ペーパーレス/脱Excelは、とっても根が深い問題だと思う
自分が見てきた中でもペーパーレスや脱Excelが進まない背景が色々あったので、誰かの足しになればと思って書き散らす。
1. 会社をまたぐと、データが紙になってしまう
端的には、宅急便の送り状であったり納品書であったり。請求書の郵送もそうですね。発注書であったり、公共機関に出す申請書的なやつもそう。契約書も紙でやるところもある。
他社との情報のやり取りを行うのに、データが紙になるという。
特に話を聞くと多いのがFaxで書かれた発注書の間違い確認。品番がない、価格が違う、完売したものを発注するなど。こーゆー細かな確認がミルフィーユのように積み重なっていくと、どんどん時間が溶けてしまう。
2. Excelを使いこなせる人材がいない
Excelをデータベースとしてきちんと使うって、なかなか難しい。データベースというコンセプトが頭の中にインストールできるノンプログラマーは、そうそういない。限られている印象があります。
これがインストールされないと、kintoneでも FileMakerでも、その他のローコードツールでも使いこなす、少なくともポテンシャルを引き出すことは困難です。
でも、データベースというコンセプトをインストールする意味を知らない人に言語化して伝えるのがすごく難しいと感じる。
3. Excelの"自由度"が強すぎる
自由度は2つあって、1つはフリーフォーマットでどんな書類も作ることができること、もう1つは関数・マクロなどでビジネスロジックが実装できることを指しています。
前者のフリーフォーマットでいくと、Excelで社内申請を回すケース。申請内容によって、フォーマットや承認経路が変わることが多い。しかも、微妙な差なんだよね。
Boxで申請書Excel共有して稟議出す人が項目埋めて、チャットでメンションして確認を回す会社を見たことがある。頭いいなと思った。充分だもんね。アクセス権はBOXで制御できるしさ。
バカ正直に申請ごとに画面作ってWebシステム化して回したところで、目に見える効果が得られる気があまりしない。
重要なのは決裁者・及び経理が一元的に管理できることで、画面分けてテーブルが分かれてしまうとしわ寄せが来てしまうと思います。
Excelのビジネスロジック的な話で言えば、管理会計や予算管理。部門別のPL作りたいですみたいな話で、配賦が絡むとめんどい。それ自体は単純なロジックの組み合わせかもしれないが、連鎖的に絡みあうのでExcelでやると数字の確認が大変。
集計対象の元データのシートがあって、そこから検算するシートに飛び、検算した数値がベタ打ちされてて、それがVLOOKUPからのSUMIFみたいなやつ、見たことある。そら、辛い。
単なる縦計ならkintoneでいけるかもだけど、予実に経費が入ったり配賦が絡むと、カスタマイズが必須という認識。krewシリーズですか?そこでなんとかするイメージです。使ったことはありません。
4. 必要なデータが取得できないので脳内で組み立てる為にExcelや紙を使う
これも2つあって。ハード面とソフト面がある。
ハード面はすごい単純で、社内LANに鎮座する●●販売みたいなシステムをスマホから見れないですよね、みたいな話。
ソフト面は、利用している業務システムと業務で必要なデータにズレがある場合。取置の管理がそれだった。Aという商品を200注文して、今週100個、来週100個、各々5店舗に配送するみたいなやつ。以外と対応してるシステムは少ない。組んだことあるのでわかる。
この辺も考えると結構ややこしく、それができる業務システムにないので、注文を管理しているヌシが全部まとめて管理してる現場があった。システム化できない(手を入れて変えられない)から、自由に使えるExcelや紙で管理せざるを得ない。
ほな、どうしましょ
ペーパーレスを阻害する仕事(作業)を廃止出来たらいいんだけど、必然性のない作業がわんさかある組織なんてないと思います。多かれ少なかれ意味があってやってるはずで。
やらざるを得ない作業を、ミスがどうしても起こりやすい環境や道具でやらざるを得ないから、作業負荷が高まる。
ヒトが創意工夫をして頑張ると言えば聞こえは良いが、バッドノウハウを溜め込んでも負債になるわけで。
高まった作業負荷の中でミスを防ぐために人力を強化するのは、タコが自分の足を食べるのと同じ。キリがないし、悪手であることは間違いなかろう。
やらざるを得ない作業をリノベして、ルール化して、ソフトウェアで均一にすることが、なかなか難しいのよね〜。
ほな、みなさん頑張って!