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車の国のライフハック

地方での暮らしに車は必需品だ。

私の住む愛知県では都市部であっても車は必須だ。

なんたって世界のTOYOTA(あえてアルファベット)のお膝元なのである。
車に乗らずに暮らしている人間の方が少数派。
何処へ行くにも車。

首都圏ほどの人口ではないのに高速道路を縦横無尽に走らせてしまい、地元の人間でも分岐ではどっちに行けばいいのか悩むくらいで、それなのにちょっとでもうろついたら100パー煽られる。
それが地方ナンバーだったりすると「ケッ」という扱いを受ける。
そんな車ファーストなお土地柄だ。

私が高校生だった遙か彼方昔は、高校を卒業したらほぼ全員が免許を取り、車に乗っていた。
たぶん今も免許を取る割合は高いのだと思う。

昭和の頃。
男子は車に乗ることがステータスで、なんかかっこいい車に乗っとけばモテるみたいな根拠のない説を純粋に信じていたりした。
豆腐屋みたいな走り屋とかが現実世界に存在していた時代だ。
なんかもう太古の昔みたいに思えるけれど。
(豆腐屋が分からない人はイニDでググってくれるといとをかし)

私が免許を取ったのは高校を卒業してから一年後だった。
自動車学校の費用をバイトで必死に稼ぎ、ようやくお金が貯まって車校に通い、免許が取れた時はとても嬉しかった。

私は免許がとても欲しかった。
寒くて風の強い日、アゲインストの風に自転車で立ち向かいながら、車さえあれば…と通りを行く車をうらやんでいた。

ちなみに、車校の費用が貯まるまでの一年間は原付に乗っていた。
原付は原付で便利だったのだが、夏は暑いし、寒い日は顔が切れそうになるし、ノーヘルでちょっと移動してたり、友達の自転車を牽引したりしてる時に限っておまわりさんにばったり…なんてこともあるしで、やはり車だなとしみじみした。(違う、違うぞ。なんか違うぞ)

私は車の運転に向いていたらしく、どんなに運転していても気にならず、免許取得後はあちこちへ行った。
今もまだ車の運転を続けているが、さすがに歳をとってきて面倒に思うようになってきたりもしている。
いつまで運転出来るのか。
そろそろ終わりを決めなくてはいけないなとも思っている。

幸いにも、大きな事故の経験はない。
違反を取られたことはあるが、笑い話で済む程度だ。

そんな私だが、ある意味特殊な経験は複数回味わっている。


朝起きて、自宅駐車場に停めてあった自分の車の窓ガラスが割られていた時の絶望を知っているかい?


しかも、二度だ。


当時、私は某プ○ウスに乗っていた。
白いプ○ウスだ。
これが車両窃盗団のターゲットになっていたのだ。

プ○ウスはエンジン音がしない。
その為、夜間の窃盗行為に向いている。
プ○ウスでやってきてプ○ウスを盗んで行くってわけだ。

今は改善されているだろうが、当時は運転席のドアミラー横にある三角ガラスを割ってドアを開け、盗み出すという手法が流行っていたらしく、私の車も三角ガラスが割られていた。

朝、出かけて行ったクマが青い顔で戻って来て「大変だ!」と、窓ガラスが割れていることを教えてくれた。

そうさ。
あれは忘れもしないクリスマスの朝だった。

マジかよとあわあわしながら110通報し、「事件です」なんて伝えておまわりさんに来て貰った。
交番からバイクでやって来たおまわりさんは「よかったですね!」と何故か喜んだ。

え?

いや。ガラス割られてるんですけど?と眉をひそめる私。

近隣でプ○ウス盗難が続いており、最近も近くで車ごと持って行かれたお宅があるのだと続けるおまわりさん。
(すごい底辺の争い風味満載)

そ、そっかー。

でも…まあ…確かに…そうだよね。

朝起きて車がなくなっていたショックに比べたら、窓ガラスなんてたいしたことじゃない…よね…(無理矢理納得)

え?

もしかしてサンタ?
サンタなの?

クリスマスだし車は持っていかないねー窓ガラス割るだけにしとくよー…的なプレゼント?


いらんわ。


複雑な気分でいる私に、車内からなくなっているものを確認するように言うおまわりさん。

ショックが大きすぎて確認出来ていなかったが、車内を見てみると愚かにも入れっぱなしにしていたETCカードがなくなっていた。
その為カード会社に連絡をし、カードをとめてもらい再発行の手続きもしなくてはならなかった。
(ちなみにその後、カード会社から報告があり、犯人は事件のあった日の早朝、私のカードを使って高速道路に乗っていたことが確認出来たらしい。盗まれたのが分かった時点で即連絡することをおすすめする)


車そのものがなくなってよかった…と前向きになれないまま、ディーラーに連絡を取り、営業担当に窓ガラス割られたから変えてよと頼んだ。
窓ガラスって微妙な値段で(三角のところだし)保険を使えば免責とか等級に影響するとかなんだかんだで、結局、実費で払った方がいいですよということで二万だか三万だかを払わされた。
更に盗難警報装置が物理的に切断してあり、クラクションがならなくなっていたので、その金も払った気がする。
(ショック過ぎたので記憶曖昧)

