ルネサスエレクトロニクス(6723) 85点
1. 会社の概況と特徴(300文字以内)
ルネサスエレクトロニクスは、2002年に設立され、2003年に上場しました。日立製作所、三菱電機、NECの半導体部門を統合して設立された企業であり、車載用マイコンでは世界トップクラスのシェアを持ちます。主要事業セグメントは、自動車向けが47%、産業・インフラ・IoT向けが52%で、利益率はそれぞれ34%です。積極的な買収により製品ラインナップを多様化させ、成長を図っています。総合評価としては、成長性が高く、特に自動車業界向けに強い競争力を持つ企業です。
2. 安定した成長の有無
ルネサスの財務状況は、自己資本比率67.3%と健全で、ROEは19.1%を記録しています。過去数年の成長率は高く、特に自動車産業向けの売上が伸びています。株主還元としては、2023年から28円の配当を開始し、今後も安定した配当が期待されます。全体として成長性があり、特に電動車市場の拡大に伴い、さらなる成長が期待されます。
3. 直近の売上高、営業利益
2023年12月期の売上高は約1.47兆円、営業利益は約3,907億円を記録しましたが、2024年には売上高が1.41兆円、営業利益が3,300億円と予測されています。短期的にはやや減少する見込みですが、2025年には1.55兆円、営業利益が3,800億円へと回復が期待されています。時価総額は約4.56兆円、総資産は約3.66兆円です。
4. 現在の株価
ルネサスエレクトロニクスの時価総額は約4.56兆円、総資産は約3.66兆円、自己資本は約2.46兆円です。現在の株価は約2,571.5円で、年間高値は3,397円、安値は1,821円となっています。株価は短期的にはやや不安定ですが、長期的な成長が期待されます。
5. キャッシュフロー、現金
ルネサスの営業キャッシュフローは4,966億円、投資キャッシュフローはマイナス2,674億円、財務キャッシュフローはマイナス1,812億円です。現金及び現金同等物は約4,346億円あり、十分な流動性を保っています。研究開発にも積極的に投資しており、今後の成長を支える資金も確保しています。
6. 配当性向
ルネサスは2023年から配当を開始し、1株あたり28円の配当を実施しました。2024年および2025年も同水準または増配が予測されており、配当性向は適度であり、株主還元を強化している姿勢が見られます。
7. 各項目の採点と理由
業績と財務(20点満点中17点)
売上は安定しており、財務も健全。減益予測があるものの、中長期的には成長が期待される。株価の安定性(20点満点中15点)
短期的には不安定な動きが見られるが、長期保有には耐えうる。成長性(20点満点中18点)
自動車産業向けの強い競争力と、IoTやインフラ分野での成長が期待できる。業界地位と競争力(20点満点中19点)
車載用マイコンでの世界トップクラスのシェアを持ち、競争力が非常に高い。配当性向と株主還元(20点満点中16点)
2023年からの配当開始で株主還元が強化されているが、まだ歴史が浅い。
8. 総合評価(100点満点中85点)
ルネサスエレクトロニクスは、自動車向けの強い競争力と産業・インフラ分野での成長ポテンシャルを持つ企業であり、長期的な成長が期待されます。短期的には減益が見込まれるものの、財務状況は健全で、配当も開始されているため、投資家にとって魅力的な選択肢となります。