在外投票について思う事
海外に住民票を移している日本人でも、衆参院選の投票はできる。
方法は3つ。
1. 郵便投票。
投票用紙を登録している自分の選挙区に郵便で在外選挙登録証を添えて請求し、送付されてきた投票用紙に記入した後にまた選挙区に送り返す。もちろん送料はこちら負担。
2. 在外公館での投票。
投票期間中に大使館もしくは領事館で投票。高速列車等の交通費はもちろん自己負担。
3. たまたま帰国していた時に、自分の選挙区で投票。
いずれの場合でも、予め在外選挙の登録手続きをしている事が条件だ。
手続き後、登録証が郵送されてくるまで3カ月。それから投票が可能になる。マジ時間の無駄。
先週までは登録手続きは在外公館のみだったが、先月郵送で可能になり、さらに先日の金曜に登録はオンラインでできるようになったことが発表された。何があったのかいきなり前進。
どっちにしろこの制度、面倒でコストがかかるので使う人があまりいない。もしかしたら制度の存在自体知らない移住者も多いかもしれない。実際、私の周りで使っている人はいない。もう日本に住んでいないから関係ないと思う人も多いかもしれないけど、もう少しシステムを簡略化すれば投票する人が増えると思う。わざわざ投票のためだけに一日掛かりでローマなりミラノなりに行くのはね。しかも高速列車代だって安くない。私が住んでいる街から大使館のあるローマまでは少なくとも往復で100ユーロ(14,200円くらい。1ユーロ142円で計算)はかかる。
郵送代だってEMSだと片道で5200円程かかるので正直納得いかない。二往復しないといけないので、1,4000円。国民の権利を使うのにお金を払うのはおかしい。先日ローマの日本大使館の領事にも同じ事を言ったら
「ですよねー。」
しかも今、日本からイタリア行きの郵便が止まっているので、在外公館へ行けない人は諦めざるを得ない。国際宅配はと聞いたら、投票用紙は親書にあたるため法律的に宅配は使えないらしい。
別の意味で使えない。というか使えねー。
日本へ帰るならと領事は言ってきたが、今の状況では無理に決まっているであろう。予約してもほとんどの飛行機キャンセルだってば。しかも投票のために飛行機代出すってもっとあり得ない。往復で21万くらいだし、私は身内がいないので、滞在費もかなりかかる。
まぁ、在外選挙のシステムは総務省が担当しているので、大使館の人が悪い訳じゃない。彼らも思う所はあると思う。
ある新聞社の記者の方とお話しした時、海外投票をする人が少ないから関心のある議員があまりいないと聞いた。でもさ、使いやすいシステムを作るのが行政の仕事じゃない?何のために議員バッジ付けているの?その高いお給料は?人がリクエストしないからやりませんって、言われた事しかできない馬鹿ですって公言しているような物じゃない。だから政治離れが進むんだよ、何も期待できないから。
私はできる時は投票するようにしている。日本は私を育ててくれた国だから、今住んでいなくてもなるべく良くあってほしいと思う。自分の世話をしてくれた恩師がいつまでも元気で長生きしてほしいと思うのと同じだ。投票は自分の生活のためでなく、そこに住む人たちのためにもすることだ。
一票だけじゃ何も変わらない。でもその一票で、もしかしたら現状を打破する結果につながるかもしれない。だから私は投票する。
ネットで政治への文句を言っている人をよく見かけるけど、もし彼らが選挙に行っていないなら、政治に対する文句を言う権利はないよ。
取り敢えず、在外選挙登録オンライン化をツイッターで公表していた政治家のフィールドに郵便投票改善について何とかなりませんかと書いておいたので、少し返事を待つ。来ないかもしれないけど。
言うのは自由。うまくいかなかったら別の手もしくは次のチャンスを伺う。
毎日少しずつ前進。
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