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楽しむために 〜手作り看板の話〜

頂では、開催当初から手作りの看板で会場づくりをしてきました。

僕が会場内の手作り看板の制作を担当して今年で七年目になります。吉田公園とは別の場所に倉庫があって、そこが僕たち看板チームの仕事場です。伝えたい言葉をどうするか考え、ベニアの板にペンキを塗って、僕がアウトラインをひきチームの仲間で手分けして色をつけます。今まで使って古くなった看板や、役目を終えた看板もつぶして再利用。廃材も何かに使えないかと考えながら、毎年新たな看板が生まれています。
頂は、楽しみをみんなで分かち合い出会う場所だと思っています。だから、僕たちも、作る過程から楽しみを感じながら看板制作にあたっています。年に一度のお祭りをみんなが楽しく過ごせますように。僕らがこしらえた看板からも、楽しみが伝播していきますように・・。
Mac でデザインしてプリントした方がきれいに仕上がるんだろうけれど、会場に足を運んでくれたお客さんに、より「思い」を伝えられる手段が手描きなんだと、そう信じて続けています。ゆるゆるですけど・・笑

チェアの使用できるスペース・タープエリアの案内、キッズエリアでのお約束、トイレのサインなど大小様々な看板たち。
毎年少しずつ「仲間」が増えています。時に、見たことない黄色い変なキャラ(僕たちは彼のことをアイツって呼んでいます)が顔ハメになってたり、星が顔のホシクンがメッセージを送っていたり、グリーンキャンプには頭がペグのPEG さんてのがいて、他にもいろいろ会場内に潜んでいるので探してみて下さい。

看板たちの役割は、会場内でみんなでたのしんでもらうためのアナウンサー。頂をたのしむために守ってもらうお約束や、心がけてもらいたいマナーをお伝えしています。こうした約束とマナーをみんなで守っていくことも楽しむために大切なことの一つです。

例えばステージがあるメインエリアへは一切の飲食物が持ち込めないこと。これは、会場内においてのゴミの削減を目指しているもので、リユース食器の利用も同じ思いで開催当初から行っています。また、各エリアに設置された水場は混み合ったりしますから、みんなでなかよく!とか、キレイに使おう!などといったメッセージの看板も作りました。シンクがつまって使えなくなってしまわないように、 BBQ や調理、食事で使った食器を洗う際は、残飯などの汚れを必ず拭き取ってからのご利用をお願いします!

禁止事項や約束は、イベントの開催にはもろもろ出てくるものですが、こうした約束に対してみんなでポジティブに、みんなが取り組みやすいような気持ちになるように、看板の制作にはやさしい気持ちと言葉づかいで表現する事を大切にし、「ダメ」とか「禁止」などという言葉をなるべく使わないように心がけて行っています。伝わってくれたらうれしいです。

僕にとって頂は、年に一度の地元のお祭り。そう思って参加させてもらってきました。
みんなそれぞれ、お住まいの地域で開催されるお祭りに、地元の人たちが集まって、力をあわせてそれを執り行うような、そんな感じ。

頂には全国から様々な人たちが駆けつけます。特別な技術をもったアーティストや職人さんたち、大工さんたちの技、グラフィックデザイナーにウェブデザイナー、カメラマン、音響さんに日本各地のイベンターの仲間たち。本当にたくさんの人達みんなが「最高の音楽を、最高のシチュエーションで!」というの思いのもと、頂を楽しいものにしようと力を注いでいます。そうした才能にふれあえるこの時間はとても貴重な経験であると同時に、僕にとっての楽しみです。

このお祭りにおいて、僕たちスタッフが奉る( まつる) ものは何か。奉るは「献上する」とか「差し上げる」って意味なんだそうですが、勝手な解釈ですが、第一回目の頂の開催の時に、この祭りで何をまつるか?って話になって、スタッフの仲間のひとりが「頂はたのしさを奉る!」って言ったのを思い出します。楽しさを差し上げる事。誰に?お客さんに!仲間達に!

十年目を迎えるこのお祭りを想って今、「楽しさを奉る!」っていうこの言い回しが妙に腑に落ちています。頂はもうお客さんも一緒になって楽しさを奉ってる、みんなで差し上げ合っているよなぁ、と感じます。BOSS はじめ、関わるみんなが、頂が楽しくなるように考え・話し合い・力を注ぎ合っている場面を今までたくさん見させてもらいました。

今年もみんなで楽しめるようにあとちょっと、僕たち看板チームもがんばります。会場内に立ってる看板たちを見かけて、こんな思いで作られた看板なんだと思ってもらえたらうれしく思います。ゆるゆるですけど・・笑


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