Fukushima: IAEA、ニュージーランドとラロトンガに廃水の投棄に関する報告書を提出へ
RNZ PACIFIC / WORLD
10 Jul 2023
2023年7月10日午前11時4分
リディア・ルイス、RNZ パシフィック・ジャーナリスト
lydia.lewis@rnz.co.nz
国連の原子力監視団は、福島第一原子力発電所における高度液体処理システム(ALPS)処理水の安全審査に関する報告書を発表するため、ニュージーランドとラロトンガを訪問する。
日本による100万トンを超える原子力廃水の太平洋への放出は、この報告書の発表後、間もなく開始される予定である。
太平洋諸島フォーラム(PIF)の議長であるクック諸島のマーク・ブラウン氏は、「太平洋を管理する者として、健全で回復力のある海を未来の世代に残すために、私たちはあらゆる手を尽くす義務がある」と述べた。
今回の訪問は、地域を超えた反核活動家たちからの反発と、一部の太平洋地域の指導者たちからの不安を受けて実現した。
PIFの18の加盟国は、この問題に関してそれぞれ異なる見解を持っている。
ブラウン氏は、トロイカ(過去、現在、未来の議長団)が会合を開き、太平洋の将来に関する決定は、独立した検証可能な科学的評価によってなされる必要があることに合意したと述べた。
「私たちは、直接的な手段であれ、越境的な影響によるものであれ、核汚染の防止を含め、南太平洋非核地帯条約(ラロトンガ条約)の下での約束を守り続けてきました」とブラウン氏は言う。
フォーラムは、IAEAの最新の報告書の酷さを指摘している、独立した専門家委員会にIAEAの招聘を依頼した。
ダンピング(投棄):「最悪の選択肢」
ある太平洋島諸島フォーラムのパネリストは、国際原子力機関(IAEA)は今回の訪問で多くの説明をしなければならないだろうと述べた。
エネルギー環境研究所所長であり、半世紀以上に渡る研究による専門知識を持つアルジュン・マキジャニ博士は、委員会がIAEAに非常に難しい問題提起をしたと述べた。
「廃水の放出は、最悪の対処法のひとつだと思います。私たちは、希釈が公害の解決策であることを止めなければなりません」とマキジャニ氏は言う。
第一に、IAEAがいかに熱心に「影響はごく僅か」であり、全て上手くいくと言っていたかが、彼は「非常に興味深い」と述べた。
マキジャニ氏によれば、IAEAは6月にトリチウムに関する周知の事実を誇張していたのを、最新の報告書ではその記述を密かに訂正していたということである。
「IAEAのこの問題に対する熱心さは、このプロセスがいかに酷いものであるかを物語っている」と彼は言っている。
さらに彼は、IAEAと日本がトリチウム水を処理し、コンクリートにして福島原発で使用するという専門家委員会の提案をこれまで「無視」してきたことにも憤慨している。
「トリチウムは比較的低エネルギーのベータ粒子しか放出しないので、コンクリートによってほとんど完全に遮断されます」と彼は言う。
IAEAはこの提案を、IAEAの規定ではその範囲内ではないとして除外したが、マキジャニ氏は代替案との比較検討はコンプライアンス上、当然のことだと主張している。
これらは、専門家たちによって提起された問題や不満のほんの2つの例に過ぎない。
マキジャニ氏の不満に同意せず、日本を信頼し、処理された廃水を海に放出することが本当に最も安全な選択肢だと信じる者もいる。
IAEAのラファエル・マリアーノ・グロッシ事務局長は月曜日にオークランドに、翌日にはラロトンガに滞在する予定である。
What Next?
放出日はまだ決まっていない。
東京電力は、7月21日(金)にバヴァーチャル記者会見を開き、福島第一原子力発電所の廃炉状況について説明するということである。
(了)
translated by ital, 23 August, 2023
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