ガラスを直した後、窃盗団に狙われているとしたらまたやって来て今度こそ車ごと持って行かれてしまったら困るので、何か犯行を防げる方法はないか考えたのだが、カーポート的なものを作るのが難しい立地だ。
おまわりさんからはダミーでも防犯カメラをつけておいたらどうかと勧められたが、どうかなあと首を捻り、取り敢えず、センサーライトだけつけてみた。

元々、どんな時間帯でも人通りがそれなりにあるような立地なので、盗まれるに至らなかったのもたぶん誰かが通りかかったのだと思うし、まあ大丈夫じゃないかな…となんとなくオチをつけた二年後。


再び窓ガラスを割られた。

またしてもガラスを実費で修理したわたくし。

色々と聞き込みして「白い」プ○ウスがどうもネックなのだと考え、「赤い」プ○ウスに乗り換えた。


窃盗団って赤い車に乗ってる感じがしない。
白か黒じゃないか?
赤なら大丈夫!

そう思って意気揚々と赤い車に乗っていたところ、クマの車が被害に遭った。


今度は窓ガラスじゃない。


ナンバープレートを持って行かれたのだ。


ふふ。
そう来る?


クマは朝早くに出かけるので暗いし、ナンバープレートがなくなっているのに気づいていなかった。
窓ガラスが割られていたら気づくけど、ナンバープレートなんて確認して乗らないじゃないか。

会社に着き、仕事をしていたところ、駐車場の警備員さんから「あんたの車ナンバープレートないけど大丈夫?」と連絡があったという。
故意ではなく、ナンバープレートがないまま、会社に行ってしまったのだ。

パトカーに出会さなくてよかったね…としか言いようがない。
ナンバープレートのない車は公道を走れないのだ。

ということは?

家に帰れないわけだ。

クマは馴染みのディーラー営業担当に泣きつき、ディーラーからカーキャリー車で迎えに来て貰い、ついでにナンバープレートの再発行も頼んでいた。

この時、私はいやー大変だねー驚きだよねーナンバープレート盗られるなんてーでも窓ガラスじゃないからいいじゃんーなんて、人の不幸は蜜の味的傍観者を決め込んでいたのだが。



察しのいい皆様はお気づきでしょうな。


はっはっはっ。


やられましたよ、私も。

朝起きたらナンバープレートなかったでやんの。

テヘペロ。


犯人もバカじゃないので、連続してはやらないのだ。
忘れた頃にやって来る。
厄介なやつ。
それが泥棒。


放心しながらレッツ110番。

事故ですか事件ですか。

聞かれる前に言いますよ。

事件です。

人生で110番したことがない人の方が多いだろうに、私はもうすぐ二桁になりますよ?


まあ、毎回違うおまわりさんなんだけど、大抵、親切で親身に話を聞いてくれて豆知識をくれる。

この時の豆知識は、ナンバープレートには車種が登録されているってこと。

たとえばおまわりさんが怪しげな車を見つけたとする。
出先のパトカーからナンバープレートを照会した際、分かるのは車種のみ。
なので、プ○ウスの盗難車を使う為にはプ○ウスのナンバープレートをつけておかなきゃいけない。
プ○ウスなのにラ○クルのナンバープレートつけてたらおまわりさんが照会した時点でおかしいってなっちゃうから。
(今は違うかもしれないんだけど)

クマの車のナンバープレートが盗られたのも同じ理由だったらしい。

当時、県内で盗まれやすい車トップ3の車にそれぞれが乗っていた我々。

南無。


またしてもナンバープレート盗られたなんて、さすがにディーラーも呆れるだろうね…と苦笑しながら連絡を取ったところ、大変有能で白も黒にしてしまうミラクル営業担当が異動になっており、うちではやれないから自分で手続きしろと言う。

なにい!?と憤ったものの、前の担当が裏技使いまくりのスペシャル野郎だっただけなので、諦めた。


さて。

ナンバープレートがなくなったらどうしたらいいのか?

まずは警察に盗難届を出す。(番号的なものが今後の手続きに必要)

それから役場に行き、申請して仮ナンバーを貸してもらう。

それを車につけて陸運局まで行く。

盗難された旨を伝えて失効手続きし、新しいナンバープレートを発行してもらう。

車を検査してもらって、つけてもらう。

仮ナンバーを役場へ返しに行く。

半日がかりである。(役場や陸運局が遠かったら一日がかりだ)


お金もそれなりにかかるし、とにかくめんどくさいことこの上ない。

ナンバープレートは盗られちゃいけませんよ、奥さん。


やっぱり防犯カメラ…という話にもなったが、たとえ、犯行現場を押さえたところで犯人が捕まる可能性は低いし、被害を防げる効果も期待は出来ない。
犯人の方が賢くて大胆なんだもの。


結局、我が家が選んだのは泥棒から人気がなさそうな車を変えることだった。


それ以来、今のところ、被害はない。


そして、近所を散歩しながら盗難を恐れるが余り、車全体にカバーしてるご家庭を見て、「車に乗るのも一苦労だよなあ」と気の毒がっている。


NO泥棒NO犯罪。

もう本当にやめて欲しい。

強盗なんてもってのほかだよ。

とほほな世の中だ。


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谷崎泉
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