全員で戦う、全員で勝つ【FC刈谷 東海社会人サッカーリーグ1部 1戦目】
2024年5月5日、FC刈谷 東海社会人サッカーリーグ1部 1戦目。
本日は、この日私が見た“全員で戦う姿”について書かせていただきます。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
51番、21番、そして、1番のユニフォーム
5月の太陽が照らす美しいスタジアムで行なわれた、この日の試合。
子どもの日ということもあり、FC刈谷X公式アカウントからのメンバー発表は以下のような“ひらがなばーじょん”でも行なわれました。
FC刈谷はこうして、子どもたちのことを大切にしているところもかっこいいのですよね!
この日のメンバーを知って驚いたのは、私だけではないと思います。
『51 うえだ ゆうたろう せんしゅ』
以前、私のnoteでも特集させていただいたゴールキーパーコーチの上田雄太郎さんがリザーブメンバーとして、つまり、選手として登録されていたのです!
背番号は51。
いつもであれば、出場する選手たちのウォーミングアップを“コーチとして”支えている雄太郎さんが“選手として”のウォーミングアップも行なう。
スターティングメンバーであるゴールキーパー、21番 兒島拓哉選手もともに全力でウォーミングアップを行ないます。
そして、FC刈谷のベンチには、この日出場できなかったゴールキーパー山本伊織選手(1番)のユニフォームが掲げられていました。
「東海リーグ初戦、チーム全員で勝ちに行く!」
そんな思いが、試合に向けて準備するメンバー、そして、山本選手のユニフォームから伝わってきます。
サッカーにおいて、団結力はただの精神論ではないと、私は思います。
勝利を目指すために必要な“勝つための絆”であると思うのです。
それはきっと、ただ仲が良いだけでは実現できない、切磋琢磨の先にあるもの。
競い合い、そして、ともに前を向き続けた先にある絆。
だからこそ、彼らが組む円陣は熱いのです。
強い日差しの中で
この日の日差しは強く、試合開始前に観客席で座っているだけでも汗ばんでくるほど。
そんな中はじまった試合は「この試合は常にクライマックスなのか!」と思ってしまうような、強い意思のぶつかり合いの連続でした。
そして、激闘開始から23分。
先にゴールネットを揺らしたのはFC刈谷ではなく、藤枝市役所サッカー部でした。
でも、大丈夫。
FC刈谷の選手たちは失点してもすぐに前を向き、すぐに走り出し、勝つために突き進むからです!
FC刈谷は早い時間帯に点を取られても……いえ、きっと、どんな時間帯に点を取られても、士気が下がるようなチームではありません。
“FC刈谷の温度”は常に高く、最初から最後まで燃え続ける灼熱のサッカーですから。
「だから、絶対に大丈夫」
FC刈谷を信じて、私は応援を続けました。
そして、34分!
25番 石坂亮人選手が見事なトラップからの“圧倒的シュート”をぶちこみます!
トラップからシュートを打つまで、一度もボールが地面に触れていないのですよね!
本当にすごいゴールでした!
その後、FC刈谷は果敢に攻め続けるも、追加点がないまま時計の針は進んでいきます。
そして前半終了。
スコアは1-1、同点です。
この日のキックオフは15時。
前半が終わった今は、夕方と言っても問題のない時間帯のはず…………。
でも、気温が下がっているようには感じません。
とにかく、暑い。
でも、気温以上の熱気に、会場は包まれていました。
「絶対勝つぞ」という、心の熱気に。
戦い抜くということ
ハーフタイムには、上田雄太郎さんが“上田雄太郎選手”仕様の姿で登場。
他のリザーブメンバーとともに、真剣一途なウォーミングアップ姿を見せてくれました。
ハーフタイムは、リザーブメンバーがいつでも出場できるように準備をする様子をピッチ上で見ることができる、熱い時間。
サッカーはチームで戦うスポーツだと改めて強く感じられる、私の大好きな時間です。
そんな熱いハーフタイムを終えて始まった後半戦は……
両チームともなかなか得点が動かず。
どんどんと時間が過ぎていきます。
80分を過ぎても、スコアは同点のまま。
勝つためには、最低でもあと1点は取らねばなりません。
でも……85分になっても得点はありませんでした。
どんどんと近づいてくる、試合終了のホイッスル。
でも……。
でも…………!
でも………………!!
