【ポケポケ】ミュウツーexに圧倒的有利!/マタドガス×ペンドラーの猛毒デッキ
こんにちは!ポケポケの大会「いたち杯」の運営をしている、いたちです!大会運営だけでなく、過去の大会や海外の大規模イベントの対戦データを分析し、カードやデッキ構築の研究にも力を入れています。本記事では、これまでのデータをもとに、「マタドガス×ペンドラー」デッキを深堀していきます。ポケポケをもっと楽しむヒントをお届けできればと思います!
1.はじめに
実は新環境”幻のいる島”最初期から「マタドガス×ペンドラー」デッキは強いのではないかと思っていました。一番の理由は、前環境”最強の遺伝子”において、”「ミュウツーex」に強かった”ため。
新環境”幻のいる島”では、前環境でも強かった「ミュウツーex」のデッキパワーがさらに上がる新カードが複数枚出ています。
それゆえに、環境上位に来ると予測していた方も多いのではないでしょうか。12月22日に開催した”第7回 いたち杯"でもシェア率はトップでした。
そして、”第7回 いたち杯"で優勝したのが、「マタドガス×ペンドラー」デッキです。上位4名を見ても、優勝者を除いた3名が「ミュウツーex」を使用しています。
大会のシェア率などを鑑みても、「ミュウツーex」の評価がプレイヤーから高いということは分かるとは思います。
しかし、”どの程度強いか”という点はまだ不明確です。超有利なのか、微有利なのかといった点については、約5,000試合の大会データをもとに紐解いていきたいと思います。
ということで、本記事では「マタドガス×ペンドラー」デッキについて、環境デッキとの対戦データをもとに考察していきます。
2.「マタドガス×ペンドラー」デッキ概要
このデッキは「マタドガス」などで相手ポケモンを毒状態にし、ペンドラーの技「ベノムショック」で大ダメージを与えることが基本戦術となります。
つまりバトル場とベンチの入れ替えが多く発生しますが、「マタドガス」や「ペンドラー」は逃げエネが多く、ベンチに下げるためには大量のエネが必要となります。そこを補助する役割として、「キョウ」や「リーフ」が採用されています。
「マタドガス」と「ペンドラー」のコンボが上手く決まると、毒ダメ込みで130点以上のダメージを相手に与えることが出来ます。
4.「マタドガス×ペンドラー」デッキの各デッキタイプの勝率
対:ミュウツーexデッキ
早速、新環境"幻のいる島”でシェア率トップの「ミュウツーex」デッキに対する勝率から見ていきましょう。有利というのは承知の上かと思いますが、どの程度有利なのでしょうか。
ということで、「ミュウツーex」デッキに対する勝率はこちら。
勝率はかなり高いことが分かります。ちなみに、「ギャラドスex」や「ピカチュウex」をはじめとした他の環境デッキよりも、「マタドガス×ペンドラー」が、最も「ミュウツーex」への勝率が高かったです。
「ミュウツーex」キラーといっても過言ではない勝率ですね。
実際、表1-1から分かるように”最強の遺伝子”環境における対「ミュウツーex」の勝率は63.9%ですが、現環境”幻のいる島”の方が勝率66.3%で、勝率が上昇しています。「ミュウツーex」のデッキパワーが向上したにもかかわらず勝率が上昇しているということは、やはり「ペンドラー」の存在が大きいのでしょう。
さらに、”最強の遺伝子”環境からいる「マタドガス」は1エネでわざを打てるため、初動がそこまで強くない「ミュウツーex」に対して有利に立ち回ることが出来ます。弱点であることから、1エネで毒込み60点(ないし70点)のダメージを与えられると考えると、非常に強力であることが分かります。
対:ギャラドスexデッキ
次に、「ギャラドスex」に対する勝率を見ていきたいと思います。高スペックな「ギャラドスex」を中心としたデッキで環境最初期はあまり注目されていませんでしたが、環境が進むにつれてどんどんと注目が集まるようになりました。
ということで、「ギャラドスex」デッキに対する勝率はこちら。
勝率からも分かるように、対「ギャラドスex」は、”かなり不利”だということが分かります。
「ギャラドスex」は壁役の「クリムガン」で序盤をしのぎ、ベンチで「ギャラドスex」を育てるというのが、基本的な動きとなります。
そのため、「クリムガン」の早期突破やベンチにいる「ギャラドスex」の進化前の「コイキング」を倒すことが、勝利への近道となります。
その点を踏まえて、「マタドガス×ペンドラー」はどうでしょうか。「クリムガン」を突破するのに最短でも、3ターンはかかります。
「ギャラドス」exには、大きく負け越す結果となっています。少しでも勝率を上げるために、一つ仮説を提唱させてください。
仮説:「ナツメ」の2枚採用で「ギャラドスex」への勝率が上昇する
現時点で大会シーンで使われる「マタドガス×ペンドラー」デッキリストでは、「ナツメ」の複数枚採用は珍しいです。
表4-1からも分かるように、「ナツメ」の採用枚数は一番多いのが”1枚採用”。次いで”0枚採用”、最後に”2枚採用”となっています。
