わたしのSAKEROCK回顧録
SAKEROCKがストリーミング配信を始めたのを記念して(?)私とSAKEROCKの回顧録を書きたいと思う。
SAKEROCKとは星野源、浜野謙太、伊藤大地、田中馨、野村卓史からなるインストゥルメンタルバンド(田中馨、野村卓史は元メンバー)である。2005年にファーストアルバムを発売し、10年間の活動を経て2015年に解散。といっても2010年から新譜発表をしておらずほぼ休止状態だったので、精力的に活動したのは実質5~6年くらい。
今や知らない人はいないほど有名になった星野源がギターとマリンバを担当、俳優としても活躍する浜野謙太(通称ハマケン)がトロンボーン、国宝級の腕前で大御所から引っ張りだこのドラマー伊藤大地と、ショピンとして活躍する田中馨がベース、超絶技巧のほぼ変態に近いピアニスト野村卓史と、今考えるめちゃくちゃ豪華な奇跡のバンドだった。
私とSAKEROCKとの出会いは2005年か2006年辺りの大学生のころ。湯川潮音のライブに友人に誘われて行ったとき、対バン相手がSAKEROCKだった。その当時、湯川潮音は一部の女子のアイコンのような存在で熱狂的な支持を得ていて、私の友人も大ファンだった。彼女たちを魅了する湯川潮音の魅力を知りたくて興味本位で行ったライブで、訳の分からないことを言って踊るトロンボーン奏者がフロントマンのインストバンドに心を奪われたのである。
演奏がとにかくカッコよくて虜になり、その場でCDを購入し、次回のライブのチケットも購入。デビューして間もなかったので、物販はメンバー自身が行っていて星野源から手売りでチケットを買ったのを覚えている。まさかあの青年が15年後にガッキーと結婚するなんて誰が想像したであろうか。
1st「LIFE CYCLE」は何回聞いたかわからない。元々オタク気質なので、いいと思ったらすぐのめり込む。ライブやフェスにも通い、アルバムも全て購入した。
吉祥寺のスターパインズカフェでのライブを観に行ったときは、まだ有名じゃなかったので、出演後にメンバーと気軽に話せたのが楽しかった。今となってはいい思い出である。
当時付き合っていた彼にSAKEROCKを勧めるとまんまとハマり、よく一緒にライブに行った。なぜかDVDを折半して購入したが(確かぐうぜんのきろく2)、別れたあと彼の手元に残っているのを今でも根に持っている。恋人と物を折半するもんではないと学んだ。
といったように大学時代のモラトリアム全開な日々をSAKEROCKを聴いて過ごしたのである。
ストリーミング配信が始まったと星野源がTwitterで紹介していたので早速聴いてみた。シャッフル再生すると「兵日記」が流れてきた。その途端、よく聞いていたころの情景が脳裏によぎり泣きそうになった。
15年前、大学にもロクに行かず落第して絶望の真ん中にいながら、本当は養護教諭になりたいんじゃない、文章を書く仕事がしたいって思っていたことを思い出した。今原稿の締め切りに追われて苦しんでいるなんて、20歳の私は想像できなかっただろう。
そう考えると星野源の活躍も驚くことではない。常に未来は予想外だし、割と捨てたもんじゃない。
腐らないでいることが重要なんだなって学生時代に聞いていたバンドが教えてくれた。
ちなみに一番好きな曲は「穴を掘る」で、好きなアルバムは「ホニャララ」です。ぜひ聞いてみてください。