
AI検索エンジン選手権!Perplexity vs Felo vs ChatGPT search + Googleの逆襲⁈
1 AI検索エンジンの登場
皆様は、日々の情報収集でどのような検索ツールをお使いでしょうか?
これまで「検索=Google」が当たり前でした。
しかし近年、AI検索エンジンの台頭によって、この「当たり前」が崩れようとしています。
本記事では、AI検索エンジンと従来のGoogle検索との違い、そのメリット・デメリット、さらには私が独断と偏見で実施した「AI検索ツール勝手に選手権」の結果をお伝えします。
ITや法律の専門知識がなくても理解できるよう、具体的な例を交えながらわかりやすく解説していきます。
2 AI検索エンジンとは何か?
AI検索エンジンは、キーワード入力だけでなく、人間が自然に質問するような形で情報収集できる次世代の検索ツールです。
「カスタマーハラスメント対策をまとめてほしい」といった、抽象的で複雑な依頼にも、関連情報を整理して、スピーディーかつ簡潔な回答を示します。
単にWebページ一覧を並べるのではなく、要点を絞り込んで回答し、理解しやすい形で提示する点が特徴的です。
AI検索エンジンとGoogle検索の違い
これまでのGoogle検索は、質の高い検索アルゴリズムで有益なWebページを並べてくれます。
しかし、そのページを開き、読むのはユーザー自身でした。
そのため、情報整理に時間と手間がかかるのが当たり前でした。
一方、AI検索エンジンは、ユーザーが聞いた質問に対して要約や回答を直接提示してくれます。
ユーザーの質問に直接回答してくれるので、リサーチの時間短縮や理解促進に大いに役立ちます。
両者の共通目的は「欲しい情報にたどり着くこと」ですが、AI検索エンジンはその時間を劇的に短縮し、効率的な情報インプットをサポートしてくれます。
といろいろと言われても、AI検索エンジンを触った方は違いがよくわからないかもしれません。
そのような方のために、誤解を恐れずにさらに噛み砕いていうと、次のようなイメージです。
AI検索エンジンは、まるで「質問に答えてくれる賢い友達」のような存在です。たとえば、「雨の日にデートできる場所を教えて」といった質問をすると、AIがその意図を理解し、具体的な提案をしてくれます。
一方、Google検索は「雨 デート 場所」といったキーワードを入力し、関連するウェブページのリストを表示します。AI検索エンジンは情報を整理して提供するのが得意で、Googleは幅広い情報を網羅的に探すのが得意です。
どちらがより早く欲しい情報にたどり着けそうか、イメージできたのではないでしょうか。

項目ごとに違いを比較してみると、上の表のように整理できるでしょう。
3 参加選手=AI検索エンジン
さて、本noteでは、私が勝手に独断と偏見で行った「AI検索ツール勝手に選手権」の結果を紹介します。
選手権に参加したAI検索エンジンは、次の3つです。
Perplexity
Felo Pro
ChatGPT search
※Gensparkにも触れたかったのですが、使用頻度が低く評価困難のため対象外とさせていただきました。
4 機能面・コスト面
⑴ 機能・コストのまとめ記事
さて、まずは機能やコストの違いを見ていきたいと思いますが、
他にもまとめてくださっている方がいるので、そちらに譲りたいと思います。
というのも、機能やコストは、調べようと思えば情報はいくつも出てきますが、ある程度使用した上での使用感という生の情報はそれほど多くないと思いますし、このような使用感の情報の方がこれから使おうという方には重要だと思うからです(という言い訳をして、機能やコストについて説明は他の方のお力をお借りすることにします!)。
以下の記事では、表で整理されているのがわかりやすいです。
無料で読める範囲でも機能やコストの概要を理解することはできます。
ただ、せっかくですので、私の視点から、機能面で2つほど補足したいと思います。
⑵ 補足①:プロジェクト機能
1つは、Perplexityのスペース機能とFeloのトピック機能です。
これら2つの機能はできることはほとんど同じです。
・特定のテーマについてまとめておくことができる
・システムプロンプトを仕込んでおくことができる
・参照してほしいファイルをアップロードできる
・参照してほしいWebページのリンクを追加できる
これにより、情報源を絞って検索・要約等をすることができるので、ハルシネーション(もっともらしい誤情報)をできる限り減らしつつ、より効果的な回答を得ることが期待できます。
PerplexityにもFeloにもこの機能があり、上記の通り、ほとんど同じなのですが、1点違いがあります。
それはシステムプロンプトに入力できる文字数です。Perplexityの方で制限を感じたことはありませんが、Feloは本note執筆時点では100文字程度に制限されているものと思われます。
これがのちに触れる私の使い方との関係で、評価の差につながっていきます。
⑶ 補足②:AIモデルトレーニングオフ機能
もう1つは、いずれのAI検索エンジンも、AIモデルのトレーニング利用をオフにできる機能を備えているという点です。
この機能を使う(AIモデルのトレーニング利用をオフにする)ことで、
