大日本帝国陸軍近接戦闘部隊


鉄の嵐 昭和19年、レイテ島。うっそうと茂るジャングルの中を、一人の日本兵が息を潜めて進んでいた。彼の名は、伊沢一等兵。大日本帝国陸軍近接戦闘部隊、通称「斬込隊」の一員である。 伊沢は小柄で痩身だが、その目は鋭く光っていた。腰には軍刀、背中には三八式歩兵銃。そして、左肩には部隊の象徴である「斬込」の文字が染め抜かれた腕章が巻かれている。 斬込隊は、敵陣に斬り込み、白兵戦で敵を殲滅する特殊部隊だ。彼らは厳しい訓練を積み重ね、剣術、柔術、そして精神力を極限まで高めていた。 「敵発見!」 斥候兵の声に、伊沢は緊張した。前方には、アメリカ軍の陣地が広がっている。機関銃座、塹壕、そして多数の兵士。 「斬込隊、突撃!」 隊長の声が響き渡ると同時に、伊沢は飛び出した。銃弾が飛び交い、砲弾が炸裂する中を、彼らは猪突猛進に敵陣へと駆け抜ける。 「天皇陛下万歳!」 叫び声を上げながら、伊沢は敵兵に斬りかかった。軍刀が閃き、血しぶきが上がる。敵兵は次々と倒れていく。 だが、敵の抵抗も激しかった。機関銃の掃射、手榴弾の雨。伊沢の仲間も、一人、また一人と倒れていく。 「くそっ…」 伊沢は歯を食いしばり、前に進んだ。敵の銃弾が彼の腕をかすめたが、痛みは感じなかった。彼の心には、ただ任務を遂行するという強い意志だけがあった。 ついに、伊沢は敵の機関銃座にたどり着いた。銃手を斬り捨て、機関銃を奪う。そして、敵兵に向かって銃口を向けた。 「撃て!伊沢!」 隊長の叫びが聞こえた。伊沢は引き金を引いた。銃弾が敵兵をなぎ倒していく。 敵陣は混乱に陥り、戦況は一変した。日本軍の反撃が始まり、アメリカ軍は後退を余儀なくされた。 戦闘が終わり、静寂が戻った時、伊沢は倒れた仲間たちの遺体を見つめていた。彼らの顔は、安らかだった。 「お前たちは、立派に戦った…」 伊沢は涙をこらえ、呟いた。そして、再び立ち上がり、前を見据えた。 「まだ、終わっちゃいない…」 彼の戦いは、まだ続く。祖国のために、そして、倒れた仲間たちのために。

いいなと思ったら応援しよう!