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脱・汚部屋したADHDから、片付けられないあなたへ捧げる『考えない片付け』術

この記事を書いている私は、ADHD(注意欠陥多動性障害)です。ADHDの代名詞といえば「片付けられない人」といわれるぐらい、一般的にADHD特性を持つ人間は整理整頓と片付けが苦手な人が多いイメージがあるのではないでしょうか?

実際、かつての私も例に漏れず、片付けが苦手な人でした。ですが、いまの私は片付けられる人です。以前は、部屋の床など全くみえず、ゴミは散らばり、押入れのなかは天井近くまでぐちゃぐちゃに物が詰め込まれ、油断をすれば雪崩を起こすような部屋で暮らしていた私が、スッキリ部屋で生活できるようになった方法と考え方を、ちょっとだけ文章化してみることにしました。

ちょっとだけと言いつつ、結構長めの文章ですが、最後まで読めば、いますぐ部屋の片付けをはじめてみたくなるかもしれません。

①なぜADHDは片付けができないのか

質問.ADHDはなぜ片付けができないのでしょうか?
答え.なぜならそれがADHDだからです!

…なんていうのは、答えになっていませんよね。でも実際、そこで立ち止まってしまっている人は多いのではないでしょうか。

これはADHDの私が自己分析でたどり着いた、ADHDが片付けができない理由だと感じているものです。(私と同じADHDの診断を持っていても、個人差はあります。一例および一面として受け止めていただけると幸いです。)

激しく飛びまわるたくさんの情報が、イス取りゲームをする脳内

ADHDである私の頭の中には常にたくさんの情報が混在し、それぞれが鮮やかに激しく飛び交っています。そして、その隙間には処理をしきれない情報がノイズのように雑音として渦巻いています。

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ADHD特性を強く持つタイプが、注意力散漫で忘れっぽく衝動的なのも、この脳内の大量の情報とノイズに原因があります。

人間の意識は常に何かについて考えています。思考の主役の椅子に座ることができるテーマは主にひとつしかなく、必要に応じてその椅子に座るテーマを入れ替えながら、人は生活をしています。

ADHDの私の場合、その椅子に座るテーマを自分の意志で決めることが困難です。私が何かについて考えている間も、他の情報が激しく椅子の周りを飛び回り、あっというまに主役の椅子を奪ってしまう…。もちろん、ADHDのではない人にも似た感覚を持つ人はいるでしょう。ですが、私のそれはとても激しく、私の意思やスケジュールを頻繁に無視するのです。椅子に座るテーマが変わるたび、私はそれらに強く反応せずにはいられません。それが散漫な注意力や忘れっぽさ、多動衝動として表れます。

判断を先延ばしにすることで、脳の疲労を回避している

ADHDの特性のひとつに先延ばし癖というのがあります。いつまでたってもやるべきことにグズグズと取り掛かろうとせず、普段の衝動的な行動とは裏腹に、何かを決めるべき時になかなか決断しようとしない…。

人生は判断と決定の連続です。どんな行動をするときも、人は五感を刺激する膨大な情報の中から必要なものだけを取捨選択し、判断と決定をしています。

ADHDのように大量の情報とノイズが脳内を駆け巡っている場合、五感を刺激する膨大な情報の中から必要なデータだけをピックアップする作業は、かなりの労力を伴います。考えようとしても、脳内を飛び回るノイズのような情報が邪魔になってなかなか思考が整理できないからです。ADHD特性を持つものにとって、これはとても脳の疲れる行為であるため、ついつい先延ばしにしてしまうのです。

一瞬で大量の判断を求められる「片付け」という行為

片付けや整理整頓というのは、日常生活の中でも特に判断と決定の連続行為を伴うものです。いつ片付けるのか、どこに置くのか、まだ使うのか…近い未来の予定も含め、たくさんの情報を使って、一瞬で決定しなくてはいけません。

しかも、雑然とした部屋を一気に片付けようとすれば、これを休みなく繰り返さなくてはいけない。混線した脳内で情報整理に苦労しているADHDにとって、これはとてつもなく疲れることです。

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私自身も実際、脳内でこのようなたくさんの処理を必要とする場面では、あっという間に頭がずっしり重く感じ、めまいが始まります。それでも必死に考えるのですが、その間に話しかけられると余計に混乱してしまい、ひどくイライラして苦しく感じます。ADHDが片付けの途中で作業を放棄しがちなのも、このような脳内ノイズと混線による苦しさやストレスが背景にあるのです。(※投薬によって、この脳内ノイズがマシになる場合もありますが、効果は人によります。)

