クラウドによるデータ共有のススメと注意点
1 はじめに
今回は、特に「〇〇会」のような法人格のないグループでの効率的なデータ共有について、私の経験を交えてお話しさせていただきます。
(法人格がある組織は、それぞれ自前のサーバーを用意したり、特定のクラウドサービスを利用したり、組織単位でデータ共有の方法を決めているので、一応対象外です。ただし、クラウドを利用していない組織にとっては、参考になると思います。)
2 従来のデータ共有方法の課題
これらのグループでは、多くの場合、メーリングリスト(ML)やチャットグループでの「ファイル添付」によるデータ共有をしていると思われます。
これ自体は、自前のサーバーを用意する必要がなく、その費用負担や管理の問題など、面倒な問題を回避できるので、自然とその形になっているのではないかと推測しています。
しかし、この方法には以下のような課題があります。
最新データの特定が困難:複数人で一つの文書等を完成させるとき、修正するたびに新しいデータがML上に投げられる
ファイル名の不統一による混乱:人によってファイル名の付け方が違うので、わかりにくい
個人PCでのデータ増加:MLからデータをダウンロードしなければならず、手元のファイルがごちゃつく
複数の修正版の統合作業:修正は別々のファイルになされるので、統合作業が必要
データ統合作業の負担:文字通りの作業を誰かがやらなければならない
情報セキュリティリスクの増大:ML上をファイルが飛び交う上、MLに登録されている人の手元にファイルが増殖して、守る対象が増える
「あのデータ、誰が持っていたっけ?」:データを各自が管理しており、置き場所が決まっていないため、必要なデータがすぐに見つからないことがしばしば
これらの問題は、グループメンバー全員の貴重な時間を無駄にしてしまう上、情報セキュリティの観点からも望ましくありません。
3 クラウドサービスによる解決策
これらの課題を解決する有効な方法が、クラウドサービスの活用です。
グループで利用するクラウドサービスを1つに決め、データの置き場所を統一することで、次のような利点が得られます。
データの所在が明確:必ずクラウドサービス内にある、検索もできるので探す時間も短縮できる
データの送受信が不要:リンクの共有のみ(ただし、クラウドサービス利用時の注意点も参照)
個人PCのデータ増加を抑制:1つのクラウド上のデータを見にいくので、PC内にダウンロード不要
リアルタイムの共同編集が可能:修正が複数ファイルに散らばらず、統合作業も不要
データやり取りの削減によるセキュリティ向上:データがネット上を飛びかわない、データが増えたり広まったりしないので、守る対象が増えない(ただし、クラウドサービス利用時の注意点も参照)
4 クラウドサービス選択時の注意点
ただし、クラウドサービスなら何でも良いわけではありません。
各サービスの利用規約やセキュリティを確認して、適切なサービスを選択することが必要です。
この観点からすると、クラウドサービスは、ビジネス向けのものを利用することが必要になると考えます(お勧めします)。
通常、個人向けのものとビジネス向けのものとでは、利用規約が異なっておりビジネス向けの方がより適切な内容となっているほか、ビジネス向けのものの方が設定できる範囲が広く、セキュリティ上優れているからです。
そのため、そのグループで特定のビジネス向けのクラウドサービスの契約をするのがお勧めです。
5 クラウドサービス利用時の注意点
クラウドサービス利用時の注意点はいくつかありますが、本noteでは私が最も多く(?)経験したことについてご紹介します。
それは、アクセス権限の問題です。
しばしば、リンクを共有した際に、「開けない」、「アクセス権限が必要とでた」などの問合せが入ることがあります。
この時に、面倒だからといって、「リンクを知っている人なら誰でもアクセスできる」設定にしたり、アクセス権限の申請を個別に承認してしまう人がいますが、私は避けるべきだと考えます。
「リンクを知っている人なら誰でもアクセスできる」設定にしてしまうと、文字通りリンクを知っている人なら誰でもアクセスできるので、リンクが漏れてしまうと第三者が自由にそのデータにアクセスできる状態になります。
さらに、その設定にしたデータがGoogle検索に表示される可能性を否定できないように思われます。
共有リンクの設定は、原則としてあくまでグループに所属する人のみに留めるべきだと考えます。
個別にアクセス権限を付与すると、誰にどのデータへのアクセス権限を付与したのか、管理が非常に面倒なことになります。
それに、私の経験上、多くの場合、アクセス権限の付与を求めてくるのは、申請をした人が普段使用している個人向けのアカウントです。
アクセス権限については、アクセス権限を付与されたアカウントに切り替えてアクセスしてもらうように、グループに所属する人に慣れてもらうしかないと私は考えています。
初期段階では少し手間がかかりますが、長期的には効率的かつより安全なデータ共有が実現できると考えます。
6 まとめ
クラウドサービスを活用したデータ共有には、いくつかの課題はありますが、従来のメールやチャットでのファイル共有よりも便利でより安全だと思われます。
これらの課題を克服し、クラウドによるデータ共有に移行することで、グループの生産性と情報セキュリティを向上させることができるでしょう。
ただし、クラウドにはクラウドの注意点があり、本noteで紹介した点も含め、適切な使い方を全員が身につけることが非常に重要になります。
クラウド選択・利用時の注意点には十分注意をしながら、皆様の組織やグループでも、クラウドサービスを活用した安全かつ効率的なデータ共有を検討するのは有用なことです。
新しい方法に慣れるまではいくらか時間がかかるかもしれませんが、きっと効率的かつより安全なデータ共有により、良い成果が期待できるでしょう。
*本noteは生成AIの支援を受けて作成しました。