78.3年帰らないとイタリア人になっちゃうかも
2022年11月、3年ぶりに日本に帰りました。
ということは、3年間ずっとイタリア様式で暮らしていたことになります。果たして、日本の生活様式にすんなり馴染めるものなのでしょうか?
すっかりイタリア人になっていた
それまでは1年から半年ごとに帰国していたので、チョイチョイ最新版の日本様式にバージョンアップされていたのです。
それが一気に3年のブランクです。
フルモデルチェンジが必要かと思うほど、生活シーンのいろいろなところで日本にぜんぜん馴染めませんでした。
日本語を話してるつもりが
いちばん馴染めなかったのは変なハナシ、日本語会話です。
言葉自体は出てくるのですが、声の大きさやスピードがすっかりイタリア語化していました。
文章に書いて伝えるのはなかなか難しく伝わるかどうか分かりませんが、話すスピードが速く、一つひとつの言葉をつなげてアクセントのメリハリを効かせることで区切りをつける感じです。
日本語は平坦で単調ですが、イタリア語はアクセントがあり流れるように歌うように話します。
それをそっくりそのまま日本語に置き換えて話していました。
日本語の構造になじめない
日本語は文章の構造上、結論が最後になりますね。
イタリア語の文法は、まず最初に結論が来て、そのあとにその理由が並べられます。
主語を省いても動詞の活用で分かるので、いちいち言わないのです。
というわけで、いきなり動詞で結論です。
そのため、なかなか結論の出ない日本語会話にものすごくイライラしました。
とくに母の話を聞いているとイラつくイラつく。
なかなか結論に至らないので早く知りたくなり、話の途中で「何が言いたいの?」となるのですが、さすがに口に出しては言えないのでグッとこらえて長話を聞いていました。
修行です。
目を見て話さない日本人
家族や友だち同士だと目を見て話しますが、知らない人だとそうはしないのですね。
まったく意識せず、郵便局やお店へ行ってガッツリ目を見てイタリア風日本語で話すと威圧的に感じるらしく、クレーマーみたいになってしまいました。
そんなつもりは全くないのに。
ペイペイってなんですか?
スーパーマーケットのセルフレジが増えていて驚きました。
まったく使いこなせません。
モタモタしているとレジ係の人が助けてくれますが、それがまた慇懃無礼な感じで焦燥感が倍増させられます。
あと、「現金以外はペイペイでお願いします」というところばかりでこれにも辟易しました。
ドコモ払いとか、ラインペイとか、電子マネーが一気に増えているのになぜかクレジットカードが使えないとか。
買い物ひとつするのに慣れるまで10日ぐらいかかりました。
搾りたてオリーブオイル販売
日本はまだコロナの余韻が残っていて、いつものようにローマ食堂を実施するのは憚られました。
この時の一時帰国イベントは通販で搾りたてオリーブオイルを販売するだけになるかと思っていたところ、家の近所でフリマルシェなるものが開催されることを帰国前に知ったので、ひと枠押さえて参加させてもらいました。
搾りたてオリーブオイルはおかげさまで大人気で、実は通販の予約販売だけであっという間に売れてしまいました。
フリマルシェでは急きょミニボトルに詰めて、なるべく多くの方に行きわたるようにはしたものの、それも完売。
コロナ禍でイタリアに行けないなか、本場直送の味が喜ばれたようです。
東京で遊びまくる
久しぶりの東京はやっぱり刺激的でした。
昔なじみはいるし、お店はおしゃれだし、いろいろな食べ物があるし、ショッピングセンターも充実しているし。
空に届くような高層建築群、ひと晩じゅう光り輝くイルミネーション、夜中でも開いているお店など、やはり東京ってすごい。
5週間の滞在中、友だちとの約束を入れまくって遊びまくり。
こうしてあっという間の5週間の滞在を終えブラッチャーノに戻ります。
世界感がまったく違います。
イタリア移住と言いつつ、私にはやはりブラッチャーノと東京、2つの生活拠点が必要なんだとシミジミ思った一時帰国でした。