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AGC(5201) 76点

1. 会社の概況と特徴(300文字以内)

AGCは、1950年に設立・上場され、三菱グループに属するガラスと化学品の大手企業です。建築用ガラスや自動車用ガラス、化学品、ライフサイエンス分野など多岐にわたる事業を展開しています。特にアジア市場での化学品事業が拡大しており、売上に占める割合は28%です。ガラス事業は全体の約49%を占めており、世界的なシェアを持つ企業です。総合評価としては、業界内での競争力は強いものの、近年の利益は低迷しており注意が必要です。

2. 安定した成長の有無

AGCの財務状況は健全であり、自己資本比率は約50%です。しかし、2022年には米国医薬事業での需要低迷やロシア事業撤退の影響で減損が発生し、営業赤字に転落しました。株主還元については、安定した配当を維持していますが、利益成長の継続には課題があります。

3. 直近の売上高、営業利益

2023年12月期の売上高は2兆193億円、営業利益は1282億円で、前年同期比で回復傾向にあります。過去数年間の成長率は鈍化しており、2024年は営業赤字が見込まれています。時価総額は約1兆130億円、総資産は2兆9575億円です。

4. 現在の株価

2024年8月時点の株価は4,090円から5,928円で推移しています。時価総額は約1兆130億円で、総資産は2兆9575億円、自己資本は1兆4769億円です。株価は業績低迷の影響で変動が見られていますが、長期的な価値が期待されます。

5. キャッシュフロー、現金

営業キャッシュフローは2,125億円と堅調ですが、投資キャッシュフローは-1,797億円とマイナスです。設備投資や研究開発費用がかさむ一方で、財務キャッシュフローもマイナスとなっています。現金及び現金同等物は1,460億円です。

6. 配当性向

配当金は安定しており、2022年以降も105円を維持しています。2024年も105円の予測がされていますが、業績悪化による配当性向の上昇が見られます。今後も配当は維持される見込みですが、業績回復が鍵となります。

7. 採点と解説

  • 業績と財務: 14/20
    近年の減損と赤字転落が業績を圧迫しており、財務状況もやや懸念が残ります。

  • 株価の安定性: 12/20
    業績の変動により、株価は不安定な動きを見せています。中長期的な視点が必要です。

  • 成長性: 15/20
    アジア市場での化学品事業の成長は期待できますが、全体的な成長は鈍化しています。

  • 業界地位と競争力: 18/20
    世界的なガラスメーカーとしての競争力は高く、特に自動車や建築分野でのシェアが強みです。

  • 配当性向と株主還元: 17/20
    配当は安定しており、株主還元にも積極的です。ただし、業績に対する配当性向が高くなっている点は注意が必要です。

8. 総合評価(100点満点中)

総合評価: 76点
AGCは、ガラス業界での強い競争力を持つものの、近年の業績低迷や減損による赤字転落が懸念材料です。配当は安定しているものの、今後の業績回復が株主還元の継続に不可欠です。成長余地はあるものの、中期的なリスクを理解した上での投資判断が求められます。

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