

グラフィックに関して述べると、普通のオープンワールドゲームであれば、1枚だけでゲーム全体の舞台として事足りるほどの広大なマップが何枚も用意され、しかも、それらマップは隅々に至るまで写実的に作り込まれたアセット(3次元モデル素材)で埋め尽くされています。
それによって、北欧を思わせる寒々とした群島から中世ヨーロッパ風の都市、ぬかるんだ湿原から美しい城に至るまで、リアルな世界が表現されていることに感動しました。

物語に関していうと、「どちらが正しい/間違っている」という2元論では割り切れないストーリーを丁寧に描いていると感じました。例えば…。
ダウンロードコンテンツ第2弾「血塗られた美酒」の終盤、主人公の選択によって、ストーリーは大きく枝分かれします。
僕がたどり着いたのはいわゆる「バッドエンド」だったのですが、だからと言って投げやりな印象は受けず、これはこれとしてこの物語の着地として納得のいくものでした。
このように、プレイヤーの様々な選択が許容され、どの選択をしてもその結末が丁寧に描かれる点で、上質な物語だったと感じました。

ここまでに述べたように、本作「ウィッチャー3」は、ただ単にグラフィックが写実的で高品質だから優れているというだけではなく、それが、本作が描こうとしている物語の水準ともマッチしているからこそ、稀有な作品だと感じられるだと思います。

オーバークック・オーバークック2 (PS4 / Xbox One /  Nintendo Switch / Windows / macOS / Linux)

最良の協力プレイゲーム。
オフラインで遊べるリアルフレンドがいるなら是非!

身近な人(仲の良い友達や彼氏/彼女、あるいは旦那さん/奥さん)と一緒にゲームを遊ぶなら、この「オーバークック」シリーズが最良の協力プレイゲームです。

プレイヤーはシェフとなり、お互いに協力して、制限時間内に出来るだけたくさんの料理を作ります。
お題の料理とその調理法はステージごとに異なります。例えばハンバーガーだったら、パティ・肉・レタスといった材料を揃え、肉はフライパンで焼き、パティの上に肉とレタスを乗せ、お皿に盛り付けてサーブします。

このゲームの良い点は、ゲームを楽めるようになるまでの敷居が低く、また、デザインが可愛らしくポップなので、老若男女誰もが楽しめる点だと思います。

確かにこれまでも、協力プレイを楽しめるゲームは数多くありました。
しかしそれらは、「Gears of War」や「地球防衛軍」のように残虐な表現があったり、あるいはマリオシリーズのようにアクションゲームのリテラシーを要求されるものであったりして、ゲームに慣れていない人にとって、とっつきづらいものであったように思います。

その点、「オーバークック」は、「料理を作る」という身近に存在する行為をゲーム性の中心にしているので、違和感なくゲームに入り込むことができます

ちなみに、「オーバークック」には、ステージが一新・増量しオンラインプレイに対応した2作目「オーバークック2」がありますが、初めて遊ぶのであれば1作目がオススメです。1作目を遊んだ後、まだまだ遊び足りなければ、2作目をどうぞ。
(「2」は価格の割にステージ数が少ないと感じますし、目玉のはずのオンライン要素は、現状、あまりデキが良くないので…)

2018年にプレイしたゲームのリスト(全25本)

PS4:6本(うちクリア済み3本)
○ モンスターハンター:ワールド
Downwell
THE PLAYROOM VR
Until Dawn: Rush of Blood
○ ウィッチャー3: ワイルドハント Game of the year edition
○ TETRIS EFFECT

PS3 (PS1アーカイブス):2本
XI [sai]
ぷよぷよ SUN 決定盤

Nintendo Switch:9本(うちクリア済み7本)
○ スーパーマリオ オデッセイ
○ スプラトゥーン2
○ DEEMO
○ Stardew Valley
○ オーバークック Special Edition
○ オーバークック2
ぷよぷよ eスポーツ
○ ドクターマリオ(Nintendo Switch Online)
スーパーマリオブラザーズ3 (Nintendo Switch Online)
DONUT COUNTY

Wii U(バーチャルコンソール):2本
MOTHER 2
脳を鍛える大人のDSトレーニング

PC(Steam):3本(うちクリア済み1本)
○ FINAL FANTASY IX
Super Meat Boy
ソニックアドベンチャーDX

Mobile:3本
どうぶつの森 ポケットキャンプ
テクテクテクテク
Florence


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