サッカー写真、トリミングの話【#イタチカメラ 00002】
こんにちは、板近 代です。
イタチカメラの第2回は、私の友人でもあるカメラ好き“ぷりてぃガイ”さんとの会話を、記事としてまとめさせていただきました。
お題は、サッカー写真のトリミング。
ぷりてぃガイさんが撮影した写真も複数掲載させていただきましたので、ぜひご覧ください。
それではどうぞ、本日もよろしくお願いイタチます!
※この対談は2023年12月24日に行なったものです
※掲載の写真は2023シーズンに撮影したものです。本文中に記載の選手の背番号も撮影当時のものになります。
本日のゲストは“ぷりてぃガイ”さんです
板近 代(以下、板近):イタチカメラ、本日のゲストはぷりてぃガイさんです!
ぷりてぃガイ(以下、ぷり):よろしくお願いします。
板近:よろしくお願いします。ぷりさん(ぷりてぃガイ)とは昔からの友達で、カメラ友達でもあるんですよね。
ぷり:ですね。今年の中ごろにイタチさん(板近)からFC刈谷の試合に誘われて、サッカーの写真を撮るようになりました。
板近:お互い、サッカー撮影を本格的に始めたのは2023シーズンからですね。
ぷり:今までは景色とかをなんとなく撮影していました。自分は、サッカー観戦自体も今年からです。
板近:私は以前からサッカー観戦には行ってたんですけど、2022シーズンまでは撮影するのはほんとに時々でした。撮影枚数も少なかったし。
ぷり:今年はたくさん撮ってるよね。
板近:自分の中でサッカー撮影の感覚が全くつかめていなかったので、とにかくたくさん撮って少しでも成功率をあげたいなって。
ぷり:サッカーはリアルタイムで画面が動いていくので、撮影の仕方とかをその場で考えたりと大変だったなぁ。
板近:戦う選手がすごくかっこいいから、タイミングさえ合えば絶対かっこいい写真になるんだけど、それが難しい。動きがめっちゃ速いから。
ぷり:そうそう。ビシッと決まると嬉しいよね。
板近:嬉しいですね。そんな感じで今年はお互い初めてのことだらけで、情報交換などもしていたんですよね。
ぷり:いろいろ話したね。
板近:ですね。その中で何度も話題になっていた“トリミング”を、本日のお題にさせてもらったという次第でございます。改めまして、本日はよろしくお願いいたします。
ぷり:よろしくお願いいたします。
トリミングを取り入れた理由
ぷり:自分は風景撮影ではトリミングはほとんどしなかったので、しっかりとしたトリミングはサッカー写真ではじめてやったね。
板近:私も元々あんまりトリミングはしてなくて、しっかり向き合ったのは数年前ですね。
ぷり:数年前というと、サッカーとは別の撮影?
板近:きっかけは、熱帯魚の撮影でした。サッカーの撮影にトリミングを取り入れたのは、撮影の技術不足を補うためですね。大きく写そうとすると、追いつけないから。
ぷり:画面の中で選手が思いっきり端に写ってたりしたら、トリミングしなきゃどうにもならないしね。
板近:ありますね、そういう写真も。
ぷり:最初自分は、トリミングなしで投稿したんだよね。でも、試しになんとなくトリミングしてみたら結構いい感じになって。それからがんばってトリミングをするようになりました。
板近:「トリミングで写真としての見栄えをよくできれば、選手のすごさがより伝わるようになるのではないか」という話も、お互いよくしていましたね。
ぷり:そこはお互い共通している部分だね。
板近:撮影技術が追い付かず、選手たちのかっこよさをうまく伝えられないときがある。そういうところをトリミングで少しでも減らせたらと。
ぷり:どうすれば選手のかっこよさをより伝えられるのかと考えだすと、結構大変です(笑)。
板近:トリミングも、やりだすと難しいんですよね。
ぷり:奥深いよね。
板近:深いですねぇ。
ぷり:トリミングするときの縦横比なんかも、よく二人の間で話題になるよね。
板近:私は最初、撮影したときの縦横比を維持したままトリミングしていて。その後、真四角、自由な縦横比と広げていったんですよね。
ぷり:自分は逆に、縦横比を固定するとかはまったく考えてなかったなぁ。
板近:いろんなアプローチがあるところも、トリミングのおもしろいところですよね。同時に、難しいところでもありますが(笑)。
ぷり:(笑)
トリミング“なし”写真への憧れ
板近:ここで一枚、写真をリクエストしていいですか。先日、トリミングなしでXにアップしていた齋藤選手(FC刈谷 8番 齋藤 雅之選手)の写真を。
ぷり:これかな。
板近:そうです! やっぱかっこいいなぁ。トリミングなしでこの写真はめっちゃすごい。
ぷり:たくさん撮れば、まれにトリミングなしでもいける写真があったりするけど難しいよね。全部一発でこういった写真が撮れれば、プロカメラマンになれそう。
板近:どうやったら全部一発で決められるのか、想像できないですが(笑)。
ぷり:ずっと連写してるとかかなあ。でもバッテリーやメモリーカードの容量も無限じゃないし、連写でも選手の写る位置によってはトリミング必要だもんね。
板近:だからこそ、トリミングなしのシャッター一発で決める写真には憧れがありますね。
ぷり:そういうのはあるよね。
板近:時々、一発で決める写真にもチャレンジしていたんですが、今シーズンの全写真振り返ってもトリミングなしで投稿できた写真はだいぶ少ないですね。
ぷり:なかなか狙ってできないよね。
少しだけトリミング
板近:また、ほんの少しトリミングするだけで印象変わったりするじゃないですか。
ぷり:さっきの写真も、右側を削るともうちょっといい感じになるんだよね。
板近:ああ、いいですね。どっちも良かったりするから、めっちゃ悩みますよね。
ぷり:悩むね。この写真はトリミングなしでいけそうだったから、Xにはそのまま投稿したんだよね。
板近:繰り返しになっちゃいますが、トリミングなし版もめっちゃかっこいいです。
ぷり:ありがとう。
板近:この園田選手(FC刈谷 23番 園田 新一郎選手)の写真も、ちょっと削るだけでより迫力が伝わるようになると思うんですよね。
ぷり:ちょっとやってみてもらってもいい?
