京成電鉄(9009) 86点
1. 会社の概況と特徴(300文字以内)
京成電鉄は1909年に設立され、1949年に上場しました。千葉県、東京都東部、茨城県を地盤とし、特に成田空港へのアクセス路線が主力です。主要事業セグメントとして、運輸業が売上の60%(利益率7%)、流通業が19%(利益率1%)、不動産業が9%(利益率30%)、レジャー・サービス業が4%、建設業が6%を占めます。オリエンタルランドの筆頭株主でもあり、観光需要回復や鉄道事業の効率化による成長が期待されています。安定した運輸事業と多角的な事業展開から、長期投資に適した企業と評価されます。
2. 安定した成長の有無
京成電鉄は自己資本比率が45.3%と健全であり、財務基盤が安定しています。鉄道運賃の値上げや訪日外国人旅行者の増加により売上が堅調に推移しています。株主還元も配当の増加傾向が続いており、今後も安定した成長が期待されています。特に不動産事業やホテル事業の堅調な成長が収益性を支えています。
3. 直近の売上高、営業利益
2024年3月期の売上高は2,965億円、営業利益は252億円と前年から大幅に成長しました。成長率は堅調で、2025年には売上高3,430億円、営業利益360億円を見込んでいます。時価総額は約7,758億円、総資産は1兆169億円で、着実な成長が見込まれています。
4. 現在の株価
2024年8月時点の時価総額は7,758億円、総資産は1兆169億円、自己資本は4,603億円です。株価は3,831円から7,676円の範囲で推移しており、成田空港関連の需要回復や不動産事業の拡大を背景に堅調です。
5. キャッシュフロー、現金
営業キャッシュフローは600億円、投資キャッシュフローは281億円のプラスで、設備投資を積極的に行いながらも財務体質は健全です。財務キャッシュフローはマイナス402億円で、現金及び現金同等物は823億円を保有しています。
6. 配当性向
2024年3月期の配当金は1株あたり26円でした。今後も配当は安定しており、2025年には18~20円が見込まれています。株主還元に積極的な姿勢が評価されており、今後も安定した配当が予想されます。
7. 採点と解説
業績と財務: 18/20
売上高と利益は堅調に成長しており、財務基盤も安定しています。特に不動産事業が収益を支えています。株価の安定性: 17/20
株価は安定して推移しており、鉄道事業の安定性と不動産事業の成長がサポートしています。成長性: 16/20
成田空港アクセスや不動産事業の拡大により、今後の成長が期待されていますが、外部環境に依存する面もあります。業界地位と競争力: 18/20
首都圏を中心に強力な鉄道網を持ち、成田空港アクセスでも高い競争力を維持しています。配当性向と株主還元: 17/20
配当金は増加傾向にあり、株主還元に対する姿勢が強く評価されています。
8. 総合評価(100点満点中)
総合評価: 86点
京成電鉄は、安定した鉄道事業に加え、不動産事業や訪日観光需要による成長が見込まれ、長期的に堅実な投資先です。株主還元の姿勢も高く評価され、今後も持続的な成長が期待されます。