【ルームシェア】喧嘩してると思って仲裁してくる【揉め事】
2023/04/03
君は喧嘩が嫌いだ。
喧嘩になるぐらいならと自分の気持ちを押し殺して、
誰にもバレないように泣いていた。
優しい人なんだなって
あの頃の稚拙な僕は君のことを
そんな風にしかわかってあげられなかった。
春の風が心地よく感じるように
その季節の趣を捉えた気になっていただけで
その心地よい風に靡かれて散っていく桜に気が付かなかったのだ。
人も花も、綺麗に咲いていられる時間には期限がある。
だから初めて君が泣いたとき
初めて君が怒ったとき
君の苦手な喧嘩をしてでも
君の気持ちを知って
僕の思いを伝えなければならかったのに
君の優しさを優しさという言葉だけで片付けてかまけていた僕には
君と喧嘩をすることさえも許されなかったのだ。
出来れば綺麗なその色を眺めていたかった。
出来ればこの美しく心地よい時間が一生続けばいいと思っていた。
でもどれだけ綺麗に優艶に咲いているように見えたとしても
君は花ではなく僕と同じ人だった。
下から見上げるのでは無く。
隣で歩く必要があったのだ。
綺麗な花はそこにとどまり人が集まるが
綺麗な人は一緒に前に進む必要があった。
そんな簡単なことさえも何もわからない僕では
例えブルーシートを持っていたとしても
場所取りさえもろくに出来ずに
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