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連作SES営業短編

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IT業界の下の方には色んな奴が蠢いていて、俺はそれをただ眺めてる。 これはその記録。 この物語はフィクションであり、実在の人物や団体等とは断じて関係ありません。まじで。
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2023年8月の記事一覧

連作SES営業短編 第十三話 ブローカー

SES営業の中には他社社員の参画案件を決めて手数料を稼ぐ専門の奴らがいる。結構いる。 ブロー…

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連作SES営業短編 第十二話 インフルエンサー

結構前の事だ。 担当エンジニアがとんで俺はそいつの自宅を訪ねた。 大井町駅から徒歩10分程の…

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連作SES営業短編 第十一話 返金保証

詐欺みたいなプログラミングスクールはごまんとあって、奴らが売るのはキラキラしたイメージだ…

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連作SES営業短編 第十話 多重下請

中小のSES企業では社長が営業を兼ねてることが多い。SESのビジネスモデルしか知らないからエン…

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連作SES営業短編 第九話 新卒入社

春が来て新卒が数人入社した。貴重な新卒カードをドブに捨てた馬鹿なガキ共。 今は研修という…

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連作SES営業短編 第八話 退職理由

最底辺の場所でも花が咲くことはある。 今回は俺の、恋に似たなにかの話。 3月最後の週、金曜…

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連作SES営業短編 第七話 経歴不問

底辺SESは学歴も職歴も不問だ。 ニートだろうが中卒だろうが問題ない。ひきこもりが職を探してるんなら俺のとこに来ればいい。 当然搾取はさせてもらうけど。 その夏は記録的猛暑が続いた。 火曜の昼下がり。待機者が居ないこともあって、社内の空気は弛んでた。 携帯が鳴る。上位会社の営業から。 俺の担当エンジニアが無断欠勤していることが告げられて優雅な午後のひと時は終わった。 いつも通り各所に確認を入れ、家にも向かったがそいつは捕まらなかった。なにしろ暑い。諦めて帰りたかったが、入