板近:例としてわかりやすいように、ほんの少しだけカットしますね。
ぷり:たしかに変わるね。
板近:こういうちょっとしたトリミングって、パソコンのモニタでは大きな差に見えなくてもスマホで見たら結構違って見えたりするときもありますよね。
ぷり:あー、あるね。
板近:SNSにアップしたときなんかにも、より迫力が伝わるようになったらいいなって。
ぷり:さっき話した「トリミングで写真としての見栄えをよくできれば、選手のすごさがより伝わるようになるのではないか」に通ずる話だね。
二人で同じ写真をトリミング!
板近:あと、悩むといえばこういう写真すごく悩むんですよね。
ぷり:悩む悩む。兒島選手(FC刈谷 21番 兒島 拓哉選手)をバーンと目立つようにトリミングしちゃうか、ゴールネットまで一緒に入れて雰囲気を出すか……。
板近:がっつりトリミングしてもかっこいいし、周りを多めに残してもいい。
ぷり:たしかこの写真は、トリミング済みのやつを投稿していたよね。
板近:アルバムに投稿したときはこうしましたね。ぷりさんも言ってましたがゴールネットを入れたかったし、あと、ピッチに映る影がかっこよくて。
ぷり:いいね。
板近:ありがとうございます。ぷりさんならどうトリミングします?
ぷり:ちょっと趣向を変えてこんなのはどうかな。
板近:ああ、めっちゃかっこいい。
ぷり:横長トリミングは結構好きなんですよ。
板近:ぷりさんの横長、ほんとかっこいいんだよなぁ。この写真とかも、ちょっとだけ横長になってるのがすごく効いてると思う。
ぷり:サッカーだと極端な横長のトリミングがいい感じになることがあるのもおもしろいよね。
板近:選手が走っているスピード感というか、駆け抜けた距離とかが横長にはまるとほんとかっこいいですよね。
ぷり:ゴール前の混戦とかも横長だと全体が把握できて、臨場感のある写真になるよね。
板近:あーわかります。このゴール前の写真、兒島選手がボールを跳ね返したシーンも横長でカットしたいなと思う写真ですね。
ぷり:横長にしたら、両チーム入り乱れている感じが出てくるだろうね。
板近:出るでしょうね。試しに左右の調整はなしで、上下だけカットしてみますね。
ぷり:密度がいい感じになるね。この写真だと兒島選手をピックアップしたトリミングにしてもおもしろいかも。
板近:いいですね! トリミングって、ほんといろんなパターンが考えられますよね。
ぷり:そうなんだよね。試しに、兒島選手ピックアップでトリミングしてもらっていいかな。
板近:少々お待ちを…………こんな感じでどうでしょう?
ぷり:おもしろいね。
板近:今回は、さっきのトリミングとは逆に、元写真の縦横比を維持したままやってみました。
ぷり:自分が兒島選手をピックアップしたトリミングをするとこうなるかな? 思いっきり日の丸構図、真ん中に兒島選手がくるようにして。
板近:兒島選手が目立って超いいですね!
ぷり:一枚の写真でこれだけ雰囲気が変わるのがトリミングのおもしろいところだね。
板近:何パターンも公開したくなってしまうときがあります(笑)。
縦横比あれこれ
ぷり:イタチさんは元写真の縦横比維持したままトリミングしてる写真多いよね。
板近:多いと思います。今日も話した通り、縦横比維持のトリミングからスタートしてますし。
ぷり:ちょうど今、更新を続けてる地域CLのアルバムシリーズは全部縦横比統一?