これから説明する『考えない片付け』は、思考する手間を極力省略することでこれらの苦しさをできるだけ緩和して、ストレスを減らした片付けの方法です。

②『考えない片付け』が向いている人のタイプ

・部屋に物が溢れて床が見えない
・なんでも先延ばしにする癖がある
・片付けの途中で他のことに気をとられてしまう
・物を捨てるのが苦手
・とにかくズボラで怠惰
・難しいことはよくわからない(この場合は一気に⑦まで飛ばしてもOK)

『考えないお片付け』は、上記のタイプの方に向けた、徹底的に手間と労力と思考の余地を削った片付けテクニックです。「ここまでしないといけないもの?」と思う方は、きっと、この片付け術が必要のない方でしょう。この記事の内容を実践する必要はありません。

でももしあなたの人生に少しの余裕があるのなら、世の中にはこれが必要な人も存在するのだということを、頭の隅に置いていただけると嬉しいなぁと思います。

③自分の苦手を把握しよう

片付けの出来ない人は、整理整頓や片付けという作業の中で具体的に『なに』が出来ないのでしょうか?まずは、私が思いついた『片付け下手あるある』をいくつか上げてみます。

・元に戻すのを先延ばしにしてしまう。
・自分がそれを使ったことを忘れてしまう。
・またすぐに使うつもりで、そのまま忘れてしまった。
・どこかに置いて、そのまま見失った。
・捨てるかどうかを、迷って決められない。
・視界から消えると記憶からも消えるので、片付けるのが怖い。
・物が多すぎて自分が管理できる量を超えている。
・きれいな部屋で生活をした事がない為、片付けるメリットがわからない。

他にも個人によって様々な事情があるでしょう。

こういう自分の『苦手』や『出来ない自分』を、情けなく思っている人もいるかもしれません。子どもの頃から、だらしがない奴と言われた経験をしている人も少なくないのではないでしょうか。

『なぜADHDは片付けができないのか』で説明したように、脳の特性で、どうしても片付けが難しい場合もあります。出来ないものは出来ない。それがあなたで、それが私です。自分を責めても情けなく思っても、一切解決はしません。怒られても否定されても、意味はないんです。だからね、もうこれ、開き直ってしまおうじゃありませんか。

苦手なことは開き直って、それが自分だと認めた上で、出来ない自分がどうやったら出来るようになれるのか、発想を切り替える。自分を責めるのではなく、できるための手段を整えるのが解決への一番の近道です。

私の脳は、いまでも情報整理が苦手で、なんでもすぐに部屋の中で見失ってしまうままですが、でも大丈夫。片付けはできるようになりました。

ここからは、私が汚部屋脱出してきれいな部屋をキープし続けている考え方をまとめた、実際に今日からできる『考えないお片付け』実践編です。

④印刷して使える!捨てるためのお役立ちツール

スッキリした部屋を実現するためには、収納を整える前にまずは不用品を徹底的に処分しなければいけません。とにかく物を捨てる時に重要なポイントは、「考えないこと」。これを簡単に実現するための印刷して使えるツールを3つ用意しました。

 STEP.1『迷ったときの取捨選択判断シート

人は物を捨てるとき、判断することから逃れることは出来ません。しかし、
脳内にノイズと混線を抱えているADHDな私にとって、ひとつずつ考えて判断することはとても労力がいることです。片付けの最中、物を手に取るたびに、それがまだ使えるものなのか、捨てていいのかだめなのか…判断することがとにかく苦しくて、すぐに疲れてしまいます。

だから、私は負担を減らすために、捨てるための徹底したルールを自分に課しています。1つ目は、それをまとめた『迷ったときの取捨選択判断シート』です。これからは手に持った物の処分に迷ったらこのシートを見るだけ。慣れてしまえば、すぐにシート無しでリズミカルに物を捨てることができるようになります。ぜひ印刷して使ってみてください。

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STEP.2『ゴミ分別 判断シート』

次に、捨てられない人の捨てられない理由の大きなひとつ。ごみの分別が苦手で起こる「これは何ゴミだ…?」問題。

それを解決するためのツールが、2つ目の『ゴミ分別 判断シート』です。捨てようと思ったものが何ゴミかわからなくなったら、この質問に答えるだけで解決できる便利ツール。しかも、ゴミの日を忘れがちなうっかりさんのために、ゴミ出しの日を記入できる欄も作っておきました。ゴミ捨て方法は自治体によって違うので、印刷後にカスタマイズして使ってくださいね。

