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三井化学(4183) 88点

1. 会社の概況と特徴(300文字以内)

三井化学株式会社は1955年に設立され、1962年に上場しました。総合化学メーカーとして、石油化学製品を基盤にライフ&ヘルスケア、モビリティ、ICT、ベーシック&グリーンマテリアルズといった幅広い分野で事業を展開しています。売上比率は、モビリティが31%、ベーシック&グリーンマテリアルズが39%、ライフ&ヘルスケアが16%、ICTが14%を占めます。利益率では、ライフ&ヘルスケアが11%、モビリティが11%と高く、安定した事業構造を持ちます。株購入における総合評価としては、成長分野への積極的な投資姿勢や配当政策により、長期的な視点で魅力的な企業です。

2. 安定した成長の有無

三井化学は、安定した財務基盤と堅実な成長戦略を持っています。ROEは6.1%と比較的健全で、今後の成長も期待できます。株主還元に関しては、配当金を着実に増加させており、安定した還元を行っています。売上は一部セグメントで不調もありましたが、全体的な成長は確保されています。

3. 直近の売上高、営業利益

2024年3月期の売上高は1兆7,497億円、営業利益は741億円で、前年からやや減少していますが、今後の見通しは堅調です。2025年3月期の予想では、売上高は1兆8,700億円、営業利益は1,130億円を見込んでいます。株価の時価総額は約7,537億円、総資産は約2兆2,177億円です。

4. 現在の株価

2024年8月時点で、株価は3,167円から4,836円の範囲で推移しています。時価総額は約7,537億円で、総資産は2兆2,177億円、自己資本比率は39.9%と健全です。安定した株価推移と高い資産価値が、今後の成長を支える基盤となっています。

5. キャッシュフロー、現金

営業キャッシュフローは1,613億円、投資キャッシュフローは-1,239億円、財務キャッシュフローは-260億円です。現金及び現金同等物は2,102億円あり、設備投資や研究開発への余力があります。設備投資額は1,857億円、研究開発費用は446億円と、今後の成長分野に対する投資が進められています。

6. 配当性向

三井化学は安定した配当政策を採用しており、2024年3月期の年間配当は140円でした。今後、2025年には150円、2026年には160円に増加する見込みです。配当金の安定性と増加が、株主に対する還元を重視した姿勢を反映しています。

7. 採点と解説

  • 業績と財務: 17/20
    安定した業績と健全な財務基盤を持ち、成長分野への投資も進んでいますが、一部セグメントでの減少が見られます。

  • 株価の安定性: 16/20
    株価は安定しており、時価総額も業界内で上位に位置していますが、若干の変動リスクは残ります。

  • 成長性: 18/20
    モビリティやライフ&ヘルスケア分野への注力により、成長ポテンシャルが高く、今後の投資成果に期待が持てます。

  • 業界地位と競争力: 18/20
    総合化学メーカーとしての業界内での地位は高く、特に先端材料分野での競争力が際立っています。

  • 配当性向と株主還元: 19/20
    安定した配当と今後の増配予定があり、株主還元に対する姿勢が評価できます。

8. 総合評価(100点満点中)

総合評価: 88点
三井化学は、幅広い事業分野における強固な基盤と成長分野への積極的な投資により、今後も持続的な成長が期待されます。配当政策も安定しており、長期的な視点での投資に向いた企業といえます。

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