板近:ですね。地域CLのアルバムシリーズは、印刷した写真を一枚づつアルバムにおさめていくようなイメージでやってるんです。それで規格の統一をしようかなと。アルバムのポケットって、同じサイズだから。
ぷり:イタチさんっぽい発想だなぁ。
板近:あ。縦横比固定といえば、少し前からInstagram用に縦横比4:5(8:10)をよく作ってますね。縦が5で、横が4のちょっと横に広い縦長写真。
ぷり:Instagram、縦長画像の制限あるって言ってたよね。
板近:そうなんですよ。使ってるカメラの元の縦横比のままだと上下が切れちゃって。最初「????」ってなりましたもん(笑)。
ぷり:そういえば、横に長いトリミングだと印刷やスマホで見るとき、ちょっと大変かもしれないよね。
板近:めっちゃ細くなっちゃいますもんね。
トリミングしたくなる写真
ぷり:ここまで話したみたいにトリミングはいろんな表情を見せることができるってのはとてもいいんだけど、単純に、トリミングしなきゃちょっと見づらいという写真もあるよね。
板近:それはありますね。特に今の私は大半の写真をトリミングする前提で撮ってるから、そういう写真は多いです。
ぷり:自分だと、この写真とかがそうだね。
板近:この写真のトリミング難しそうだなぁ。アップでいくか、広めでいくか悩みそう。
ぷり:試しにお互いこの写真をトリミングしてみよう。
板近:了解です。どっちからいきます?
ぷり:じゃあ、自分から行こうかな。
板近:お願いします。
ぷり:では……こんな感じでどうかな。
板近:かっこいい。齋藤選手の迫力だけでなく、ボールの立体感も増してますね。
ぷり:兒島選手の写真に続き日の丸構図で、齋藤選手をバーンと見せる感じでトリミングしてみました。では、イタチさんどうぞ。
板近:せっかくなので、私はちょっと違う感じでやってみますね。こちらでどうでしょう。
ぷり:元の写真の雰囲気を残してトリミングした感じなのかな。
板近:ですね。齋藤選手と他の選手の位置関係とか、選手たちが走ってきたことがわかりやすいところも良いなと思ったので。うーん…………もうちょっと右側カットしたほうがいい気がしますね(笑)。
ぷり:このカットの仕方は悩むパターンだと思う(笑)。
板近:後から「違うやり方のほうがよかったかなぁ」と思うことありますよね(笑)。
ぷり:あるある。こうして同じ写真をトリミングしてみると、トリミングにも個人の趣味が出るのがよくわかるね。
トリミングの模索
板近:自分のトリミングに限定しても、何を伝えようとするかでカットの仕方が変わってきたりもしますよね。
ぷり:自分の場合、格好いい選手を見せたいばっかりで、大胆なトリミングばっかりになってしまう(笑)。
板近:その気持ちめっちゃわかります(笑)。サッカーのトリミングしてる時って気持ちが前のめりになるというか、グッと前に出た気持ちになりません?
ぷり:非常にわかります。
板近:ぷりさんはサッカーの写真をはじめたころに比べると、アップの写真が増えていってますよね。
ぷり:それだけ気持ちが前のめりになっているのかもしれない。イタチさんは、シーズンが進むにつれてだんだん引きの写真を取り入れていったんだよね。
板近:そうですね、引きの写真を強く意識するようになったのは何試合か撮影を経験してからです。
ぷり:何かきっかけがあったりした?
板近:選手の魅力をいろいろな角度から伝えたくて、写真のバリエーションを増やそうとしたんですね。それで、自分には引きで撮ろうとする意識が足りないなと思って。
ぷり:イタチさんは元はアップの写真が好きだったもんね。
板近:ぷりさんはそのへんのことよく知ってくれてますよね。サッカーを撮りだすだいぶ前から一緒に撮影に行ってるし、会うとだいたいカメラの話をするから。
ぷり:一緒に撮影した時間より、カメラトークした時間のほうが長いよね(笑)。
板近:(笑)。昔からぷりさんは広めの写真が多くて、私はアップの写真が多くて。
ぷり:そうだったよね。(サッカー以外の)同じ場所で撮ってる時でも、イタチさんは80mmくらいのレンズで、自分は広角レンズでとかもあったし。
板近:私がはじめて触った広角レンズ、ぷりさんのレンズですよ。植物園で。
ぷり:なつかしい(笑)。
板近:こうして振り返ると、お互い、サッカーを撮りはじめたことで自分の元のスタイルと逆のスタイルを模索しているんですね。
ぷり:FC刈谷の良さを少しでも表現するために、試行錯誤した結果なのかもしれないね。
板近:根本にあるのは、そういう気持ちですよね。FC刈谷の選手たちのすごさ、熱さ、かっこよさをもっと伝えられるようになりたい。
ぷり:来シーズンも、応援の気持ちをもって撮り続けていきたいね。
板近:ですね。本当にそう思います。
ぷりてぃガイさん、ご協力ありがとうございました!
以下に、ぷりてぃガイさんの簡単なプロフィールと、普段写真を投稿されているXへのリンクを掲載させていただきますので是非ご覧ください!
今回のゲスト
ぷりてぃガイ
2023年中ごろよりサッカー撮影を開始。試合に通いだしてすぐ、より良いサッカー撮影を求めレンズを追加購入。それからほどなくしてカメラも追加購入し防湿庫のゆとりがなくなってしまった人。