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海にまつわるエトセトラ#2「ザトウクジラ②:ブリーチング」
ザトウクジラが見せる行動の一つ、ブリーチング。
大きな体を水面上に飛び上がらせる様子は、何度見ても、すごい迫力です。
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さて。
ザトウクジラは、なぜ、ブリーチングをするのでしょうか。
これまで、
・体についた寄生虫を落とす
・威嚇
・遊び
などが考えられてきました。
そしてついに、クジラが空中に飛び出す理由が解明されたとのこと。
学術誌『Marine Mammal Science』に掲載された研究結果によると、ザトウクジラの群れが遠く離れている場合(少なくとも4,000メートル(2.5マイル)では、ブリーチングがはるかに多く、群れが分かれたり集まったりすることで、ヒレや尾を叩く頻度が高くなる。著者らは、これらのパターンは、ブリーチングとスラップが長距離と近距離の両方のコミュニケーションに役割を果たしていることを示唆していると述べている。
ザトウクジラは、仲間とのコミュニケーションに「音」を使います。
「ソング」は有名ですが、
「水面を叩く音」でも同じようにコミュニケーションしていたとは…!
そういえば、
繁殖海域でザトウクジラをウォッチングしていると
遠くで一度だけブリーチングするクジラを、よく見かけます。
そんな一回だけのブリーチングを
「あいさつブリーチ」なんて勝手に呼んでいたけれど、
本当に「あいさつ」だったのかも!
ブリーチングは、
凪の海よりも、荒れた海の方が、よく見られる気がしていますが
それも、波の音とかが関係しているのかも?
ザトウクジラに限らず、
野生の、特に海に生息している野生生物の生態は、
ほとんど分かっていません。
それでも、学び、想像し、
彼らの自然の中での営みを邪魔することのないよう
敬意を持って、観察していきたいな。