シチズン時計(7762)　83点

1. 会社の概況と特徴（300文字以内）

シチズン時計株式会社は、1930年5月に設立され、1949年5月に上場されました。主な事業は腕時計と工作機械の製造です。特に、電波・ソーラー時計で強いシェアを持ち、最近では機械式時計に注力しています。事業セグメントは、時計が売上の53％（利益率12％）、工作機械が26％（利益率11％）、デバイスが14％（利益率1％）、電子機器が7％です。株式投資においては、海外売上比率が74％と高く、グローバルな展開が成長のポイントとなります。安定した財務基盤と世界的なブランド力を持つことから、長期投資に適した銘柄として評価されます。

2. 安定した成長の有無

シチズン時計は、自己資本比率が約59.7％と高く、財務状況は非常に健全です。売上は堅調に推移しており、特に海外市場での成長が期待されます。株主還元についても積極的で、配当金は年々増加傾向にあります。工作機械部門の需要減少に伴う業績への影響が懸念されていますが、時計事業の強化による収益拡大が見込まれています。

3. 直近の売上高、営業利益

2024年3月期の売上高は3,128億円、営業利益は250億円です。過去数年間の成長率は安定しており、2025年3月期には売上高3,100億円、営業利益230億円が予想されています。現在の株価は約1,015円、時価総額は2,248億円、総資産は4,322億円です。今後の成長は、時計事業の拡大や新製品投入による影響が期待されます。

4. 現在の株価

現在の株価は約1,015円、時価総額は2,248億円です。総資産は4,322億円、自己資本は2,581億円で、自己資本比率は59.7％と安定しています。安定した財務基盤が長期的な投資先として評価されています。

5. キャッシュフロー、現金

営業キャッシュフローは345億円、投資キャッシュフローは-126億円、財務キャッシュフローは-269億円です。現金及び現金同等物は803億円で、十分な流動性を保っています。積極的な設備投資を行いつつ、健全なキャッシュフローを維持しています。

6. 配当性向

過去の配当実績は安定しており、2023年度の配当金は40円、2024年度は45円が予想されています。株主還元に積極的で、配当性向は今後も安定した水準を維持すると期待されています。

7. 採点と解説

• 業績と財務: 17/20
  時計事業と工作機械事業の2本柱で堅実な収益を確保しており、財務基盤も強固です。

• 株価の安定性: 16/20
  株価は比較的安定しており、配当利回りも魅力的です。

• 成長性: 15/20
  海外市場での成長が期待されますが、工作機械部門の不安定さが課題です。

• 業界地位と競争力: 17/20
  時計業界での強いブランド力と、技術力に裏打ちされた競争力があります。

• 配当性向と株主還元: 18/20
  配当金は安定して増加しており、株主還元に積極的な姿勢が評価されます。

8. 総合評価（100点満点中）

総合評価: 83点
シチズン時計は、強固な財務基盤と安定した事業運営により、長期的に安定した成長が見込まれる企業です。特に時計事業におけるグローバルな展開が今後の成長の鍵となるでしょう。