プログラマは何歳までできる仕事か
ITサポーターTsuchidaの土田です。ここのところ経歴を書いていましたが、ITの仕事を始めて35年経ってみてプログラマって何歳までできる仕事なのかを考えてみました。
私がITの仕事をしだしたときに最もよく使われていたプログラム言語はCOBOLでした。ただCOBOLは共通でも、コンピュータメーカごとに開発環境や操作が違うので、機種が変わるとスキルが生かせない面がありました。当時からプログラマは40歳までが現役で、だんだん時代に取り残されていくというのが暗黙の了解でした。
WindowsやUNIXなどのオープンシステムの登場で、オープン化が進むとCOBOLの古いプログラム言語のプログラマは徐々に淘汰されてゆきました。ちょうど昭和の頃の第一線で活躍していた人が40歳くらいになった頃です。幸い私はプログラマからシステム運用管理へ仕事の分野が変わったので、ITの仕事に関わり続けています。
ではプログラマは何歳までできるのかというと、特定のプログラム言語に狭く深くやっている人は、時代の変化により若くして第一線を退くことになります。狭く深くよりは広く浅くやっていた方が息が長くなります。
私の経験からすると、そこそこのプログラムが組めてユーザときちんと話ができれば50歳過ぎてもプログラムの仕事ができます。実際に第一線ではないけれど、58歳の今でもプログラム開発はできるのです。どうしてかというと、今の企業って業務システムは大体導入されていて、新たに大きなプロジェクトってそんなにないんです。でも逆に既存のシステムやシステムとシステムのつなぎでは細かなニーズはあるのです。細かなニーズを拾い上げればそのニーズをプログラムとして形にすればプログラマとしてやっていけるんだと思いました。
ユーザと話ができるというのはある程度業務を知っている必要がありますし、ユーザがどういう作業をしているかを知る必要があります。Excelなどの知識もユーザ以上の知識を持っている必要もあります。求められるのはプログラミングができるITコンサルなのかもしれません。
日本は世界最先端のアプリ開発をしているわけではないので、第一線のプログラマの活躍の場が少ないのです。逆に隙間を埋めるプログラマのニーズはあるのです。
私が若い頃から言われていたことがあって、それはそのうちにコンピュータ自身がプログラミングをするからプログラマが不要になるという説でした。私もそのうちにそういう時代になると思ったのですが、ところがいつになってもプログラマが不要になることはなくて、実情はプログラマ不足なのです。いまだにAIがプログラミングをしてくれると信じている人がいるのです。
AIにプログラミングは可能かいうと、プログラミング自体は可能です。ただしAIの作るプログラムは最新のものではなく、少し時代遅れというか古臭いものになります。プログラミングを支援するライブラリって最新のものが追加されてゆきます。最新のものをAIでプログラミングするには対応に時間がかかるのです。AIにやらせるくらいならプログラマがやった方が手っ取り早いのです。しかもAIの作ったプログラムソースはわかりづらい記述なので、ソースでのメンテナンスが難しいのです。
プログラマは何歳までできるかという最初のテーマに戻りますが、第一線のプログラマは40歳なのかなという気がします。第一線ではなくユーザに近い存在で隙間を埋めるのであればプログラマなら還暦すぎてもできるのです。どの立場でプログラマでいるのかによって可能な年齢って変わるというのが私なりの結論です。