「ギャラドスex」ラインを序盤から積極的に狙っていき、”初動を崩す”には、「ナツメ」”1枚以下の採用”では、心もとないように感じます。
「ギャラドスex」ラインを序盤から積極的に狙うことを考えると、「ナツメ」の”2枚採用”というのもありですよね。
加えて「ナツメ」の”2枚採用”が重要な理由として、「ギャラドスex」のわざ「あばれうずしお」にもあります。「あばれうずしお」は相手に140点を与える高火力わざで、さらに連発が可能です。
そして、「マタドガス×ペンドラー」デッキで一番HPが高いのは、「ペンドラー」のHP140。「ギャラドスex」の「あばれうずしお」ですべてのポケモンが一撃で倒されてしまいます。
何が言いたいかというと、「ギャラドスex」がわざを打てるようになった段階で、かなり勝ち目が薄くなるということです。
このことから、対「ギャラドスex」への勝率上昇のためには、”初動を崩す”ことが重要だと言えるのではないでしょうか。そして、”初動を崩す”ためには、「ナツメ」”2枚採用”が鍵を握っていると考察します。
対:ピカチュウexデッキ
次に、前環境”最強の遺伝子”の覇者である「ピカチュウex」との勝率を見ていきたいと思います。前環境ではありますが、「ピカチュウex」を考察した記事もありますので、良かったらご覧ください。
ということで、「ピカチュウex」デッキに対する勝率はこちら。
結果は、”微不利”となりました。
理由としては、「ピカチュウex」デッキが、”逃げエネ1”のポケモンを中心に構成されているからだと考えます。さらに、「スピーダー」も2枚採用されていることが多いです。
ここでのポイントは、”ベンチに戻るのが容易”ということです。
毒はベンチに戻ると回復します。そのため、”ベンチに戻るのが容易”な「ピカチュウex」は、毒ダメージを蓄積しづらく、苦手とする要因になっていると考察します。
先に苦手となる原因を話しましたが、次の話は「マタドガス×ペンドラー」デッキにとっては、朗報かもしれません。こちらをご覧ください。
表4-2から分かるように、「サンダーex」の採用枚数が減ると、「マタドガス×ペンドラー」の勝率が上昇しているのが分かると思います。
現在、「ピカチュウex」デッキは高速化しており、「サンダーex」0枚採用のデッキリストが大会で結果を残し始めています。
そのため、「サンダーex」の採用枚数が減少する流れとなっています。これは、「マタドガス×ペンドラー」デッキにとっては、大きな追い風となるのではないでしょうか。
対:セレビィexデッキ
「セレビィex」は、環境序盤には注目されたものの、注目度の割にはシェア率がそこまで伸びませんでした。とはいえ、デッキパワーは非常に高く、環境への適応次第では、シェア率が伸びてくるデッキだと考えています。
ということで、「セレビィex」デッキに対する勝率はこちら。
結果は、”微不利”。正直、結果を見て一番驚いたのはここでした。なぜなら、「ペンドラー」のわざで「セレビィex」を一撃で倒す(毒ダメ込み)ことができるからです。
”微不利”となった理由としては、「エリカ」の存在が大きいと考えています。前述のとおり、「ペンドラー」で「セレビィex」を一撃で倒せるものの、常に毒状態での「ベノムショック」が決まるわけではありません。
毒ダメージでじわじわと攻めたい。そんな時に「エリカ」で回復されると、こちらの戦術が機能しづらくなります。これが、”微不利”の原因ではないでしょうか。
さらに、「エリカ」の回復が「マタドガス×ペンドラー」を苦しめる要因だと考えられる理由として、こちらをご覧ください。
「マタドガス×ペンドラー」と「きずぐすり」の採用枚数ごとの勝率について表にまとめました。「きずぐすり」の採用枚数が多いほど、「マタドガス×ペンドラー」の勝率が下がっていることが分かります。
HPを20回復する「きずぐすり」でさえ、採用と不採用で勝率が5%以上変わっているわけですから、HP50も回復する「エリカ」には、さらに苦しめられるのは、明らかではないでしょうか。
5.まとめ
本記事のデータを踏まえると、現時点での「マタドガス×ペンドラー」の評価はこのようになります。
「ミュウツーex」には非常に強いが、「ミュウツーex」デッキ以外には、不利となる。全デッキへの勝率は、50%を割り込む。
ただ、これからも環境に君臨するであろう「ミュウツーex」に対して非常に強いという点は、有利に働くと思います。さらに、「ピカチュウex」の高速化など追い風となる要素もあります。
今後の課題としては、「ミュウツーex」以外のデッキにいかに対応していくかということです。「ナツメ」”2枚採用”など工夫次第で、勝率を上げられると私は考えています。
今後もまだまだ伸びしろのある「マタドガス×ペンドラー」デッキに注目していきたいと思います。
ということで、本記事は以上となります。皆様からのご意見・コメントも募集しております。この記事が少しでも皆さんのお役に立てたら光栄です。ここまでご覧いただき、ありがとうございました。