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【使い方】
このシートを印刷したら、自分の自治体のゴミ回収ルールに従って空欄を記入します。ググってもよくわからなければ、自治体のゴミ回収窓口に連絡して聞いてみましょう。多くの自治体では、ちゃんと答えを用意してくれています。記入が終わったら目につくところに貼りましょう。

STEP.3 デモデモダッテになった時に使える『迷ったときのゴミ箱inへの道』

捨てられない人がやってしまいがちな、置いておくための言い訳…。わかる、わかるよ、気持ちはわかる。そこで3つ目は、そんな人の背中をゴミ箱に向けて猛プッシュするQ&Aを用意しました。片付けの途中で捨てるかどうかの判断に迷ったとき、「とりあえず置いておこうか…?」と思ったときはこれを見て、豪快にゴミ箱に投げ込みましょう。

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特に、物を捨てられない人がハマりがちなのが「あとでメ○カリに出そう」と「誰かにあげよう」です。メ○カリに出すという作業も、誰かにあげる作業も、いくらで?誰に?いつ?どうやって?…判断と決定を大量に上乗せする行為です。一番我々タイプが苦手なことではないですか。

まだ使えるのにもったいない…そんなセリフもよく聞きます。ですが、ADHDのように脳内リソースが小さく限りのあるタイプにとって、本当にもったいないのは、不要な判断を上乗せして、その少ない脳内のリソースを消費してしまう事です。さあ、捨ててしまえ

④-2 コレクションアイテムについての考え方(追記

※2020年1月8日追記

記事の公開後「趣味のアイテムは?コレクションは捨てられないしどうすれば?」という声をDM等で複数頂いたので、私のコレクションアイテムに関する考え方を。

コレクションアイテムは、自分が心から愛したものですし、自分自身を形作っているものなので、処分の判断は一番最後に回します。私も今はお休み中の過去のコレクション(ブライスとかリカちゃんとか食玩とか)は大切に保存してありますし、進行形の推しアイテム(ガチャとかガチャとかガチャとか)はせっせと集めています。家族のコレクションも同様です。

しかし、どんな趣味に対しても個人のお財布事情で予算の限界があるように、どんなに好きなものでも、自分の持つスペースや管理能力のキャパによって必ず収集量に限界はきます。そこで、私は趣味のものに対しても、手元に置く上限を決めています。具体的には

・過去のコレクション → ダンボール1箱程度に厳選して収納の奥底に
・アルバムや思い出の品 → ダンボール1箱程度に厳選して収納の奥底に
・進行形のコレクション → 手の届く場所に日常の生活や片付けの負担にならない範囲で

こんな感じ。ただ、これは我が家のスペースと私の管理能力の限界量がこの程度というだけなので、趣味の内容や個人の環境によって上限の差はいくらでもあると思います。判断のポイントは、2つ。

・自分が隅から隅まで手をかけられると思える量であるかどうか。
・生活の負担になっていないかどうか。

かつて、どんなに好きで手に入れたものでも、雑然と積んで見向きもしなくなってしまったものは、日常生活の負担になっているかもしれません。生活が苦しければ、いまの推しにも全力で向きあえないですし。

好きなものを無理に手放す必要はないけど、好きなものを集めすぎて自分自身を苦しくしてしまっているのなら、そのときはちょっと、量とか置き場所とか集め方とか…付き合い方の見直しをするタイミングではないでしょうか?(苦しくないなら大事にしようぜ👍)

※2020年1月8日追記ここまで

⑤短期記憶が弱い人のための集中ゴミ捨てシステム

ADHDに多いのが、短期記憶が極端に弱いタイプです。一瞬にして記憶が吹き飛び「なにしようとしてたんだっけ?」が発生し、そのたびに思い出すための労力を必要とします。

そんな人がお片付けをするとき、分別に合わせてゴミ袋が複数あると、それだけで混乱して疲れてしまいます。それを防ぐため、ひと目見て解決する集中ゴミ捨てシステムを最初に作ってしまいましょう。

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ポイントは、とにかく見えるように、大きく目立つラベルを書くこと。判断に迷ったときのシート各種も壁に貼って置けば、どこに置いたかわからなくなって、いちいち探し回らなくて済みます。

また、汚部屋脱出を誰かに手伝って貰う場合や家族で大掃除に取り組むときも、これを作っておくことで確認する手間が減るため、作業効率が一気にあがります。

短期記憶が弱く、記憶や思考が飛びやすい人間にとって効果的なのは視覚で情報をいつでも見られるようにしておくこと。ルールを掲示し、ゴミ箱に大きくラベルを書くことは、脳の負担をかなり減らしてくれるのです。

