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荏原製作所(6361) 83点

1. 会社の概況と特徴(300文字以内)

株式会社荏原(6361)は1920年5月に設立され、1949年5月に東京証券取引所に上場しました。ポンプの総合メーカーとして、固形廃棄物処理プラントや半導体研磨装置など、世界首位級の技術力を有しています。主な事業内容は建築・産業用ポンプ、エネルギー関連機器、インフラ設備、環境設備、精密・電子機器の製造・販売です。主要事業セグメントは精密・電子が33%(利益16%)、建築・産業が29%(利益7%)、エネルギーが22%(利益13%)、環境が9%(利益10%)、インフラが7%(利益9%)、その他が0%(利益-46%)で構成され、海外事業が64%を占めています。株購入においては、技術力の高さと多様な事業ポートフォリオが魅力的ですが、一部セグメントでの利益低迷がリスク要因となります。

2. 安定した成長の有無

荏原は総資産968,896百万円に対し自己資本比率46.4%と健全な財務基盤を有しています。有利子負債も144,199百万円と適度な水準です。株主還元としては安定的に配当を行っており、配当性向も適切です。売上高は長期的に増加傾向にあり、特に精密・電子セグメントやエネルギーセグメントでの成長が著しいです。営業利益も増加傾向にあり、全体として安定した成長が見込まれます。

3. 直近の売上高、営業利益

2024年12月期の売上高は827,000百万円、営業利益は87,000百万円でした。過去数年間の売上高は増加傾向にあり、2025年12月期には860,000百万円、営業利益は90,000百万円を予測しています。株価は現在2,585円で、時価総額は9,057億円、総資産は968,896百万円です。将来的には半導体関連の出荷増加や新製品開発により、更なる成長が期待されます。

4. 現在の株価

現在の株価は2,585円で、時価総額は9,057億円です。総資産は968,896百万円、自己資本は449,340百万円で自己資本比率は46.4%です。高い自己資本比率は財務の安定性を示しており、投資家に安心感を提供します。

5. キャッシュフロー、現金

2024年12月期の営業キャッシュフローは700億円、投資キャッシュフローは-356億円、財務キャッシュフローは-46億円でした。現金及び現金同等物は1,480億円を保持しており、十分な流動性を確保しています。営業キャッシュフローはプラスを維持しており、投資活動も安定的に行われています。

6. 配当性向

過去の配当実績では、2022年12月に108円、2023年6月に97.5円、2023年12月に131.5円、2024年6月に115円を支給しています。2024年12月予想では23円、2025年6月予想では23~24円、2025年12月予想でも23~24円の配当を予定しており、株主還元の姿勢が継続されています。安定した配当政策は投資家にとって魅力的です。

7. 採点と理由

  • 業績と財務(17/20)
    売上高と営業利益の増加、健全な自己資本比率が評価される。

  • 株価の安定性(15/20)
    株価は一定の変動があるが、安定基盤が支えている。

  • 成長性(18/20)
    半導体関連や水素事業の拡大により高い成長が期待される。

  • 業界地位と競争力(16/20)
    世界首位級の技術力と多様な事業ポートフォリオが強みだが、競争も激しい。

  • 配当性向と株主還元(17/20)
    安定的な配当と継続的な株主還元姿勢が評価される。

8. 総合評価(83点)

荏原はポンプ技術における世界的な競争力と多様な事業ポートフォリオを持ち、安定した財務基盤と成長性が魅力です。特に精密・電子セグメントやエネルギーセグメントでの堅調な成長が期待されます。配当政策も安定しており、株主還元の姿勢も良好です。今後の半導体関連の需要拡大や新事業の展開により、更なる成長が見込まれます。ただし、一部セグメントの利益率低下には注意が必要です。総合的には堅実な投資先として高評価です。

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