AIモデルのトレーニングに使われて自分自身にメリットはないと考えますので、オフにしておくことをお勧めします。
5 使用感
さて、いよいよ各AI検索エンジンの使用感です。
以下の前提での使用感です。
100%私の主観の使用感です。
使用頻度は「Perplexity>Felo>ChatGPT search」の順です。Perplexityに偏っていますが、Perplexityとの比較をしてどうかという意味では参考になると思います。
Perplexityは私が最初に使った検索AIエンジンですし、ほとんど毎日開くので、使用頻度が最も多くなっています。
Feloは先月から使い始めましたが、Perplexityと似ているため、Perplexityで検索する際に同じプロンプトをFeloにも入力して回答を比較するようにしています(毎回ではありませんが)。
ChatGPT searchは、たまにPerplexity、Feloに加えて、同じプロンプトを入力してみることがあります。
【Perplexity】
使用条件:ProサーチON、Claude 3.5 Sonnet使用
検索
日本語サイトも検索してくれるが、検索するサイト数は後述するFeloの方が多い。この記事執筆のためにカスハラ対策について尋ねた際には、10個のWebページを参照していた。
参照するWebサイトに公式が出しているWebページ・公的なWebページが含まれていることは少ないように感じる。
回答
Claudeが文章を生成しているせいもあるだろうが、生成される文章は概ね合格レベル。難しい質問をしたとしても、質問を分解して分析した上で、きちんと問いに答えようとしている姿勢を感じられる出力をしてくれる。踏み込んだ回答をしようという姿勢は個人的にはありがたい。
しかし、しばしば、根拠として引用されているWebページに該当する記載がないことがあるのが痛い。文章が正しいと感じられる分、根拠が怪しいとハルシネーション(もっともらしい誤情報)の可能性を疑わざるを得ず、結局別の手段で根拠の確認が必要になることがあるのが残念。
最初の点と矛盾するように感じるかもしれないが、回答が非常にシンプルな箇条書きになることがある(Claudeの傾向?)。わかりやすくまとまっていると言えばそうかもしれないが、より詳しく回答してほしいことの方が多いので、物足りなさを感じる。追加質問をすることで補うことはできるが、一手増えてしまう。
スペース機能
特定のテーマごとにスペースを作ることで、過去の質問をまとめられる。見返したいときに役立つ。
システムプロンプトを仕込むことで、ChatGPTの簡易的なGPTsのように使うことができる。現状、ChatGPT searchによるウェブ検索ができないGPTsの弱点をカバーすることができている。
ご興味ある方は以下のnoteをご参照ください。
【Felo】
使用条件:ProサーチON、Claude 3.5 Sonnet使用、ディープ推論モードは最近のアップデートに伴い使用するようになった。
検索
参照するWebサイトの数が多い。カスハラ対策の例でPerplexityが10個だったところ、Feloは40個のWebサイトを参照していた(ディープ推論モード使用)。
ディープ推論モードを使用しないときも、参照するWebサイトの数はPerplexityに比べて多い。ただし、関係がなさそう(薄そう)なWebサイトも引用しているように感じた。
ディープ推論モードを使用すると、参照するWebサイトの数が多くても、関係ありそうなWebサイトを引用しているように感じた。
日本の会社が提供しているサービスだけあるということなのか、参照するWebページに公式が出しているWebページ・公的なWebページが一応含まれているように感じる。
回答
Perplexityと同じく、Claude 3.5 Sonnetに文章生成してもらうようにしているが、回答の踏み込みが浅い、抽象的と感じることが多かった。
ディープ推論モードを使用すると、回答結果がより具体的になったように感じた。Perplexityの回答精度に迫ってきた印象を受ける。
トピック機能
Perplexityのスペース機能に相当するもの。
特定のテーマについて、過去の質問をまとめておくことができる。
しかし、Perplexityのスペース機能で書いたように、簡易的なGPTsとして使用することは、現状期待できない。システムプロンプトに組み込める文字数が100文字程度なので、非常に簡易的な指示くらいしかできない。
ただ、Feloは(も?)アップデートを頻繁に行っているので、遠からず文字数制限が改善される可能性があるのではないかと期待している。
【ChatGPT search】
使用条件:GPT-4o
検索
参照するWebサイトの数はPerplexity程度と思われる。カスハラ対策の例では12個のWebサイトを参照していた。
可能な限り、公式が出しているWebページ・公的なWebページを引用しようとしているように感じる。
回答
端的でシンプルな回答であることが多い印象。一説によると、参照先のWebサイトをユーザーに閲覧して欲しいのであえてそうしているとか。理解はできるものの、ユーザーとしては、踏み込んだ回答をしてほしい。
6 勝手に選手権の結果発表!
