デンカ(4061) 82点
1. 会社の概況と特徴(300文字以内)
デンカ株式会社は1915年に設立され、1949年に上場しました。特殊合成ゴムや機能樹脂、電子先端プロダクツを主に製造しており、ワクチンや検査試薬の分野にも力を入れています。主要事業セグメントは、エラストマー・インフラが売上の29%(利益率-8%)、ポリマーが32%(利益率0%)、電子先端プロダクツが23%(利益率10%)、ライフイノベーションが12%(利益率25%)となっています。株購入における評価としては、特に電子先端材料とライフサイエンス事業が今後の成長の鍵となる点が挙げられますが、エラストマー・インフラ分野の業績は課題となっています。
2. 安定した成長の有無
デンカの財務状況は堅実で、自己資本比率は49.3%と安定しています。株主還元にも積極的で、安定した配当を維持しています。売上は増減がありますが、特に電子先端材料とライフサイエンス事業の成長に支えられ、安定した成長が期待できます。ただし、エラストマー・インフラ部門は収益性に課題を抱えています。
3. 直近の売上高、営業利益
2024年3月期の売上高は3,892億円、営業利益は133億円となりました。過去数年間は電子先端プロダクツとライフサイエンス事業が好調ですが、エラストマー分野の低迷が影響しています。今後、半導体関連の需要増加と医薬品事業の成長が見込まれ、2025年3月期の売上高は4,200億円、営業利益は180億円が予想されています。
4. 現在の株価
時価総額は約1,989億円、総資産は6,327億円、自己資本は3,118億円です。株価は2024年8月時点で1,716.5円から2,623円の範囲で推移しています。自己資本比率は高いため、財務的に安定した投資先と評価されます。
5. キャッシュフロー、現金
営業キャッシュフローは362億円、投資キャッシュフローは-225億円、財務キャッシュフローは7億円と、キャッシュフローは健全です。積極的な設備投資と研究開発投資が行われており、成長分野への投資が進んでいます。現金および現金同等物は353億円です。
6. 配当性向
デンカの配当金は安定しており、2024年には100円の配当を実施しています。今後も同水準の配当が見込まれており、株主還元の姿勢は強いです。2025年3月期の配当は100円を予定しており、長期的な配当収益を狙う投資家にとって魅力的です。
7. 採点と解説
業績と財務: 16/20
財務は健全で、主要事業が成長中。しかし、エラストマー分野の収益性に課題が残ります。株価の安定性: 15/20
株価は安定して推移しており、自己資本比率の高さからもリスクは低いと評価されます。成長性: 17/20
電子先端材料やライフサイエンス分野の成長が期待され、将来的な成長ポテンシャルは高いです。業界地位と競争力: 16/20
半導体材料やワクチン、検査試薬分野での競争力があり、業界内での地位は堅固です。配当性向と株主還元: 18/20
安定した配当を継続しており、株主還元に積極的な姿勢が評価されます。
8. 総合評価(100点満点中)
総合評価: 82点
デンカは、特に電子先端材料とライフサイエンス事業の成長が期待される企業で、安定した財務基盤と配当政策も魅力的です。一方で、エラストマー分野の収益性改善が課題となっていますが、長期的には安定した成長が見込まれる投資対象として評価されます。