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【Tableau】情シス1年目が感じたギャップ(DATA Saber Apprenticeとして)

こんにちは、It(https://x.com/itto1018)です!
11/11からDATA Saber - Bridge 3rdのApprenticeとして日々奮闘しております。今回の投稿はいつものOrdealのレポートとは違います!!
普段システムエンジニアとして働いているのですが、Ordealで学んだビジュアル分析やCreator/Explorer/Viewerの役割などが現場ではどこまでデータドリブン文化が浸透しているのか考えてみました。

記事を書いた経緯は、社会人でない人に企業におけるTableauの使い方を知ってもらいたいということです。学生の方もDATA Saberに挑戦していることを知りましたが、自身が学生の頃はTableau Desktopしか使ったことがなく、Tableau Cloud(Tableau Server)など企業でどのようにTableauが使われているのか、データドリブン文化がどれほど浸透しているのかわからないのではないか思いました。
勤務先が広告事業会社のIT部門(データエンジニア)のため、どこまで参考になるかわかりませんが少しでも参考になれば嬉しいです。

概要:勤務している会社について

私の勤める会社は広告事業会社(自社事業で利益を追求している企業)でいわゆるB to B to Cのビジネスモデルです。営業がクライアントに広告掲載しないか提案し、契約成立するとクライアントから広告掲載料を得て、エンドユーザー(サービスを利用するお客様)に情報発信を行っています。

社内のデータにまつわるフロー

私はIT部門のデータシステム部署でDWHの運用保守を担う傍ら、BIの推進・サポート(サイト管理者)を行っています。社内でどのようにデータが蓄積され、利用されているのかをここで記載しています。

勤める会社は複数のWebサイトを運用しており、各Webサイトでシステムが分かれています(サイロ化→解消したい動きにはなっていますが…)。各システムのDBからもらったデータをDWHに蓄積し、各システムのデータ(契約成立した広告の種類など)や社内システムのデータ(従業員マスターなど)を用いてデータ分析を行っています。分析したデータをもとに企画提案・営業成績の提示などで改善につなげています。

図1: データに携わるもののフロー

理想と現実のギャップ

今回は各Tableauライセンスの理想(Ordealや公式ドキュメントが求めているもの)と現実(現場を調べて考えた結果)を比較していきます。
以下、該当する公式のドキュメントです。

※Ordealの内容は一例のためすべてが正しいわけではなく、当然ながら答えがないものもあることはご留意を
※あくまでも私の勤める企業の一例です(2回目ですがここ重要!)

Creator

理想(Ordealやホワイトペーパー)
ビジュアル分析のサイクルの全てを担う(Tableauライセンスの割合は一番低い)
・対象:データ分析だけでなくデータの前処理などデータ分析の全般を理解している人たち
・目的:Vizを作るための基盤準備

現実(現場)
・対象:企画・営業・事業を推進する人たちが多い(社内のTableauライセンスの7%を占める)
・目的:企業のトップ層や事業の方針を改善するためのインサイトを発見する(理想と異なっている)

ダッシュボードの作成においてサイト管理者やベンダーへの依頼するチームやTableauのスキルが高い者に属人化するチームもあります。セルフBIが進んでいないことが大きな課題です。

加えて、理想はGet dataを重視して分析サイクルの全てを担うべきですが、実際は経営層への事業に関する提案や企画立案といったActを重視しているチームもあります。ExplorerやViewerがいなく、Creatorが兼任しています。そもそもその部門の人が少ないため必然的ではあるものの、Creatorである人たちの負担が大きいため課題の1つです。また、一般的な推測にすぎませんがデータ分析など(CreatorやViewerの役割)に注力しすぎた結果、本来の目的からずれてしまうことも課題です。

図2: Creatorにおけるビジュアル分析のサイクル
赤が優先的な役割、青は優先的ではないが担う


Explorer

理想(Ordealやホワイトペーパー)
TaskとChoose visual mapping, View data, Develop insight, Act(Share)を担い、データ分析に精通している人たち(Tableauライセンスの割合はCreatorの次に少ない)
・目的:Viewerにインサイトを得てもらうために用意されたデータからVizを作る

現実(現場)
企画職や営業職の管理職以上の人が多い(社内のTableauライセンスの12%を占める)
・目的:利益向上を主に行っている人たちにとって必要な情報を提供する

企画職や営業職の管理職以上の人たちは企画職や営業職でActを検討する人たち(プレイヤーの人たち)のために、今までの経験を生かしてVizを作成しています。Choose visual mappingを重視していますが、Viewerが円滑に目標達成できるVizを作成するためにデータを可視化した後のことを考えることもとても重要です。
Creatorライセンスでもいえることですが、主業務が多忙でTableauへの学習コストが割けずに本来必要なダッシュボードが作成できていないことが課題です。(例:クロス集計表の作成しかできなくスプレッドシート管理からあまり変わっていないチームとダッシュボードの作成によって真のインサイトから業務改善できているチーム)

図3: Explorerにおけるビジュアル分析のサイクル
赤が優先的な役割、青は優先的ではないが担う

Viewer

理想(Ordealやホワイトペーパー)
TaskとView data, Develop insight, Act(Share)を担い、実際にActを行う主要な人(Tableauライセンスの割合は一番高い)
・目的:Viewから得たいインサイトを得て、ActをすることでTaskを達成する

現実(現場)
営業などの現場の人から開発職の人まで幅広く、社内のTableauライセンスの81%を占める
・営業職の目的:受注数の増加
・Webマーケターの目的:流入数の増加
・Webデザイナーの目的:流入数の増加

営業職やWebマーケターなどは各々のTaskを達成(改善)するためにActを行っています。WebデザイナーなどのIT部署もViewerライセンスをもっていることは驚きでした。

CreatorやExplorerが作成するVizの質やそもそも部署全体の雰囲気によってデータに基づいた意思決定・行動ができているかが決まっていきます。実際、各事業によってデータドリブン文化の浸透(成長)に大きな差があることが課題です。(例:アポ数が第一主義という営業手法から変わっていない部署と見込みのある顧客を優先的に対応する部署)

図3: Explorerにおけるビジュアル分析のサイクル
赤が優先的な役割、青は優先的ではないが担う

まとめ

図5: ライセンスの役割の理想
図6: ライセンスの役割の現実

Creator:各事業の推進部署が多い

  • 課題

    • サイト管理者やベンダー、Tableauを使いこなしている者に頼りがち(セルフBIが進んでいない)

    • ExplorerやViewerが重視する役割も担っている(負担大)

Explorer:各事業の現場部署の管理職が多い

  • 課題:データ分析力に差がある(Tableauへの学習コストが割けない、クロス集計表で満足など)

Viewer:各事業の現場部署の方が多い

  • 課題:組織の雰囲気でデータドリブンな文化が左右される(レガシーな考えによって受け入れられない)

ここまでご覧いただきありがとうございました!
本記事を読むことで、少しでもTableauの各ライセンスやビジュアル分析のサイクルが現場ではどのように使われているか、何が現場の課題になっているのか知っていただければ幸いです。(主に、本来のあり方の内容に齟齬などがあれば是非コメントでご指摘ください)

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