悩ましいと思いつつも、本note執筆時点におけるプチIT弁護士的AI検索エンジン選手権の結果は以下のとおりです。
1位:Perplexity
複雑な質問にも踏み込んだ回答をしてくれる点、スペース機能が簡易的なGPTsとして利用できる点のポイントは非常に大きいです。参照先のWebサイトの数や信頼性でいうと、見劣りする気がするものの、これを踏まえても現状は、1位にさせていただきます。2位:Felo
回答の抽象度が高い点、参照先Webサイトは多いが無関係・関係が薄いものも含まれている点で、Perplexityには及ばないと一度は結論づけていました。しかし、最近のアップデートでディープ推論モードを使用しやすくなってから、一気に評価が上がり、PerplexityかFeloか非常に悩ませてくれました。
決め手になったのは、トピック機能のシステムプロンプトの文字数制限です。この点では、Perplexityの方ができることが多く、そこに価値を見出しているので、Perplexityを抜くところまでは行きませんでした。
トピック機能の文字数制限がなくなる(長文の入力も可能となる)アップデートがなされた際には、順位が逆転し、コスト面で1,000円程度安いという点も相まって、AI検索エンジンはPerplexityを解約してFeloのみにする可能性もあり得ます。今後に期待です。3位:ChatGPT search
より信頼性の高いWebサイトを参照しようとしているように感じられた点は、ハルシネーション対策として非常に重要な点です。ただ、回答が端的・シンプルな点は、わかりやすくて良いものの、個人的には踏み込んだ回答がほしいことがしばしばあるので、今回は3位にさせていただきました。
7 Googleは…?
ということで、本noteでは、従来のGoogle検索に取って代わるであろうAI検索エンジンを扱ってきましたが、Googleは何もしないのでしょうか。
そう思っていた矢先に、本noteで取り上げたAI検索エンジンを置き去りにしてしまうかもしれない、そんな可能性を秘めたものをGoogleが発表しました。
その名も「Deep Research」です。
あなたの監督の下、Deep Research があなたに代わって大変な作業を行います。質問を入力すると、修正または承認するための複数ステップの調査プランが作成されます。承認すると、あなたに代わって Web 全体から関連情報を詳細に分析し始めます。
数分間で、Gemini は継続的に分析を洗練させ、ユーザーがウェブを閲覧するのと同じように、検索し、興味深い情報を見つけ、学習した内容に基づいて新しい検索を開始します。このプロセスを複数回繰り返し、完了すると、主要な調査結果の包括的なレポートが生成されます。このレポートは Google ドキュメントにエクスポートできます。レポートは元のソースへのリンクとともにきちんと整理されており、他の方法では見つけられなかった可能性のある関連ウェブサイトや企業、組織にアクセスできるようになっているため、簡単に深く掘り下げて詳細を知ることができます。Gemini にフォローアップの質問がある場合やレポートを洗練させたい場合は、お気軽にお問い合わせください。わずか数分で、何時間もの調査結果をすぐに利用できます。
現時点で使用するためには、「(おそらく個人版の)Gemini Advanced+言語を英語に設定すること」が必要で、私自身は使用していないのでその実力は未知数ですが、次の動画によると、どうやら凄そうです。Googleエコシステム内で完結する利便性も計り知れません。
*追記241224
どうやら2024年12月20日頃に、「Deep Research」が日本語で利用できるようになっていたようです。
しかし、やはり個人版のGemini Advancedでしか利用できなさそうです。
Gemini for Businessでも利用できるようになるのが非常に待ち遠しいです。
これが使えるようになった場合、本noteのランキングが入れ替わるだけでなく、PerplexityもFeloも解約することになってしまうかもしれません。
どんどん新しいものが出てくるので、柔軟に変化の波に乗っていきたいところです。
*本noteは生成AIの支援を受けて作成しました。