「FC刈谷は必ず決めてくれる!」
その期待は、一瞬たりとも薄れることはありませんでした。
どれだけ残り時間が短くなろうとも、です。
なぜならば、ラスト1秒、ラスト0.1秒、ラスト0.01秒、ラスト0.001秒……試合が完全に終了するまで戦い続ける選手たちが、そこにいるからです。
なぜならば、血を燃やして戦うようなサッカーをしている選手たちが、そこにいるからです。
たとえば、11番 大友千裕選手。
「絶対に勝つんだ!」という、力強く煌めくパワーを纏い突き進む姿は、まるで鋼鉄の矢。
たとえば、9番 鈴木直人選手。
3月10日にケガから復帰したばかりのフォワードが速度を落とさず走り続け、サッカー選手の魂の在り方を教えてくれる。
たとえば、10番 尾﨑僚選手。
責任感あるプレーで、キャプテンマークの意味、そして、尾﨑選手がキャプテンマークを巻いている意味を示し続ける。
たとえば、8番 齋藤雅之選手。
高い精度の技だけでなく、厳しい体勢でもボールを奪いにかかる不屈の心の持ち主は対戦相手の脅威であり続ける。
たとえば、4番 佐々木宏樹選手。
体を張って盾となり、サッカーにディフェンダーが存在する理由をその身をもってピッチに刻み込む。
たとえば、21番 兒島拓哉選手。
大活躍した前年からの、さらなる進化を感じさせる“より強くなった21番”として、藤枝市役所サッカー部の攻撃を跳ね返す。
たとえば、24番 武下智哉選手。
全身がゴールに飛び込んでしまうほどのガッツを見せ、観客席に「必ず勝つぞ!」という希望を届けてくれる。
他にも、ここに書ききれないほど“激しい情熱を持った選手たち”が、強い日差しに照らされたピッチの上で燃え続けていました。
もちろん、それは“全員”のことです。
これは私の想像ではありますが、きっと、いえ、間違いなく(遠征ということもあり)この日現地に来ることができなかったFC刈谷の選手たちも、戦う心を持ってこの時間を過ごしていたと思います。
FC刈谷も、藤枝市役所サッカー部も、全員が勝つために戦い続けている試合に、どうすれば勝てるのか。
それは、私のような素人にはわかりません。
できることは、応援だけ。
でも、だからこそ、全力で応援する。
だからこそ、全力で応援したい。
私は、思います。
私が熱く応援することができるのは、そこに、全力で応援したい選手たちがいるからだと。
私の中にある「がんばれー!」と心の底から叫ぶことができる熱い気持ちは、選手たちがくれたものなのです。
選手たちは、最初から全力でがんばっている。
その背中に「がんばれ」と、叫ばせてくれる。
これは、本当にすごいことだと思います。
彼らが人前で戦い、生き様を見せてくれるからこそ、私は叫べるのですから!
だからこそ。
大好きな選手たちの試合は、何度見ても、何度見ても、何度見ても、何度応援しても、気持ちが前を向き続けるのです。
2024年5月5日、藤枝総合運動公園サッカー場。
今ここは、FC刈谷のサッカーがある場所なのです!
FC刈谷のサッカーがある場所は、最強に前向きな場所なのです!
だから――――!
だから――――!
だから――――!
それは――89分のこと――――――――。
ゴールネットが揺れました!
決めたのは、FC刈谷20番!
田中彰馬選手です!
田中彰馬選手が“決めなければ勝つことができないゴール”を、叩きこんでくれたのです!
試合時間は残り僅か。
選手たちは今のゴールを勝利のゴールとするために、力を振り絞り戦い続けます。
藤枝市役所サッカー部も諦めず、なんとかして同点ゴールを決めようと、より、前のめりなサッカーをぶつけてきます。
でも、FC刈谷は耐え続ける。
体で、技で、気力で、魂で、耐え続ける。
これぞまさに戦い抜く姿勢。
勝つために戦う姿勢。
なにがなんでもという姿勢。
そして…………
そして…………
そして…………
試合終了のホイッスル!!!
FC刈谷は、東海社会人サッカーリーグ1部の1戦目にて、見事に勝利を収めたのです!!!
一勝、その意味
FC刈谷 東海社会人サッカーリーグ1部 1戦目。
厳しい試合であったと思います。
藤枝市役所サッカー部。
手ごわい相手であったと思います。
でも、この全員で勝ち取った勝利は必然であると、そして、とても重要な意味を持つものだと、私は思います。
FC刈谷は、東海社会人サッカーリーグ1部のさらに上のリーグであるJFL昇格を目標として掲げています。
それはつまり……
『強いチーム』でなければならないということです。
連勝も、当たり前のように求められます。
その、連勝をしていくうえでこの日の勝利は、とても重要な意味を持つと私は思うのです。
なぜならば。
どんな連勝も、最初は一勝からはじまるからです。
二連勝でも、十連勝でも、何連勝でも。
一勝できなければ、できません。
そのとても重要な一勝を全員でつかみ取ったFC刈谷は、最高にかっこいいチームだと思うのです。
FC刈谷のみなさん、東海社会人サッカーリーグ1部 1戦目勝利おめでとうございます!
次の戦いもがんばってください!