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クラレ(3405) 86点

1. 会社の概況と特徴(300文字以内)

クラレは1926年に設立され、1949年に上場した化学系メーカーで、高機能樹脂の「ポバール」やその加工品であるフィルムが主力製品です。その他、イソプレンや繊維事業も展開しており、ビニルアセテートが売上の50%を占め、主要事業です。利益率の高い分野には、機能材料(24%)が含まれます。欧州や自動車業界向け需要が回復しており、安定的な売上増が期待されています。多角的な製品群により、安定した成長が見込まれるため、株式購入の検討に値します。

2. 安定した成長の有無

クラレは健全な財務状況を維持しており、自己資本比率は60.4%と高く、堅実な経営が見られます。株主還元については、配当の増加が続いており、安定した配当政策を実施しています。売上と利益は、ポバールや機能材料の需要が増しており、今後の成長も期待できますが、一部の事業では競争激化が課題となっています。

3. 直近の売上高、営業利益

2023年12月期の売上高は7,809億円、営業利益は754億円でした。過去数年間の成長率は堅調で、2024年には売上高が8,600億円、営業利益が900億円に達する予測です。特に、欧州市場でのポバール樹脂の需要が伸びており、成長が期待されています。時価総額は約6,582億円、総資産は1兆3,272億円です。

4. 現在の株価

クラレの時価総額は約6,582億円で、総資産は1兆3,272億円、自己資本は8,013億円です。現在の株価は1,902.5円(2024年8月時点)で、年初来の高値は1,953円、安値は1,410円と安定しています。自己資本比率が60.4%で、財務基盤がしっかりしていることが投資家に安心感を与えています。

5. キャッシュフロー、現金

営業キャッシュフローは1,292億円と堅調で、投資キャッシュフローは-631億円、財務キャッシュフローは-649億円となっています。現金及び現金同等物は1,336億円あり、十分な資金を保持しています。積極的な設備投資と研究開発にも資金を充当しており、今後の成長に向けた準備が進められています。

6. 配当性向

クラレは安定した配当政策を実施しており、2022年の配当金は23円、2023年は25円、2024年は27円の予測です。さらに、2025年には28円までの増配が見込まれており、配当利回りが安定しているため、長期的な株主還元が期待できます。

7. 採点と解説

  • 業績と財務: 17/20
    売上高と利益の成長が見込まれ、財務状況も健全です。特にポバール樹脂の需要が増加している点が評価されます。

  • 株価の安定性: 16/20
    株価は安定して推移しており、大きな変動が少ないため、安全な投資対象です。

  • 成長性: 18/20
    ポバール樹脂や機能材料などの高付加価値製品が成長の牽引役となっており、今後もさらなる成長が期待されます。

  • 業界地位と競争力: 17/20
    クラレは業界内で確固たる地位を持ち、多くの製品がトップシェアを誇りますが、競争が激しい市場もあるため一部の分野でのリスクがあります。

  • 配当性向と株主還元: 18/20
    安定した配当と増配が見込まれており、株主還元に積極的です。長期的な投資対象として魅力的です。

8. 総合評価(100点満点中)

総合評価: 86点
クラレは、堅実な成長と強固な財務基盤を持つ企業で、安定した配当政策も魅力的です。特に高機能樹脂やポバール製品が業績を支えており、今後の成長が期待されます。長期的な投資先として非常に魅力的な企業です。

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