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昆虫の名前が書かれていない、昆虫の写真集を買いました

こんばんは、板近 代です。

本日はKindleにて購入した写真集「Paraiso de insect en Honduras: 奇虫、怪虫、こんな虫いるんだ!!」の感想を書かせていただきます。

虫の魅力、写真の魅力。

そして“昆虫の名前が書かれていない”からこその魅力。

その素晴らしさを、少しでもお伝えできたらと思っております。

どうぞよろしくお願いいたします。


今回の感想文は私の個人的な感想文なのですが、なんと、写真集の制作者である及川義明様が素敵な写真を貸してくださいましたので合わせて掲載させていただきます。

及川様ありがとうございました。

※写真の無断使用、転載はご遠慮ください。

テナガカミキリという虫

テナガカミキリという虫がいます。

その名の通り手の長い、とても大きなカミキリムシ。

小さなころから大好きで、憧れていた虫でもありました。


そして……

本日紹介する写真集「Paraiso de insect en Honduras: 奇虫、怪虫、こんな虫いるんだ!!」にはテナガカミキリの飛んでいる姿も収録されているのです!

©及川義明
©及川義明

憧れの姿を写真という形で手元に置くことができる。

「ああ、写真って本当に本当に素晴らしいな」と“飛ぶテナガカミキリ”の写真を見るたびに思うのです。


この写真集、面白いことに写真の下や付近に「テナガカミキリ」という名がありません。

全ページを見ても……掲載されているテキストはタイトルと冒頭の「はじめに」というごくごく短い文。それに「蝶(chou)Butterfly」のような大まかなグループ名のみ。

写真それぞれに対する解説が一切ないのです。


それが……良いのですよね。

「自然界に解説文はないもんなぁ」

なんてことをぼんやりと思いながら、純粋なる自然を見て、憧れる。

知っている虫は知っている虫として、知らない虫は知らない虫として見ることができる。

中には「手が長いな……まさかこのカミキリムシ、テナガカミキリという名前だったりして!」なんていうことを、思いつく人もいるかもしれません。


もちろん“写真に文を添えた写真集”を批判したいわけではありません。

今までの人生、解説文のおかげで学べたこともたくさんありますし、解説文を楽しく読んだ写真集もあります。

実際に今回の写真集でも「解説聞いてみたいなぁ」と思う写真がたくさんありました。

虫の名前や撮影地の環境、また、どんな機材で撮影したかなどなど。いろいろなことが知りたくなるのですね。

「それはなぜか?」

写真を見たことで感情が動き、興味を抱いているからです。


惹かれる写真がたくさん入っているからこそ、この写真集の「解説なし」というスタイルが生きている。

虫の名前を書かないというスタイルは、写真に力があるからこそできることなのだと思いました。


以下に、「Paraiso de insect en Honduras: 奇虫、怪虫、こんな虫いるんだ!!」の販売ページに掲載されている説明文を引用させていただきます。

透明な羽の蝶、エビフライみたいに死んだ振りをする蛾、脚にヒラヒラをつけたカメムシ、相撲をとるハエ、美しすぎる蚊、植物のトゲになりきる虫、やたら眼が飛び出たハエなどなど。想像もできないような形をした虫が沢山います。ホンデュラスに住んでいたころ、明日は、どんな昆虫に出会えるか、毎日が期待にあふれていました。その出会いを集め写真集にしました。

Paraiso de insect en Honduras: 奇虫、怪虫、こんな虫いるんだ!! Amazon販売ページより

この写真集、蚊も載っているんですよね!

ラインナップからも、虫と写真を愛している方が作った写真集なのだなということが伝わってきます。

そして「解説がないというスタイルは、ひとつの愛の形なのかもしれない」なんてことも、思ったりするのです。

私はまだ、虫の名を調べない

私はしばらくの間、この写真集の“知らない虫たち”について調べないようにしようと思っています。

一度知ってしまうと、知らない状態には戻れない。

だからもうしばらく“知らない虫を見た感動”を味わっていたいのです。


それからゆっくり気になる虫の正体を探ってみたい。それはきっと宝探しのような感覚でしょう。

昆虫の名前が書かれていない、昆虫の写真集。

その中には、宝物のような虫たちが暮らしていました。



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