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米戦争


米戦争 舞台は近未来の日本。異常気象が続き、世界的な食糧危機が深刻化していた。とりわけ、主食であるコメの生産量は激減し、各国は自国民の食料確保に躍起になっていた。 かつての盟友アメリカでさえ、日本へのコメ輸出を制限。日本政府は、国家存亡の危機に瀕していた。 そんな中、一人の男が立ち上がった。彼の名は、田崎。かつては農業を営んでいたが、都市開発の波にのまれ、今は小さな運送会社を経営している。 田崎は、政府の無策に憤りを感じていた。「このままでは、日本人は飢え死にするしかないのか…」 彼は、ある計画を思いつく。それは、かつて自分が耕していた土地を買い戻し、コメを栽培することだった。 しかし、資金も人手も足りない。そこで、田崎はインターネットで呼びかけ、賛同者を募った。 「コメを守ろう!日本の未来を守ろう!」 彼の熱いメッセージは、多くの人々の心を打った。元農家、学生、会社員…様々な人々が、田崎の元に集まってきた。 彼らは、荒れ果てた土地を耕し、苗を植え、水を引いた。最新の農業技術を導入し、わずかな水でもコメが育つように工夫した。 だが、困難は次々と襲いかかる。日照不足、害虫の大量発生、そして、海外からの妨害工作…。 それでも、田崎たちは諦めなかった。彼らは、互いに助け合い、励まし合いながら、コメ作りに情熱を注いだ。 そして、ついに収穫の日を迎えた。黄金色に輝く稲穂が、田んぼ一面に広がっている。人々は、歓喜の涙を流した。 田崎の作ったコメは、「希望のコメ」と呼ばれ、国民に希望を与えた。政府も、ようやく重い腰を上げ、農業支援に乗り出した。 日本は、コメ戦争を生き抜いた。そして、田崎は、国民的英雄として称えられた。 「コメは、日本の魂だ。」 田崎は、そう言って、静かに微笑んだ。

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