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大人が本気で遊ぶ場所、頂 -ITADAKI-

頂ファイナルの興奮から1ヶ月。
この記事を読んでくれているあなた、きっと相当な頂ラヴァーズですね。

僕は、頂の運営本部スタッフの藤本と申します。
今日は少しだけ、僕と頂のお話をさせてもらいます。

この写真の左側、キャップを被っているのが僕。
長年、頂に遊びに来てくれているお客さんの中には「あー、あの人ね!」なんて思ってくれる人もいるかもしれません。
※ちなみに隣は僕の地元・焼津の同級生、頂ではスタッフのまかないスペースのデコレーションを担当してくれているLowくん

僕が頂に関わり始めたのは、2009年の第2回開催から。
ボス・小野さんの真っ直ぐな眼差しと、溢れんばかり(いや、溢れていたかw)のエネルギーに圧倒された。
そして、小野さんの周りの仲間たちの笑顔が、とにかくキラキラしていた。

2009年、頂で出会ったアニキたち

もともと音楽は好きだったし、地元でこうしたパーティーがあることにワクワクしたけど、それ以上に「なんかこのパーティー、他とは違うぞ。。。」というのを直感的に感じた。
以降、頂のためにできることがあれば力になりたいと思い、今日まで至ってます。

最初に受け持ったポジションは会場内の発電機への燃料補給。

ご存知の通り、頂では100%バイオディーゼル燃料で運営していますが、さらに凄いのがこの燃料のムダを少しでもなくすために、定期的に全ての発電機をチェックし、「ここ、燃料が減ってきたな」というところに燃料補給をすること。もちろん100%人力で。

僕と同じ時期に頂に参画したバイオディーゼルマスターの石田さんの指揮のもと、燃料ポリタンクを持って日本平の斜面を何度も往復した経験は、今でも忘れられない。

それから間も無くして、日本平での継続開催ができなくなり、新たな開催地を探すことに。
静岡県内を西から東まで駆け回った。

ホテル改装工事中の日本平

なかなかイメージ通りの会場が見つからず苦しんでいたところ、当時は全く候補地として考えていなかった(というか存在すら知らなかった)吉田公園と出逢うことに。
初めて吉田公園の芝生広場を見た時の興奮は今でも忘れることはできない。

「吉田公園で開催したい!」
その気持ちをストレートに吉田町、吉田公園にぶつけた。
当時、僕らの気持ちを正面から受け止めてくれた吉田町の田村町長、辻さん、吉田公園の川崎理事長。彼らがいなければ、この場所での開催は実現していなかった。

当時は頂の知名度もまだまだ。町や公園としても、僕たちを受け入れる決断をするのはとても勇気のいることだったはず。このご恩は忘れません。

燃料補給係として頂のキャリアをスタートした僕も、この頃になるとボス・小野さんの思いやイメージを具現化するため、各所との交渉や調整といった実務を任せてもらえるようになる。大好きな頂を背負っている感覚、それに対する喜びとプレッシャーも年々大きくなっていった。
関わりが深くなるにつれ、これまで見えていなかった頂の凄いところを目の当たりにすることも増えてくる。

そんな中、これまで感じた頂の凄いところ、頂が頂である所以をいくつかご紹介。
※中学生以下は無料、100%BDF発電、100%リユース食器使用など、これまでもよく表に出ているものは割愛します。

その1:運営本部が超少人数!
ボスを筆頭に、本部のコアスタッフは数名。
年々規模は大きくなってきたけど、少数精鋭の本部体制は昔から変わっていない。
「この規模で、このメンバーだけでやってるの!?と、よく周りから驚かれます(笑)

これは、他の商業的なフェスやイベントでは考えられないことで、だからこそ頂らしさを保ち続けられている大きな要因のひとつ。
1人2役どころか、5役、6役は当たり前。そもそもポジション担当という概念が、頂には当てはまらない。

開催前日の夜、各所抜け漏れないか最後のチェック!

「ポジションで区切ったら、みんなバラバラになっちゃう。トラブルは減るかもしれないけど、それじゃグルーヴしない。ふじもっちゃん、グルーヴだよグルーヴ。グルーヴしないと奇跡なんて起こせないよ?奇跡は起きるものじゃなく、起こすものなんだ。」

かつて、ボスに「もう少し担務分けしませんか?」みたいな話をした際に言われた一言。
後に、この“グルーヴが起こす奇跡”については、2023、2024でこれでもかと喰らうことになる。。。

その2:ミュージシャンやお客さんとの距離感の近さ!
頂は年に一度のお祭り。
ミュージシャンやお客さんと顔を合わすのも、基本的には年1回。
でも、ミュージシャンやお客さんとの距離感がものすごく近くてハートで繋がっている、そんな感覚を感じました。

コロナ禍で開催ができず苦しかった時、クラウドファンディングで支援を呼びかけた時のあたたかい反応。
2023年に開催を断念した時、何か力になれないかと声をかけてくれたこと。
今年のファイナルを全力で楽しみ、そして僕らとともに涙を流してくれたこと。

