ＩＮＰＥＸ(1605)　88点

1. 会社の概況と特徴（300文字以内）

INPEX株式会社は2006年に設立され、同年に上場を果たしました。主に原油および天然ガスの開発・生産を手掛ける国内最大手の企業です。主要事業セグメントは原油（売上比率75%）、天然ガス（24%）、その他（1%）で、海外売上が全体の64%を占めています。豪州のLNGプロジェクト「イクシス」を中心に事業を展開しています。政府が黄金株を保有しており、安定性が高い企業です。原油・ガス価格に依存しているため、市場動向に左右されやすい面がありますが、長期的には堅実な成長が期待できる企業です。

2. 安定した成長の有無

INPEXは財務状況が健全で、自己資本比率が63.4%と高水準です。また、配当性向も安定しており、2024年には43円の配当が予定されています。売上高と営業利益は原油価格の変動に左右されるものの、過去数年で安定的に成長しています。特に2022年度は売上高2兆3246億円、純利益4382億円と過去最高を記録し、2024年度も同様の水準が見込まれています。株主還元策として、自己株買いも積極的に行っており、還元姿勢は強いです。

3. 直近の売上高、営業利益

INPEXの2023年12月期の売上高は2兆1657億円、営業利益は1兆1218億円であり、過去数年間において成長を続けています。2024年の予想売上高は2兆2540億円、営業利益は1兆2490億円と見込まれており、堅調な成長が予測されています。時価総額は2兆7002億円、総資産は7兆7656億円です。今後の成長は、特にLNGプロジェクトの進捗と原油価格に大きく依存します。

4. 現在の株価

2024年のINPEXの時価総額は2兆7002億円で、総資産は7兆7656億円、自己資本は4兆9271億円です。自己資本比率は63.4%で、安定した財務基盤を維持しています。2024年8月時点での株価は1700円から2628円の間で推移しており、株価は資源価格に影響されやすい一方で、長期的な成長性が期待されています。

5. キャッシュフロー、現金

INPEXの営業キャッシュフローは7863億円と非常に強力で、事業の健全性がうかがえます。一方、投資キャッシュフローは-3243億円で、積極的な設備投資を続けています。財務キャッシュフローは-4803億円で、自己株買いや配当などを通じて株主還元を実施しています。2023年12月期の現金及び現金同等物は2008億円と安定しています。

6. 配当性向

INPEXの配当は安定しており、2023年12月期の年間配当は74円、2024年12月期は86円が予測されています。過去数年間で着実に増配を行っており、今後も43円〜45円の配当が予測されています。配当性向も安定しており、株主還元の姿勢が明確です。

7. 採点と解説

• 業績と財務: 18/20
  高い営業利益と安定したキャッシュフローを維持しており、強固な財務基盤を持つ。

• 株価の安定性: 16/20
  原油価格の変動に影響を受けやすいが、長期的には安定した成長が見込める。

• 成長性: 17/20
  LNGプロジェクトの拡大に伴い、今後も成長が期待されるが、資源価格に依存。

• 業界地位と競争力: 19/20
  国内最大手の石油・ガス企業として、確固たる地位を持ち、政府の支援も受けている。

• 配当性向と株主還元: 18/20
  自己株買いや増配を通じて積極的な株主還元策を展開している。

8. 総合評価（100点満点中）

総合評価: 88点
INPEXは、安定した財務基盤、積極的な株主還元策、LNGプロジェクトの成長により、高い成長性が期待される企業です。原油価格の変動リスクはあるものの、長期的な投資対象としては魅力的です。