2024年度上半期の貿易収支、エネルギー価格と円安の影響で3兆円超の赤字
この記事は、2024年度上半期(4月から9月まで)の日本の貿易収支に関する内容を報告しています。以下は概要とポイントの解説です。
概要
財務省が発表した貿易統計によると、今年度上半期の貿易収支は3兆1067億円の赤字となり、前年同期比で14.4%増加しました。輸出額は過去最大となったものの、輸入額の増加がそれを上回り、貿易赤字が拡大した主な要因となっています。
ポイント
輸出の増加
輸出額は53兆5504億円となり、前年同期比で6.6%増加。特に中国や香港向けの半導体製造装置や電子部品の輸出が伸び、これが輸出額増加の主な要因となりました。
輸入の増加
輸入額は56兆6571億円で、前年同期比7%増加。エネルギー価格の上昇が主因で、特に原油価格の上昇が影響を与えました。
円安の影響
期間中の為替レートが1ドル=153円台まで円安が進行し、輸入品の価格が上昇。これにより、輸入額が増加し、貿易赤字を拡大させました。
7期連続の貿易赤字
半期ベースで7期連続の貿易赤字となり、赤字額は前年度より14.4%拡大しました。
アメリカ向け自動車輸出の減少
特に先月(9月)は、アメリカ向けの自動車輸出が減少し、貿易赤字が2943億円となり、3か月連続で赤字が続いています。
今後の見通し
円安の影響が続く限り、輸入コストの増加が赤字拡大のリスクを高めています。また、エネルギー価格の変動も大きな要因となるため、国際情勢や為替動向が今後の貿易収支に影響を与えるでしょう。輸出が堅調である一方、輸入の増加が抑えられない限り、貿易赤字の縮小は難しい状況です。
この図は「貿易収支の推移」を示しており、2020年度上半期から2024年度上半期までの貿易収支の動きを視覚的に表しています。図の主なポイントを解説します。
解説
期間ごとの貿易収支:
横軸には2020年度から2024年度上半期までの期間が示されています。
縦軸には貿易収支(兆円単位)が表示されています。
黒字と赤字の区分:
黒字は青色で表示されており、2021年度上半期に見られます。
赤字は赤色で表示されており、2020年度以降、ほとんどの期間で赤字が続いています。
2024年度上半期:
2024年度上半期の貿易収支は -3兆1067億円の赤字で、赤字額は過去数年間にわたって継続的に大きな赤字となっています。
この赤字額は前年度に比べても拡大しており、エネルギー価格の上昇や円安が主な原因となっています。
総評
2021年度に黒字を記録していた時期もありましたが、2022年度以降は大きな赤字に転じ、2024年度上半期にはさらなる赤字の拡大が確認されています。今後の貿易収支の動向は、エネルギー価格や為替レートの変動に大きく影響されると予想されます。
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