与える人は結局損をする?実は成功から遠いのはGIVERである。

僕も昔はこういった知識がなく、失敗系GIVERでした。
とにかく人に与え続けるを続けた結果、、、、
何も手元に残らない、、、、
周りから見たら僕はいい人ではなく
ただの都合のいい人だったのです。

これはビジネス面でもプライベート、恋愛面でも必要な知識です。


ペンシルベニア大学ウォートン校 組織心理学の教授が10年以上に渡る研究成果を報告

ビジネススクールとして世界的に高い評価を受けているペンシルベニア大学ウォートン校。
そこで、組織心理学者として最年少で終身教授となったアダム・グラント氏は、Googleからアメリカ空軍にいたるまで、10年以上に渡って組織における人間の選択について研究してきた、そんな彼が、著書『GIVE & TAKE』の中語っています。

「あらゆる職種において、成功から最も遠いのは GIVER(与える人)である」


というのです。
これは一般的なビジネス書や自己啓発本に書いてあるのとは真逆の内容です。これは本当でしょうか?
アダム氏は人間のタイプを
①GIVER:受け取る以上に与えようとする人、
②TAKER:与えるより多くをもらおうとする人、
③MATCHER:GIVE & TAKE のバランスを取ろうとする人…の3つに分けています。
そして、このうち成功から最も遠いのが GIVER だと言うのです。


エンジニア、医学生、営業職…結果は同じ

事実、カリフォルニア州のプロのエンジニア160名以上を対象にした調査では、お互いを「どのくらい協力的か?」という観点で評価し合ってそれぞれのタイプを分けたところ、最も生産性の低いエンジニアが GIVER であることが判明しました。
この GIVER は、仕事の成果、報告書、製図の数はもちろん、ミス、締切を守ること、経費のムダ遣いなどにおいても最低の点数を付けられていました。これには理由があって、他の人の仕事を手伝っているせいで、自分の仕事を終えられなかったのです。

また、べルギーの医学生600名以上を調査した結果、成績の最も低い学生は「人助けが好きだ」とか「常に相手が何を必要としているか考える」といった GIVER の資質を表す点数がとても高かったのです。
そして、この学生もまた、わざわざ仲間の勉強を手伝ってやったり、テストで自分が不利になることも顧みずに時間をとって教えてあげたりしていました。

営業・セールスについても例外ではありません。
アダム氏が実施した調査によれば、TAKER と MATCHER の年間売上は GIVER の2.5倍もありました。
というのも、GIVER は"お客さんとって何がベストなのか?"を常に気にかけているため強引に売りつけたりしません。
また、自社の商品が粗悪なものであれば売るのをためらいます。
こうしたことが裏目に出るのです。
そう、残念ながら成功から最も遠いのは GIVER なのです


最も成功しているのはどのタイプか?

では結局誰が成功するの?
GIVER?
TAKER?
MUCHER?
実は、そのどちらでもありません。
アダム氏によれば、なんと最も成功しているタイプもまた GIVER だと言うのです
先の調査で、最も生産性が低いのは GIVER でしたが、最も生産性が高いのもまた GIVER だったのです。

そして、ベルギーの医学生でも、営業・セールスおいても…この傾向はあらゆる職種で共通のパターンとして現れました。
最も成功する人と最も成功から遠い人が GIVER である一方で、TAKER と MATCHER はそこそこの成果にとどまっていたのです。

実はGIVERというのは2種類存在していたのです。
それは、成功近いGIVERと成功から最も遠いGIVERである。

成功近いGIVERと、成功から最も遠いGIVERの違いとは?


あなたも気になっていると思いますが、成功するGIVERと、成功の階段の1番下…つまり底辺で終わる GIVER の違いはいったい何なのか?
それは、生まれ持った才能、要領のよさ、はたまた懸命な努力ではありません。
ルックスのいい人が成功し、不細工な人が底辺で終わるわけでもありません。

最も重要な考え方として「自己利益への関心の高さ」によって分けられます。

既にあなたもご存知かもしれませんが、TAKER は自己利益への関心が高く、GIVER は他者利益への関心が高いのが特徴です。
ところが、見落としがちですが”GIVERの自己利益への関心の高さ”は、人によって違いがあります
そして研究によれば、この違いこそがトップと最下層を分けているのです。


自己犠牲の「いい人症候群」が身を滅ぼす…


まず、底辺の GIVER たちは自己利益への関心が低いです。
というよりも、自分の利益まで思考が及んでいないケースがほとんどではないでしょうか。
僕は典型的なこのタイプでした。
ぼんやり、いつかきっと返ってくる、、、、

そして過去の僕みたいな人たちは「自己犠牲的なGIVER」と呼ばれており、自分自身の利益やメリットを顧みず、貴重な時間とエネルギーを割いて人の役に立とうとします。
そして、「人に譲るのが GIVER のあり方だ」という間違った認識を持っているのです。

しかし、考えてみてください。
自分を犠牲にしてまで他人を助けていると、やがて自分自身が疲弊し、心が擦り切れてしまいます。
こうなると、GIVER であり続けるのが難しくなるのはわかるでしょう。
生物学者のバーバラ・オークレイは
無私無欲に他人に尽くし、与え続けるのは病的な行為だ」と言っています。
そして、これこそが GIVER が陥りがちな罠であり、底辺で終わる GIVER の特徴でもあるのです。


「成功するGIVER」の共通点


一方で、成功する GIVER は、他者利益だけでなく”自己利益への関心”も高いです。
というのも、彼らは与える続けることで
最終的には自分も恩恵を受けられる」と理解したうえで与えています。
アダム氏は、こうした GIVER を特に「他者志向のGIVER」と呼んでいます。
 
このタイプの GIVER は、価値を与えるだけではなく、価値を”増やす"ことができます
たとえば、TAKER は決まった大きさのパイからできるだけ多くを自分のために奪おうとします。
そして、自己犠牲的な GIVER は、自分の取り分まで TAKER に譲るために搾取されてしまいます。
しかし、他者志向の GIVER はパイそのものを大きくするため、そこにいる誰もが大きめの一切れを受け取ることができるのです。

「そんなの現実的じゃない」と思うでしょうか?
しかし、現に最も高い成果を上げる GIVER たちは、これを体現しています。なぜ、そんなことができるのか…少しそのヒントを挙げると、
彼らは「自分にとっては簡単でも、相手にとっては大きな価値があること」を探します。
たとえば、知識や有益な情報をシェアしたり、相手に適切なフィードバックを与えたり、お互いに利益がありそうな人同士をつないだり、、、
といったことです。
こうした行動によって、相手に惜しみなく与えようと考えるのです。


「他者利益」と「自己利益」は両立できる


また、TAKER が勝つ場合、基本的に他の誰かが負けます。
そのため、TAKER が勝つと妬まれたり、敵をつくったりすることが多いです。
一方で、他者志向の GIVER が勝つと、みんなが声援を送ります。
なぜなら、その成功は周囲の人にも波及するからです。
これは「成功するGIVER」に起きる特有の現象です。

このように、「自己利益」と「他者利益」は同時に成り立たないものではありません
アダム氏は、調査を通じて、この2つが完全に独立した事象であることを発見しており、2つを両立させることは可能なのです。
だからこそ、心優しいあなたにぜひ覚えておいてほしいのですが「与える=人に譲る」ことではありません。
というより、GIVER であり続けるためには、あなたも利益を受け取らなければならないのです。

恋愛におけるGIVERについては別でまとめます。

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