こうして、不要なものを徹底的に捨てたら、次は継続して片付けのしやすい部屋づくりを目指します。

⑥目指せ!極めろ!手抜きの片付け

「楽をすることばかり考えるな」「手を抜くことを考えるな」と、子どもの頃に注意された経験はないでしょうか?私は、あれを正しい教えだとは思っていません。

徹底的に楽を目指すことを効率化といいます。生活に必要な繰り返しの作業である整理整頓や片付けを徹底的に楽にして効率化することは、脳内にも時間にも余裕をもたらしてくれます。余裕があれば好きなことを考え、楽しむ事ができる。そんなゆとりのある人生は、なにものにも代えがたい尊いものではないでしょうか。

日常の家事や生活の中での苦労ほど、不必要で無駄なものはないと思います。時々、楽をすることに後ろめたさを感じる人がいますが、それはもうやめてしまいませんか?

人類は楽をするために道具を発明し進化してきた生き物です。だれよりもズボラで怠惰な特性をもつのであれば、それを実現するために全力を尽くす。まさに人類の進化の王道です。自信を持って楽をする事を目指し、手抜きの道を極め生活の効率化をはかろうではありませんか。

其の一、考えずに暮らせる部屋を目指す

おしゃれインテリアの定番である隠す収納は、短期記憶の弱いADHDとは根本的にとてつもなく相性が悪いです。なぜなら、短期記憶が弱いタイプにとって、視界から消えることは記憶からも消えることを意味するからです。

かといって、全てを出しっぱなしにしておけば、あっという間にものに埋もれて、これまた必要なものを見つけにくくなってしまいます。隠しつつ見える化の工夫が必要です。

これは、我が家の子供部屋の洋服の収納です。
大きなラベルを使用し、個人で色分けし(濃いピンク=長女,薄いピンク=次女,緑=共用)、さらにはっきりした文字とイラストで視認性を高めています。

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重要なポイントは、ラベルはできるだけ大きなものを使用すること。フォントや文字は太く強く書いてしまうこと。小さなラベルや細いフォントは簡単にオシャレに見え、百均等の小物でも流行りのデザインではありますが、小さく目立たなくするほど認識するのに労力がかかり脳に負担をかけるからです。

置き場所にも大きなラベルを徹底的に。引き出しだけでなく、棚にもラベルを付けておきます。

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こうすることで、どこに何を片付けるのか、迷うことがなくなります。一瞬でも「どっちに何を置くんだったっけ…?」などと記憶を辿ったり、考えたりしなくていいのです。

ラベルの制作と貼り付けについては、それぞれ以下をおすすめしておきます。どちらも我が家では常にストックしてあるアイテムです。

印刷が難しい場合は、太いペンでハッキリと書いてしまいましょう。

視界から消えると記憶からも消えるタイプにとって、一番怖いのは緊急性の高い手続きを忘れてしまうこと。振込用紙や子どもの学校への提出プリント、返信が必要な書類等は、目に付く場所に専用エリアを作ります。

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専用エリアといっても、これはとにかく邪魔になる場所に置くのがポイント。早く片付けたくなる上に、視界に常に入るので忘れにくくなります。

私の場合はPCの上がだいたい定位置。それでもついつい、ちょいっと横に置くことを繰り返し先延ばしにしてしまうのですが、たくさん積み上がるにつれて危機感も増していき、最後は渋々でも確認する習慣になっています。

其の二、完了までの手数を減らせ

生活の中で些細な手間を惜しみがちなADHDが快適に生活するために必要なのは、見た目のきれいな収納ではなく、手間のかからない収納です。

まず、手間のかからない楽な収納を目指す場合、相性の悪い片付けの例。

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引き出し内を細かく仕切り、ペンの種類ごとに向きを揃えて並べられており、美しい収納です。

ですが、ここに物を片付ける場合、①引き出しをしっかり開ける。②片付けるエリアを認識する。③そこに向きを揃えて収める。という段階が必要で、この片付けを続けるには、かなりの労力と脳への負担がかかります。

これは、徹底的に楽な片付けを目指す我が家のカラーペンの片付け方。

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パッと見はきれいな収納ではありませんが、これなら、引き出しをほんの少しずらすだけで、よく見なくても隙間から物をねじ込むことが出来ます。

