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"ONE BIG FAMILY" / ボスのあとがき的インタビュー


―いつも「あとがき」はボスの言葉で綴られているので、「インタビューしてほしい」と聞いてびっくりしました。

うーん。なかなかまとまらなくてまだまだ絶賛消化中ってのが本音、、、
今回は何を書くか考えたときに、エピソードや切り口が多くて。 
自分では整理できなかったんだよね。毎年ITADAKIをやりきって、疲れが残っている中でちょっと消化して、3日〜1週間経ったぐらいに書いているんだけど、今年は筆が進まなくて。。。もう気の済むまで、当分は消化しないってゆっくりするって作戦をとってみようかなと!

 
―胸が熱くなるシーンがたくさんありましたからね

我慢してたけど泣いてばっかりだったね、、、
お客さんもスタッフも仲間も本当に凄かった!そこにきてアーティストはFINALに向けて神セットリストで凄いバイブスを繋いでいったね。もう感無量という言葉がピッタリハマって自分自身は無事にやり切るのに必死で精一杯だったよ。
あの光景は今思い出すだけでも胸が熱くなる。本当にどのステージも感動的で裏も表も語り尽くせないな。。。

―これまで頂を支えてくれたスタッフにとっても最後の頂ということでいろいろな思いがあったでしょうね。

本当にスタッフのみんな、凄かったよ。最後の最後まで良いモノを作るために笑顔を絶やさず諦めずに動き続けてた、これも17年の積み重ねだよね。
ずっと支えてくれたスタッフ、新しい風を吹かせてくれた新人、中には頂で出会い結婚して夫婦で参加してくれたスタッフ、ファイナルだからってことで久々に参加してくれたスタッフ、地元の先輩や息子の友人たちまで、本当にいろんな人たちが関わってくれて、それぞれが全力でお客さんをもてなしてくれた。

頂の翌週にスタッフの打ち上げパーティーをやったんだけど、今年はいつになく盛り上がったよ。みんなの「やり切ったぞ!」って顔を見て、俺自身も「この日のために頑張ってきたんだ」って思える、そんな素晴らしいパーティーだった。
本当にスタッフのみんなには感謝しかない。間違いなく最強のチームだったと言える。
頂の、俺の自慢だね!

―17年の歴史がありますから、エピソードは尽きないと思います。2日間、アーティストもスタッフもお客さんも、みんながITADAKIの最後をいいものにしようと思っているのが伝わる空間でした。ボスはどんなことを考えて過ごしていましたか?
 
昔から付き合いのある人もたくさん参加してくれたから、色々と思い出しちゃったよ。年取ったなと思いながらも、出会った頃とは違ってみんな子供を連れてきたり、この17年でその子供たちも大きくなっていった。そういう意味で、今回のファイナルは言葉違うかもしれないけど、しみったれた感じがしなかったのはよかったね。同世代で集まって「疲れたけど、やったね…」ってしんみり終わるのもいいけど、 皆んな元気だったし未来に希望が持てたね。
 


だから、ちょうど今年終わってよかったなと思ったよ。1、2年前だったら子供たちが参加しても、ここまで感じることはなかったと思う。子供達もある程度成長して、バイトしたり、就職したりして、それなりに社会性が身についたからこそ、みんな感じるものがあったと思うんだ。子供の頃に見ていたITADAKIの光景と大人になって一緒に汗をかきながら見るITADAKIの光景ってきっと全く違うじゃん?

小さい頃はただただ走り回ってた息子も立派なスタッフに

そういう若い世代も含めて、最後にはみんながITADAKIに夢中になって、クらってる感じが伝わってきたんだよね。それがすごくピースだなと感じたんだ。打ち上げで「マジで、俺バトン受け取りました!」って言ってくれる人もいてさ、素直に嬉しかったな。
こうやって「これで最後だから、お前たちに全部伝えるぞ!」って終われたのは、なかなか無いんじゃない?パーティーを始めた人間が、仲間とその子供たちも全部含めて、みんなで“ワンビックファミリー”になれるってすごいことだと思ったよ。そういう幸せでいっぱいだったね。寂しい思いはもちろんあるけど、もう完全にやりきったよ。

 


―では、思い残すことはない?
 
いつもだったら「あそこ、こうしときゃよかったな」とかいくつか出てくるわけ。そりゃ今年もあったけど、もうできないじゃん?だから、もう考えて書き留めといてもしょうがないなと思って。もう全部受け入れるしかないって感じは、いつもと違うな。
 100%やりたいようにできた!ってことじゃないんだけど、受け入れるって感じだね。
実際、あれだけやらせてもらった吉田公園や吉田町には感謝している。
ただ公園を管理しているNPOとは全然うまくいってなかったし、そこがうまくいってたらもっと良い環境を作れた、、、とかね。 もしかしたら続いていたかもね、、、

ーどういうことですか!?

