乃木坂46の楽曲を一日一曲語る。21日目『やさしさなら間に合ってる』
_______【この記事の構成】_______
▼今日のこばなし
本題の伏線になる時とならない時がある雑談
▼『○○』の基本データ
作編曲、歌唱メンバー、MV等の情報
▼『○○』を語る
愛と飛躍に溢れた考察
▼おわりに
総括とキメ台詞
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▼今日のこばなし
「トイ・ストーリー3」
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筆者は『トイ・ストーリー3』が大好きだ。
『トイ・ストーリー』シリーズと言えば、(ざっくり言えば)おもちゃが冒険するファンタジー作品である。
しかしその中に、「おもちゃを通して人間の成長を描く」というテーマがあるように思える。
初代『トイ・ストーリー』では、ウッディとバズがそれぞれ成長する姿が描かれる。
ウッディ・・・本当のリーダーシップとは、みんなをまとめることではなく、みんなを頼ることだと気づく
バズ・・・(おもちゃであるという)自分の存在を自覚し、その上で自分にできることを考え始める
これらは子供が成長する過程で問題にぶつかり、それを乗り越えるプロセスを表している。
『トイ・ストーリー2』は、生きるとは「何を大事にするかの選択の連続」であることを示唆している。
1・2ではこのように、子供の成長過程をウッディやバズなどのおもちゃに投影させているのである。
ところが、『トイ・ストーリー3』は違う。
1・2から時が経った3では、おもちゃの持ち主であるアンディが大学生になっている。
この作品のテーマは、「ウッディやバズは、成長しておもちゃで遊ばなくなってしまったアンディとどう向き合うか」である。
つまり、本作でのウッディやバズの目線は、子供の成長を見守る親や周りの大人の目線なのである。
1・2を見た人なら、アンディがどれだけ優しい子か知っている。
それだけに、おもちゃで遊ばなくなってしまったアンディを見るのはとても寂しい。
これら全てが相まって『トイ・ストーリー3』のラストシーンは号泣しながら「アンディ~~!!」と叫ばずにはいられないのである。
▼『やさしさなら間に合ってる』の基本データ
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▼収録 / 発売日
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4thシングル『制服のマネキン』Type-A / 2012年12月19日
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▼作詞 / 作曲 / 編曲
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秋元康 / 松田純一 / 清水武仁
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▼歌唱メンバー
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市來玲奈、井上小百合、齋藤飛鳥、高山一実、西野七瀬、能條愛未、深川麻衣、若月佑美
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▼センター
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高山一実、能條愛未
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▼MV(ミュージックビデオ)
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この曲のMVは制作されていない。
▼『やさしさなら間に合ってる』を語る
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・わかれうた
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互いに好きなまま、それでも別れるカップルの、愛と切なさを女性視点で歌った曲である。
別れ話を切り出したのは彼の方だが、それでもいつもと変わらない彼のやさしさが逆に彼女を苦しくさせるのだ。
・やさしさが邪魔をする
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真冬のプラタナスは
お別れの道
あなたは心配そうに
隣りを歩く
- 出典:『やさしさなら間に合ってる』/ 作詞:秋元康 作曲:松田純一
出だしのかずみん(高山一実)の歌い方がクセ強めなのは一旦さておき、
ここだけで情景がイメージできるのが素晴らしい。
プラタナスは街路樹として日本でもポピュラーだ。
プラタナスの並木道が冬になると、葉が枯れ落ちて寒々としたもの寂しい雰囲気になる。
「お別れの道」は、
・この道を抜けたらいつも二人がバイバイする
・彼から別れ話を切り出され、冬の並木道がより悲哀さを増しているように見える
というダブルミーニングになっているのだろう。
彼が「心配そうに」しているのは、彼女を悲しませたくないというやさしさからであろう。
彼は、とにかくやさしすぎるのだ。
「悪いのは僕なんだ」なんて
ずるい言い方をしないで
もっと冷たく突き放して
あきらめさせてよ
- 出典:『やさしさなら間に合ってる』/ 作詞:秋元康 作曲:松田純一
信号待っていたら
追いかけて来た
ハンカチ 差し出す手が
あなたらしいわ
- 出典:『やさしさなら間に合ってる』/ 作詞:秋元康 作曲:松田純一
彼女はきっと彼のやさしいところが大好きなのだろう。
しかし、今はそのやさしさが邪魔をするのだ。
別れることが二人にとって最善の決断だと頭では分かっていても、ハンカチを差し出す彼の手に未練を捨てきれずにいるのである。
・ありがちな恋愛
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恋のひとつが終わっただけ
よくある話よ
- 出典:『やさしさなら間に合ってる』/ 作詞:秋元康 作曲:松田純一
そもそもなぜ二人は別れを選んだのか。
「愛」と「夢」を天秤にかけ、「夢」を選んだのではないだろうか。
そう考えると、上の歌詞は『ありがちな恋愛』と非常にリンクする。
ありがちな
恋愛のその結末はどれも同じで
そう知らぬ間に二人 別の道を行く
愛よりも大切な夢を見つけたのなら
現実はいつだって退屈なものだ
- 出典:『ありがちな恋愛』/ 作詞:秋元康 作曲:杉山勝彦
「よくある話」=「ありがちな恋愛」という等式が成り立つかもしれない。
「夢」か「愛」かの選択というテーマは乃木坂46楽曲に度々登場する。
それらに登場する男女を、全て同一人物としてイメージしてみるのも乙な楽しみ方である。
▼おわりに
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失恋ソングを語るのは、とてつもない想像力を必要とする。
なぜなら、筆者は失恋したことがないからである。(察し)
では、また明日。stay tuned!