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探すときはいちいちかき混ぜて探さなくてはいけませんが、片付けが苦手なタイプにとって負担が大きいのは、探す手間より片付ける手間です。なぜなら探しているときは、すなわちそれを必要としているということなので意識をそのアイテムに集中しやすいのですが、片付けるときはもうそのアイテムは自分にとって必要がないものであるため、意識が他に向きやすくなってしまうからです。

収納スペースを割り振るときは、必ず 「探す手間>片付ける手間」の形になるように意識する事が、楽な収納を実現するコツなのです。

さらに、もとから隙間のある引き出しを使ってしまえば、収納時に引き出しをずらす手間すら省略できます。これは我が家の脱衣洗面所に設置してあるIKEAのトロファスト。引き出しの間に隙間があるのが特徴です。

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大量のアイテムが雑然と投げ込まれていますが、底が広く浅いので、かき混ぜて簡単に探すことが出来ます。

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棚にもキッチリ物を詰めてはいけません。隙間だらけのスカスカを維持してください。これも片付けを楽にする大切なルールのひとつです。毎回パズルのように狭い隙間に物を押し込むのは、とても労力がかかります。ひとつのスペースにひとつの種類。極力これを徹底します。

とはいえ、スペースに限りがあるのも現実です。場所の確保が難しい場合は、使用頻度の高いものほど、出しやすくゆとりのある専用スペースを設けるようにすると、日常の片付けが楽になるので、意識してみるといいかもしれません。

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収納家具を新調したり、収納するものを変える場合も、そこに入るかどうかだけではなく、中にしまうアイテムの使用頻度と探し方片付け方を重視して収納スペースの余裕のもたせ方を決めるといいと思います。

其の三、困ったときのスペースを作っておく

どこに片付けていいか困った時に投げ込めるゾーンも設定しておきます。
部屋を片付けた後で再び散らかる大きな理由のひとつが、片付け場所に迷うNEWアイテムの出現。どれだけ考えない部屋を目指しても、必ず発生してしまう「考える」行為です。

どこに片付けていいか困ったあげく、隙間に無理やり詰め込んだり、そのへんの床に放置することは一番避けたい。だから、はじめから適当に突っ込むためのスペースを確保するのです。

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ここから物が溢れてきたら、片付けのタイミングです。不要なものは処分し、必要なものは正式な置き場を決めます。このときだけは、収納のルール(其の一、其の二)を守り考える行為をします。いつまでも置き場が決まらないアイテムは自分にとってそれほど必要なアイテムではないのかもしれません。考えるのがめんどくさくなったときがゴミ箱inへのタイミングです。新しいものでも、思い切って処分してしまう勇気を持つのも効果的です。

其の四、自分の限界量を見極めよう

実は、雑然と物に溢れる生活をしている人ほど、ミニマリスト的な生活に向いているって知っていますか?なぜなら、普段からごちゃごちゃした部屋で必要なものが見つからない状態をサバイブしているので、物のない状態で生活していることにも耐性ができているのです。だから、そういう人ほど捨てるかどうか迷ったときも、思い切って捨ててしまっても大丈夫。自分の鍛えられたスキルに自信を持ちましょう。

ここまでの捨てるテクニックと、楽をするための片付けテクニックを繰り返しているうちに、部屋の中のものはどんどん減っていっているはず。物を持たない生活をしばらく維持できたら、今度はそこから少しずつ物を増やす。そして片付かなくなってきたらそこが自分の維持管理の限界量。その部屋の収納力だけでなく、自分の脳のキャパシティも把握できるでしょう。それ以上は増やさない&定期的に捨てる事を繰り返すのです。

ここまでの手抜き片付けルールも、1枚のシートにまとめておきました。よかったら印刷して、収納を見直す時などに使ってくださいませ。

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⑦さあ、片付けの旅へ

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。文中に出てきたお役立ちシート5つをPDFにしておきました。このファイルを印刷すれば、もうこの記事を見なくても片付けがスタートできるようにしてあります。さあ、その手の中のスマホやマウスを置いて、お片付けの旅にでかけてください。

↓※冒頭から一気にここに飛んできた人もこのファイルを印刷すればOK

そして最後に、ひとつだけ忠告を。
お片付けの最中、この記事を見にきてはいけません。だってそのままネットの海に飛び込みたくなってしまうでしょう?

もし、あなたのお片付けがうまく行ったら、そのときはちょっと覗きに来てここにコメントでもメッセージでもツイッター(@itacchiku)にリプライでも気軽にくださいませ。全力で拍手を贈りまーす!٩(ˊᗜˋ*)و✧*。

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なちゅ。
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