吉田公園は県営だけど管理はNPOがやっているんだ。
吉田町も静岡県も応援してくれて本当にありがたく助かった、それが無かったら続けて来れなかった。あえていうけど最後に新しい管理者がね、、、威嚇して威張りまくってた。
数年前に管理団体のトップが変わり、そこから公園の頂に対する態度がこれまでとは全く変わってしまって。
言われたことのない条件を突きつけられるし、対応にも全く愛を感じなかった。態度も言葉も高圧的に感じて、今後もこの公園で何かやろうとは完全に思えなくなった。
ギリギリで条件を飲み、吉田公園での開催を決めたけど、俺たちじゃなかったらきっとやっていないと思う。 監視され、歓迎されていないように感じる場所での開催って、初めてだったし精神的に厳しかったよ。
うちのスタッフも精神的に相当やられた これシャレで済まないよ。
このままでは次の誰かが公園で何かやりたいってなった時に、そこに必要以上のエネルギーをかけるようなことになってしまう。もちろん、県民の公園、ルールは必要だし、それを厳しく守っていくことも大切だと思うけど、会場、自治体、主催者がお互いの立場をリスペクトして、もうちょっと分かり合っていかないと、面白い事は出てこなくなっちゃうよ。全てがうまくいくわけないんだから、やる気のある人たちを応援したり見守る人も必要だし、そこには信頼関係とコミュニケーションしかないと思うね。
俺はそういう大人でありたい。


 
―カルチャーを作っていくのは人ですからね。音楽、フェスといったカルチャーの継続・発展のために地域の協力は欠かせないと思います。それでいうと、私は最後にITADAKIって“フェス”じゃなくて“パーティー”だなってすごく感じたんですよ。
 
そうなんだよね。やたら“ITADAKIフェス”とか言われちゃったりしてたけど、俺はずっとパーティーだって言ってんだから!フェスをやらせたら俺たちより上手いやつはいっぱいいるけど、パーティーだったらそこそこやれる自信はあるかな。
 
―ボスにとって“フェス”と“パーティー”の違いってなんですか?
 
なんなんだろうね〜。ノリっていうか俺の感覚、イメージだとフェスってちゃんとしなきゃいけない、ルールだらけでプロの人がやってる感じ。それぞれだけど何もかもきっちり、ルール通り進めてさ。面白味は欠けるよね!
でも、パーティーは場の雰囲気を見てみんなで創っていくそういうノリがあるんだよね。DJがフロアの様子を見て曲を選ぶような感じかな。
それって仕事と趣味の違いみたいな感じなのかな。やっぱ仕事っぽくなるとつまんなくなる。仕事って言葉が合ってるかどうかわかんないけど、ミュージシャンもスタッフも、それを超えて楽しもうって気持ちの方が上回っているからいい感じになるんじゃない?
やっぱみんなでやるって楽しいよ!大の大人が大集合して、楽しむために本気になってやるってなかなかないじゃん。それがパーティーの醍醐味だと思う。この感覚っていうか大切なことを想い出すんだ
昔のローカルなお祭りとかもこんな感じだったんだろうね。

 
―では、最後にこれまで参加してくれたお客さんへメッセージをお願いします。
 
 17年間、一緒に『頂』に参加してくれて本当にありがとう!
一緒に造っていく感じ、成長していく感じも味わえた。コロナや台風で大変な時は支えてくれて『よし!もう一丁やるぞ!』って気持ちになれました。
去年は中止にも関わらず青葉市子ちゃんのインスタのキャンドルタイム、そして渋さ知らズが駆けつけてくれたのは一生忘れない。駆けつけて集まった仲間と聞いたあのライブは心に刺さって今年を迎えるストーリーがスタートした。今年は出店のみんなも裏方のスタッフも演者も含めて凄いグルーヴで開催前から本気で楽しみに来るぞ!って意気込みを感じたよ。
こっちの呼び掛けにもちゃんと反応してくれるし、頂が大切にしていることを理解してくれている人が多くて嬉しかったー。
だから当日あそこまでのすごい景色になったんじゃないかな。
今年はオープン直後の混み合いが凄くて駐車場の入れ込みには時間がかかってしまった。人もいっぱい集まったからトイレの混雑もあったし、仕込み中の雨でメインエリアもキャンプサイトもぬかるみが多くてコンディションは良くなかった。。。
大変な思いをした人も少なくないんじゃないかな?
お客さんには出来る限りノンストレスで音楽を楽しんでもらいたいってのが俺らの立場だから、そこは申し訳なかった、、、ごめんなさい。
それでも終わった後の会話やコメントとか見てると、本当に愛に溢れててさ。。。泣けた。
お客さんも全員含めて、音楽を愛する”頂ワンビッグファミリー”だなって感じる事が出来て、感無量だよ。

ここまで頂 -ITADAKI- を本気で楽しんでくれてありがとう!
皆んなの気持ち、表情、声、あの景色、一生忘れないよ。
どこかで会ったら遊んでよ!
MUSIC IS THE ANSWER
静岡に頂アリ。
ヤーマン!


キャンドルステージチームとPJと 
頂を始めた頃からの仲間たち
左:吉田町長.    右:帝国警備会長  頼もしい大人たち
渋さ知らズ渡部さんとツーショットも
Gravityfree、フェスおじさん菊池さんと

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