僕がこれまで見てきた「主催者とアーティスト」、「主催者とお客さん」の関係性とは全く異なるものだった。

2023年の中止決定後、渋さ知らズオーケストラによる投げ銭ライブ

こうした関係性を築いてきたひとつの大きな要素が、頂の情報発信。
決定事項だけを発信するのではなく、今後予定していること、悩んでいることなど、できるだけオープンに発信してきました。

このメッセージもその一つ。

2020、2021は開催を断念。2022年の開催をどうするか悩み、お客さんにも「ぶっちゃけどう思います?」と意見を募り、そこから「色々と制限もあるけど、規模を縮小して開催しよう」と気持ちを固めていくプロセスを発信した。

こうしたコミュニケーションが互いの理解度を深め、みんなの気持ちが「最高の頂」に向かって1つの方向にまとまっていく。
規模が大きくなっても変わらぬ距離感を保ってきたのは、こうしたコミュニケーションの賜物。いつしか、SNSなどでも「頂っぽいよね」と言っていただけるようになっていました。

その3:みんな音好き!裏方も本気で楽しんでる!
頂は、設営、音響、照明、バックステージ、装飾、運営、ボランティアなどなど、プロ、アマ含めて大勢のスタッフによって成り立っている。
関わって感じたのは、みんな本気で頂を楽しんでるってこと。

GOMAさんのライブで泥まみれになって踊り狂っていたキヨシくん。
ユアソンのステージ袖で、「こんな踊ってるスタッフいるか!?」と思うほどステップ踏んでた小山っち。
THA BLUE HERBのBOSSの言霊を受け止め、周囲の目を憚ることなく涙でぐしゃぐしゃになっていた龍。
キャンドルタイム、手嶌さんの歌声とそこに流れる空気を全身で受け止めていた和也さん。
ここぞという時、必ず最前列でステージに喰らいついているマサさん。

フィナーレの渋さ知らズでは、かなり多くのスタッフが堪能していたな。
本来ならこの時間ステージを見ることができない駐車場スタッフに、「今年こそは駐車場スタッフに渋さのステージを見せてあげたい!」と言い出したイブキ。
そのイブキの気持ちに応え、駐車場チームに替わり現場を引き取ってくれた直くん。

これも言い出したらキリがないけど、本気で作り上げた頂を、自分たちも全身全霊で喰らってやる!という気概が至るところに広がっていた。
みんな、この一瞬があるから、この報いがあるから、その感動を喰らうために準備も妥協はしない。

音が好きで、パーティーが好きで、人を喜ばせること、感動させることが好きで、そのためには労力を惜しまない。そして何より、自分が一番楽しんでやる!って気持ちを持ってる。

そんな仲間が集まっているからこそ、頂が成り立っている。
さらに今年は、「ボスの最後の頂、中途半端なものはやれねーぞ!」ってみんなの意気込みも相まって、頂への愛とリスペクトが惜しみなく溢れたファイナルだった。

これまで、頂では何度も奇跡を目の当たりにしてきた。

あげたらキリがないし、ここでは書けないことも含めて、通常の生活の中では起こることがないだろう「奇跡」と思えるような出来事が、頂ではしばしば起こる。

先ほども述べましたが、ボスは「奇跡は起こすもの」だと言う。

効率よく、最短距離でイベントを運営していたら、絶対に起こらなかったもの。
一見ムダとも取れるような、仲間との日々の雑談や思いやり、手間、おせっかいも含めて喜怒哀楽を共有してきた17年の歴史がグルーヴして起こしてきた数々の奇跡たち。

17年やってきたからこそ辿り着けた境地。小野組の集大成。
ここまで関わることができたこと、本当に誇らしかった。

僕自身、この16年の間に結婚、そして2人の子どもを授かるという人生における大きな転機を迎えた。
家族がいたからこそ、「もし自分が子を連れて行くとしたら」というお客さん視点を運営に生かすことができた。

今では小学校3年生になった長女が、「私が12歳になったら、頂のボスになって頂を復活させるんだから!」と意気込んでいる。
まさかここにもバトンが渡ってくるとは思ってもいなかった。笑

頂のために家族との時間を犠牲にすることもあった。
そんな僕を支えてくれた妻にも、この場で感謝を伝えたいです。
本当にここまでありがとう。
おかげさまで、人生においてかけがえの無い大切な経験を積むことができました。

とりとめがなくなってしまったけど、僕にとって頂との16年は青春そのものでした。

大人でも青春できるんだぞ。
大人が本気出したら凄いことできるんだぞってことを身をもって知り、それをチームで証明し続けてきたのが頂だった。

これからも一生青春してやるぞ。

ありがとう、頂。
ありがとう、頂に関わってくれた全ての方々。

MUSIC IS THE ANSWER!
ITADAKI NEVER DIES!!

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