3月17日のユーフォルビア 峨眉山
最近は週末毎に植物を探して散歩をしている。
家から浅草まで歩き、30分程電車に乗る。
到着したのは北斗の拳みたいな世界観の街(と言われる)、足立区竹ノ塚だ。
西口を出ていくつかの生花店を見て回り、西伊興という場所にある大型園芸店を目指し、続いて東に向かった。
場所によっては咲きはじめている桜なんかを眺めながら歩いていると運送会社の前を通りかかった。
休日だからか昼時だからか人の姿はない。
にも拘らず駐車場の隅、直ぐに手の届く範囲に多数の塊根植物が並べられていた。
どう見ても末端価格で数万円クラスの、恐らくはこれから配達される植物達。
こんなの簡単に盗まれるぞ。ましてやここはマッドマックス的な倫理観の街、竹ノ塚。大丈夫か。
なんてな事を思いながらも通り過ぎた。
思っているよりも平和な街なのかもしれない。
激安スーパーを覗き、更に歩く。数件目の園芸店たねなか 竹ノ塚店にそいつはいた。
ユーフォルビア蛾眉山800円。
ちなみに俺は原則3,000円以上の植物を買わない事に決めていて、なるべく値段を表記している。理由は特にない。
だから次に寄ったフローリスト中島の観葉植物の安さには心惹かれたが置く場所がないという理由で断念した。
ユーフォルビアは2,000以上の種類があるそうで、草花のようなルックのものから多肉、サボテンライクなものまで様々だ。
蛾眉山は塊根的な要素すらあり、球形がぷくぷく連なっている様がかわいいと感じられた。
いつから俺の褒めのボキャブラリーに「かわいい」が追加されたのか。少なくとも若い頃にはそういう感覚はなかった筈だ。
包んでもらった蛾眉山の小さな新芽を傷つけないよう、俺は細心の注意を払って夕方の竹ノ塚を歩いた。
片手に「かわいい」を下げながら。
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