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英中銀の利下げ見通し後退、インフレ圧力継続で慎重な金融政策が続く

この記事では、イングランド銀行(英中銀)の2025年末までの利下げ見通しが市場で後退していることが伝えられています。主なポイントとしては、以下の点が挙げられます:

  1. 利下げ見通しの縮小: 英中銀が来年行う利下げについて、市場はこれまで複数回の利下げを織り込んでいたものの、現在では2回すら完全には織り込まれていません。短期金融市場が織り込む2025年末までの利下げ幅は、最初の予測から大幅に縮小し、一時49ベーシスポイント(0.49%)にとどまっています。

  2. インフレ圧力の継続: 英国のインフレ圧力は依然として強く、特にサービス価格のインフレ率が5%と高止まりしています。これにより、金融緩和のペースは慎重に進められるとの見方が強まり、金利の引き下げが予定よりも遅れる可能性が高くなっています。

  3. 賃金上昇の加速: 英国の賃金上昇が予想以上に加速し、これが金利見通しに影響を与えました。市場はこれを受けて、英中銀の政策に対する期待を修正しています。

  4. 金利政策の推移: 2024年12月19日に発表される政策会合では、金利は4.75%に据え置かれると予想されています。市場は、英中銀が2024年に0.25%の利下げを2回行うと見込んでいますが、米国やユーロ圏に比べてそのペースは遅いとされています。

今後の為替、株価の見通し

為替市場: 英中銀の利下げペースが遅れることは、ポンドに対して支援的な要因となる可能性があります。利下げの期待が後退したことで、ポンドが強含む可能性が高まります。また、米国やユーロ圏に比べて英国が緩和を控える姿勢を維持することで、ポンド/ドルやポンド/ユーロの相対的な強さが増すと予想されます。

株価市場: 英中銀が緩和に慎重であることは、企業の借り入れコストが低く保たれることを意味しますが、インフレ圧力が高止まりする中で、消費者支出や企業活動に対する影響が懸念される可能性もあります。株価への影響は、企業の業績に依存するため、利下げのペースが遅れる一方で、経済成長に対する期待感は少し低下するかもしれません。

全体として、英中銀が慎重な姿勢を続ける限り、ポンドは強含む可能性が高く、株価は一定の不透明感を抱えながらも、利下げの期待感が続く限り若干の上昇圧力を受けるかもしれません。


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