出光興産(5019) 76点
1. 会社の概況と特徴(300文字以内)
出光興産は1940年に設立され、2006年に上場しました。主な事業は石油元売り業で、石油化学、原油・石炭開発も行っています。2019年4月に昭和シェル石油と経営統合し、規模を拡大しました。主要事業セグメントの売上比率は、燃料油が81%、基礎化学品が7%、高機能材が6%、電力・再生可能エネルギーが2%、資源が4%です。株購入における総合評価としては、エネルギー産業の変革期にあり、安定性がありつつも変動リスクがあります。
2. 安定した成長の有無
財務状況は比較的安定しており、自己資本比率は37.9%です。ただし、石油価格や市場動向に影響されやすく、安定した成長を維持するためには、再生可能エネルギー事業の拡大が鍵となります。株主還元については、配当は維持されているものの、利益の変動が大きいため注意が必要です。
3. 直近の売上高、営業利益
2024年3月期の売上高は8兆7,192億円、営業利益は3,463億円と前年度比で増益です。過去数年間の売上高は波があるものの、利益は比較的安定しています。将来の予測としては、石油価格やエネルギー市場の動向次第で変動します。時価総額は約1兆5,054億円、総資産は5兆288億円です。
4. 現在の株価
2024年8月時点での株価は826円から1,114円で推移しており、時価総額は約1兆5,054億円です。総資産は5兆288億円で、自己資本は1兆9,071億円です。自己資本比率は37.9%で、比較的健全な財務状況にありますが、有利子負債も1兆1,863億円と高い水準です。
5. キャッシュフロー、現金
営業キャッシュフローは2024年3月期で3,773億円と堅調ですが、投資キャッシュフローは-658億円と投資が続いています。財務キャッシュフローは-2,805億円で、借入金の返済や配当の支払いが負担となっています。現金及び現金同等物は1,369億円です。
6. 配当性向
過去の配当実績では、2023年3月期に60円、2024年3月期に32円の配当を実施しました。2025年3月期の配当予測は32円で、安定した配当が見込まれていますが、利益が減少した場合には変更の可能性があります。
7. 採点と解説
業績と財務: 16/20
石油市場に依存しているため、業績の変動リスクがありますが、堅実な財務状況です。株価の安定性: 14/20
株価は比較的安定しているものの、石油価格の変動に大きく影響されます。成長性: 12/20
再生可能エネルギーや高機能材の成長が期待されますが、石油市場の依存度が高いです。業界地位と競争力: 18/20
国内では石油元売り2位の位置を占めており、業界内での競争力は高いです。配当性向と株主還元: 16/20
配当は安定しており、株主還元にも積極的ですが、利益の変動に注意が必要です。
8. 総合評価(100点満点中)
総合評価: 76点
出光興産は、石油・エネルギー産業の変革期にあり、再生可能エネルギーの成長が鍵となります。安定した配当と業界内での強固な地位を持ちつつ、石油価格に大きく影響されるリスクが存在します。