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三越伊勢丹ホールディングス(3099) 86点

1. 会社の概況と特徴(300文字以内)

三越伊勢丹ホールディングスは、2008年4月に三越と伊勢丹が経営統合して設立されました。主力事業は百貨店業務で、新宿伊勢丹や日本橋三越など、国内トップクラスの売上を誇る旗艦店を持っています。主な事業セグメントは、百貨店事業(83%)、クレジット・金融・友の会(4%)、不動産事業(4%)で構成され、百貨店事業が中心です。株購入に関しては、国内消費やインバウンド需要の回復を期待でき、長期的な投資対象として評価できます。

2. 安定した成長の有無

三越伊勢丹は国内消費と訪日観光客の需要回復により、安定した成長を見せています。財務状況は健全で、自己資本比率は48.5%と安定しており、ROEも9.8%と良好です。また、増配傾向が続いており、株主還元も強化されています。今後の成長には、都心部の旗艦店を中心とした戦略的な改装とインバウンド需要が鍵となります。

3. 直近の売上高、営業利益

2024年3月期の売上高は5,364億円、営業利益は543億円、純利益は555億円となっており、前年から増収増益を達成しています。今後も都心部での消費増加や訪日観光客の増加が見込まれ、安定的な成長が期待できます。2025年3月期には売上高が5,560億円に達する見込みです。

4. 現在の株価

時価総額は8,499億円、総資産は1兆2,344億円、自己資本は5,987億円となっています。株価は現在、業績の改善と市場の好調を反映しており、2024年には3,674円の高値を記録しています。自己資本比率が48.5%と高く、財務の安定性が伺えます。

5. キャッシュフロー、現金

2024年3月期の営業キャッシュフローは568億円と堅調であり、投資キャッシュフローは-270億円、財務キャッシュフローは-684億円です。現金および現金同等物は723億円と十分な資金が確保されており、設備投資や株主還元策を積極的に進める体制が整っています。

6. 配当性向

配当金は、2022年3月期に10円だったものが、2024年3月期には34円に増配されており、さらに2025年3月期には48円が予想されています。増配傾向が続いており、今後も株主還元が強化される見込みです。安定した配当を求める投資家にとって魅力的な銘柄です。

7. 採点と解説

  • 業績と財務: 17/20
    売上高と利益の回復が続いており、特にインバウンド需要の回復が成長を支えています。財務も安定しています。

  • 株価の安定性: 16/20
    株価は業績の回復を反映して上昇傾向にありますが、外部要因に左右される部分もあり、完全に安定とは言えません。

  • 成長性: 16/20
    今後もインバウンド需要の回復と国内消費の底堅さが成長を支えると予想されますが、業界全体の成長余地は限定的です。

  • 業界地位と競争力: 18/20
    国内最大手の百貨店グループとして、ブランド力と顧客基盤が強固です。特に旗艦店の存在感は他を圧倒しています。

  • 配当性向と株主還元: 19/20
    配当金の増額が続いており、自己株取得も含めた積極的な株主還元策が魅力です。

8. 総合評価(100点満点中)

総合評価: 86点
三越伊勢丹ホールディングスは、インバウンド需要の回復や都心部での消費拡大を背景に安定した成長を続けており、長期的な投資対象として評価できます。財務の健全性と株主還元策も魅力的であり、特に配当目的の投資家にとっては魅力的な銘柄です。

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