プラスチックの星 西暦2087年、地球は「プラスチックの星」と呼ばれていた。もはや木も石も、金属さえも存在しない。家も、車も、服も、食べ物さえも、全てがプラスチックでできていた。 かつては緑豊かだった大地は、色とりどりのプラスチック廃棄物で覆い尽くされ、太陽の光を怪しく反射している。人々は巨大なプラスチックドームの中で暮らし、人工の空気と、プラスチック容器に詰められた合成食料を摂取して生きていた。 この世界で唯一の企業「グローバル・プラスチック社」は、あらゆるものをプラスチックで製造し、人々の生活を支配していた。人々は生まれたときからプラスチック製のIDチップを埋め込まれ、会社に管理されていた。 アキラは、そんな世界に疑問を抱く若者だった。彼はドームの外に出ることを夢見て、古いデータストレージから過去の地球の情報を集めていた。緑の森、青い海、そこに住む多様な生物たち…アキラは、かつての地球の姿に心を奪われた。 ある日、アキラはドームの外で作業中に、土の中に埋もれた小さな金属片を見つける。それは、かつて地球に存在した「鉄」だった。アキラは、この金属片こそ、世界を変える鍵だと直感する。 アキラは、仲間と共に秘密裏に研究を始め、金属片を分析し、その性質を解明していく。そして、ついに金属を精製する方法を発見する。 金属の精製に成功したアキラたちは、それを武器にグローバル・プラスチック社に立ち向かう。人々はアキラたちの行動に共感し、次々と反旗を翻す。 長い戦いの末、グローバル・プラスチック社は崩壊し、人々はプラスチックの支配から解放される。そして、金属製の道具を手に、プラスチック廃棄物の山を少しずつ処理し、土を耕し、種を蒔き始める。 それは、かつての地球を取り戻すための、長い長い旅の始まりだった。