J.フロントリテイリング(3086) 85点
1. 会社の概況と特徴(300文字以内)
J.フロント リテイリングは、2007年に設立され上場した企業で、大丸松坂屋百貨店を中心に、商業施設やデベロッパー事業を展開しています。主な事業セグメントとしては、百貨店事業が59%、ショッピングセンター事業が14%、デベロッパー事業が16%、決済・金融サービスが2%を占めています。百貨店の高額品や訪日客の需要が好調で、特に富裕層をターゲットにしています。株式購入の総合評価としては、安定した配当と堅調な売上を持つが、景気変動に影響を受けやすいため、慎重な検討が必要です。
2. 安定した成長の有無
財務状況は自己資本比率が35.1%と健全な水準にあります。株主還元も積極的で、増配傾向にあります。売上と利益は、訪日客需要の回復により堅調に推移しており、特に百貨店事業が収益の柱となっています。成長性は限定的ながら、店舗改装や新規事業の強化による安定した収益が見込まれています。
3. 直近の売上高、営業利益
2024年2月期の売上高は4,070億円、営業利益は430億円で、前年比増加しています。2025年2月期の予測では売上高が4,245億円、営業利益は415億円と予想されており、成長はやや鈍化しています。時価総額は約3,977億円、総資産は約1兆985億円です。
4. 現在の株価
現在の株価は1,782円で、時価総額は約3,977億円です。総資産は約1兆985億円で、自己資本は3,852億円となっています。株価は安定しているものの、景気の影響を受けやすい点がリスクとなります。
5. キャッシュフロー、現金
営業キャッシュフローは2024年2月期で906億円と安定しています。投資キャッシュフローはプラス134億円、財務キャッシュフローはマイナス727億円です。現金及び現金同等物は713億円で、適切な資金管理が行われていますが、財務キャッシュフローは負債返済の影響を受けています。
6. 配当性向
配当金は増加傾向にあり、2024年2月期は1株あたり36円、2025年2月期の予測では40円が予定されています。今後も安定した配当が期待されており、配当性向は持続可能な水準です。配当利回りは高く、投資家への還元姿勢は明確です。
7. 採点と理由(各20点満点)
業績と財務(17点):売上と利益は安定しており、自己資本比率も適切です。
株価の安定性(15点):景気変動の影響を受けやすく、株価はやや変動しやすい。
成長性(16点):店舗改装や新規事業により成長が見込まれるが、急成長は期待しにくい。
業界地位と競争力(18点):百貨店業界での強い地位を持ち、訪日客需要にも対応しています。
配当性向と株主還元(19点):増配傾向にあり、株主還元に積極的です。
8. 総合評価(100点満点中)
J.フロント リテイリングの総合評価は85点です。安定した業績と配当利回りが魅力的ですが、景気や訪日客需要に依存するため、リスク管理が必要です。長期的な投資としては堅実な選択肢と言えます。